NHK「燕は戻ってこない」第4話:日本で“代理母”を合法化するためには…ネタバレと第5話予告

05月26日19時00分ドラマ
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5月28日(火)22時よりのNHKドラマ10「燕は戻ってこない」第5話放送前に、21日に放送した第4話のネタバレあらすじとみどころを紹介しよう。NHK番組公式サイトでは、予告動画と過去回のプレイバック動画などが公開、NHK+で見逃し配信されている。

桐野夏生の同名小説が原作の「燕は戻ってこない」は、“命は誰のものか”という重要なテーマを扱った、鮮烈なエンターテイメント作品。



5月21日に放送した第4話で、女性向け風俗セラピストのダイキに慰められたリキは、正式に“代理母”になる契約を交わすことに。自分が他人の子を宿すことが、“人助け”なのか“ビジネス”なのか悩むリキに、ダイキは“命の危険”が伴うなら“人助け”の範疇は超えていると伝え、1人きりで大きな決断を迫られているリキに優しく寄り添った。聞き上手のダイキが女性たちに人気なのも納得だ。

リキは彼に対価を支払い、自分がずっと欲しかったものを、ほんの一瞬だけ手に入れたと感じる。リキが本能的に感じた“抱きしめたかった誰か”とは、望んでも決して手に入らない“我が子”のことなのだが、まだリキはそのことに気づいていないようだ…。

一方、リキに多額の報酬を支払う基の母・千味子も、これが“ビジネス”だと断言した。“ビジネス”ならば品質のランク付けも大切だし、自分もバレエの世界でずっと順位付けされてきたのだから当たり前のことだと。野心や欲望を隠さない千味子は、気持ちの良いほど自分勝手で、悠子にも言いたい放題。

“偽装離婚”した悠子に追い打ちをかけた電話はやりすぎにも感じるが…その内容は、これから起こりそうな予言めいたことばかり。千味子のするどい指摘にドキリとさせられた。

原作通り生まれてくる子を“実子”にするため、書類上で離婚した基と悠子。日本の現状では、“代理母”は認められていないため、“実子”にするには“結婚”するか“事実婚”なのを証明しなければならないという。書類上のこととはいえ他人となってしまうになってしまう草桶夫婦は“子”を授かるまで愛を維持できるのか…。

次回5月28日に放送される第5話では、リキが叔母の墓参りのために実家がある北海道北見へ出かける。しかし、これがとんでもない問題を引き起こすことに…。



■主要キャスト
大石理紀(リキ)役: 石橋静河
草桶基役:稲垣吾郎
基の妻・悠子役:内田有紀
基の母・千味子役:黒木瞳
リキの隣人・平岡役:酒向芳
リキの同僚・河辺照代(テル)役:伊藤万理華
生殖医療エージェント・青沼薫役: 朴璐美

悠子の親友・寺尾りり子役:中村優子
リキの叔母・佳子役:富田靖子
リキの元上司・日高役:戸次重幸
セラピスト・ダイキ役:森崎ウィン
ほか

■第4話 ネタバレあらすじ
リキ(石橋静河)は“代理母”になることの焦燥感から、女性向け風俗セラピスト・ダイキ(森崎ウィン)に会う。「貴女が嫌なことは絶対にしない」と言うダイキに「女が身を売るときは命の危険もあるのに…」とつい、今の本音を漏らす。緊張しているリキをリラックスさせようとダイキは身の上話を始める。

話を聴いているうちに、リキは自分が「他人の子供を産む仕事」を引き受けたことを打ち明けてしまう。高額な報酬はもらえても命の危険も伴うこの仕事が、“ビジネス”なのか“人助け”なのかに悩むリキに、ダイキは“人助け”にしては重すぎる、“取引”なのではないかと話す。

マッサージを受けて、気持ちの整理がついたリキは、ダイキにセックスしてほしいと頼んだ。今回の謝礼で叔母の墓参りにいかず、ダイキを求めたリキは「これが欲しかった、誰かをずっと抱きしめたかった…」のだと気づく。

千味子(黒木瞳)からの提案もあり、リキが妊娠したら実家のスタジオに住まわせたいという基(稲垣吾郎)。悠子(内田有紀)はそれはリキの自由を奪うものだと反対する。そんな悠子に、基は自分たち夫婦にとって子供を育てることがいかに大事なことかを語る。基から自分への思いの深さを知らされた悠子は、計画へのためらいを振り切った。

「プランテ」から、「サロガシー契約」の内容が提示された。病院を辞めて人工授精をすること、準備金に200万円、妊娠が分かった時点で300万円、子供が生まれたら残りの500万円がリキに支払われる。いくつかの基本的な条件の最後に、契約期間中、住居を草桶家に移すという項目があった。リキはその条項だけは削除して欲しいと頼む。

リキが同居を断ったことに激怒する千味子。リキがどんなランクの人間なのか自分の目で確かめてみたいと主張する義母に、悠子は反発する。「バレリーナだってランクづけされる。そうやって生きてきた」と自分の価値観を曲げない千味子。基は自分たちにはリキに頼むしか選択肢がないことを改めて伝える。

リキは親友のテル(伊藤万理華)が東京を離れ、恋人のソム太の居る愛知に引越しをすることを知らされる。対した金額にならない卵子提供は辞退したのだという。それに誰の子か分からない子供がどこかで生まれるのは可哀そうだとソム太に言われたからだと。テルは自己破産して新天地でソム太と結婚し慎ましく暮らそうと決断していた。それぞれの選択で「一緒に幸せになろう」とテルから励まされるリキ。貧困から脱し、望みの生活を手に入れるため、リキは代理母契約をかわす覚悟を決める。

「プランテ」で正式な契約書が交わされた。リキへの人工授精を合法にするため、基は悠子と離婚しリキと籍を入れることになった。リキは身の危険を感じるアパートから、快適なマンションに引っ越し、そして妊活が始まった。

もともと悠子が気に入らない千味子(黒木瞳)はそのことを知り悠子に電話をかける。「あなたと基は離婚した。もう他人同士よね。今は書類上のことだけど。でももし赤ちゃんが生まれたら、心が変わるかもしれないでしょう?基がこの先、産みのお母さんと夫婦で居たいって言ったとしても、子供のためにはその方がいいしね。悠子さん、貴女も考えておいてね。代理母を引き受ける人も非常識だけど。産ませる貴女もそうとうよね」

二度目の人工授精が失敗に終わり、リキは医師から排卵を確実にするための注射を勧められる。リスクとしては多胎妊娠、卵巣過剰刺激症候群という危険もある。しかし「プランテ」から事情を聞かされているという医師から「あなたは妊娠しないとならないんですよね?」と念を押されたリキは気落ちする。

そんなリキに悠子は労わりの電話をかける。リキは、悠子も長年この苦しみを味わっていたのだと気づく。悠子から気持ちを楽にした方がいいと勧められたリキは、叔母の墓参りに行くことを思いつく。



■第5話 あらすじ
代理出産の着手金を手に入れ、見違えるように着飾ったリキ6年ぶりに故郷の北海道に帰省する。(法律上ではあるが)基と結婚したことを知らされ、さらに驚く家族や地元の面々。リキはかつての職場の同僚たちとの飲み会で、当時不倫していた日高(戸次重幸)と再会する。リキが言い寄ってくる日高に辟易としていると、スマホに基から怒りのメッセージが届く。それは悠子が止めるのも聞かずに送ったものだった…。

ドラマ10「燕は戻ってこない」(全10話)は2024年4月30日放送開始。NHK総合 毎週火曜 22:00~22:45、BSP4K毎週火曜 18:15~19:00。再放送はNHK総合 毎週金曜 0:35~1:20 ※木曜深夜に放送される。原作:桐野夏生『燕は戻ってこない』(集英社)/音楽:Evan Call/出演:石橋静河、稲垣吾郎、 森崎ウィン、 伊藤万理華、 朴璐美、富田靖子、戸次重幸、内田有紀、黒木瞳、 酒向芳、中村優子、あめくみちこ、吹越満、いとうせいこう ほか

NHKドラマ10「燕は戻ってこない」nhk公式サイト

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