【最終回ネタバレ】 NHK「燕は戻ってこない」第10話 ぐりとぐらを出産したリキが“幸せになるため”最後に選択したこととは?

07月03日23時17分ドラマ
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NHKドラマ10「燕は戻ってこない」最終回の第10話が7月2日に放送された。ネタバレあらすじとみどころを紹介しよう。NHK番組公式サイトでは、関連動画と過去回のプレイバック動画などが公開、NHK+で見逃し配信されている。⇒【各話のあらすじ】

桐野夏生の同名小説が原作の「燕は戻ってこない」は、“命は誰のものか”という重要なテーマを扱った、鮮烈なエンターテイメント作品。



7月2日放送の第10話では、ついに生まれた子供たちを前に、ここまでプロジェクトを進めてきた者たちの思惑はさらに変貌していくことに。

帝王切開で双子を出産したリキが猛烈な痛みに苦しむ中、リキの前に現れたのは、念願の我が子との対面に浮かれている基と悠子。その前日までは、リキに1年間だけ母親になってくれるよう頼んでいた基なのに、いつのまにか悠子とよりを戻している。

悠子は“誰の遺伝子”だろうと双子を育てる決意を固めた基と、今度こそ本当の家族になれると思ったのだとリキに明かす。“血のつながり”が家族をつなぐのではないということをやっと草桶夫婦は気づいたのだ。

親友のテルから、リキに送られてきた家族三人の笑顔の写真。“卵子提供”を選択しなかったテルは、いつのまにか“人並の幸せ”を手に入れていた。

幸せそうな彼らを前に、命がけで出産したリキは釈然としない。“人並の幸せ”が欲しいと思い続けていたリキが手に入れたのは、高額な報酬と一生残る傷跡だ。

産んでからでないとわからないと言っていた、子供たちへの愛情は、予想以上に深く。二カ月一緒にいただけで気が収まるものではなかった。基に必ず別れると約束したものの、今回もリキは約束を反故してしまう。

リキの最後の選択は、“自分が自分らしく”幸せでいられるために、娘のぐらを連れて再スタートをきることだった。ドラマも小説も、リキが双子の女の子だけを連れて去っていくところで終わる。リキがどんな思いで我が子連れ去りを決断したのかは、正確なところはわからない。この先、リキに子育て計画があるとも思えない。けれど、「私たちは誰にも縛られない、どこにも行けるんだよ」と、リキが優しく娘に語りかけた言葉は、明るい希望に満ちていた。



■主要キャスト
大石理紀(リキ)役: 石橋静河
草桶基役:稲垣吾郎
基の妻・悠子役:内田有紀
基の母・千味子役:黒木瞳
リキの隣人・平岡役:酒向芳
リキの同僚・河辺照代(テル)役:伊藤万理華
生殖医療エージェント・青沼薫役: 朴璐美
悠子の親友・寺尾りり子役:中村優子
リキの叔母・佳子役:富田靖子
リキの元上司・日高役:戸次重幸
セラピスト・ダイキ役:森崎ウィン
ほか

■第10話 ネタバレあらすじ
突然破水したリキ(石橋静河)は、NICUがあるりりこ(中村優子)の親族が経営する病院に緊急入院。そして、帝王切開で男児と女児を出産する。臨月間近の34週だったため、小さく生まれた双子は、新生児集中治療室に運び込まれる。

目を覚ましたリキの元に、悠子(内田有紀)と基(稲垣吾郎)が見舞いにやってきた。2人はリキの頑張りを労い、双子を産んでくれたことに感謝する。「生まれたてでこんなに可愛いと思えるのは、やっぱり自分の子供だからかな…」と感慨ぶかげな基。検査したのかときくと、「正真正銘俺の子でした」と胸を張る基。

しかし、リキはなぜか釈然としない。麻酔が切れて猛烈な痛みと高熱にうなされるリキ。

出産3日目。今度はりりこが見舞いにやってきた。残りの報酬五百万は振り込まれた。看護師から帝王切開の傷は勲章だと言われたと話すリキに、りりこは、口止めされていると前置きをして、悠子と基が復縁することにしたと明かす。

子供の世話をしなくてもよくなったと聞いても何の反応もしめさないリキに、あの人たちはいいとこ取りだ、腹は立たないのかと尋ねるりりこ。「私は代理母の結末が知りたいんだって。搾取されるだけされてその先どうするの?もし誰かを好きになったとして、そのスティグマどう説明するの?」

出産5日目。悠子が離婚届と誓約書をもってやってきた。双子の名前は悠人(ゆうじん)と愛麿(えま)に決めたという。双子を迎える準備を薦めていると嬉しそうに話す悠子。リキは今書類にサインするつもりはないと突っぱねる。「こんなに大変だと思いませんでした。ちょっとは想像してくれてるんですか?こっちは命を作るのに命がけだったのに、さっさとサインしろって…嫌がらせと思ってくれてもいいです。それくらいさせてください」

リキがどうしてあの子たちが欲しくなったのかと尋ねると、悠子は基とよりを戻してた理由を明かす。基は“正真正銘自分の子”と言ったが、本当は遺伝子検査をせず、誰の遺伝子であろうと、あの子たちを育てる決意をしたからだという。

“血のつながり”は、悠子が代理母に対して抱いていた疎外感だった。「のけものにされて本当に苦しかった。だけど、基は変わってくれた。血のつながりがなくてもあの子たちを育てるなら、私と同じ立場に立てる。私たち初めて同じ船に乗れたの」悠子はそう語り、基を人間として成長させてくれたリキにもう一度感謝を告げた。

出産7日目。リキは退院前夜、集中治療室から出てきた双子と初めて過ごした。リキは2人を前にして泣き崩れる。

翌朝。退院を祝いにきた基と悠子は、新たな提案をする。リキの元に二カ月間だけ双子を預けたいという。「それって乳母になれってことだよね」と憤るりりこを制し、リキは基たちの提案を受け入れた。追加の報酬を支払うという基に、「金額の問題じゃない。いくらもらっても割に合わない。なっとくできないんです」とリキ。

「せめて、わかってもらいたいです。私は機械じゃない。機械のように扱われたくないってことだけ。これから二カ月間いただいて子供と一緒にいられるなら、気が収まると思います」そしてリキは双子とりりこのシェアハウスで過ごすことになった。

二か月後。別れの日を前に、リキは最終決断を下した。ぐりと名付けた悠人を草桶家に残し、ぐらと名付けた愛麿を連れていくことにしたのだ。離婚届に署名し、子供には会わないという誓約書には、愛麿の名前だけを消した。手荷物とぐらを連れてシェアハウスを出ていくリキ。2人は渋谷の雑踏の中に消えていった。

ドラマ10「燕は戻ってこない」(全10話)は2024年4月30日放送開始。NHK総合 毎週火曜 22:00~22:45、BSP4K毎週火曜 18:15~19:00。再放送はNHK総合 毎週金曜 0:35~1:20 ※木曜深夜に放送される。原作:桐野夏生『燕は戻ってこない』(集英社)/音楽:Evan Call/出演:石橋静河、稲垣吾郎、 森崎ウィン、 伊藤万理華、 朴璐美、富田靖子、戸次重幸、内田有紀、黒木瞳、 酒向芳、中村優子、あめくみちこ、吹越満、いとうせいこう ほか


NHKドラマ10「燕は戻ってこない」nhk公式サイト

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