タイトルの謎「花より男子」の本当の意味は?

特集 韓ドラここが知りたい ドラマの不思議
花より男子」の原作は、集英社の雑誌「マーガレット」で1992年から2004年まで連載された神尾葉子の少女漫画。単行本にもなったこの作品は、一般庶民の牧野つくしと、大金持ちの4人の花美男(F4)との正反対な人たちが生み出すラブコメ。日本では、日本一売れた少女漫画として、30~40代の女性なら一度は手にしたことがあるのではないだろうか。

この作品は、1996年にはCDブック化され、木村拓哉が“花沢類役”で声優初挑戦している。その後、TVアニメ化されたり、同じ登場人物のオリジナルストーリーでミュージカル仕立ての映画にもなっている。しかし、ドラマとしての「花より男子」は、台湾版がひと足先に2001年に放送し、4年遅れて日本が2005年にドラマ化した。主演は、井上真央がヒロインのつくしを演じ、F4を嵐の松本潤、小栗旬、松田翔太、阿部力らが演じた。そして、2009年1月から韓国版が放送され、アジアでの「花より男子」トロイカバージョンが完成したというわけだ。

タイトルは、本家の日本版は「花より男子」、台湾版は「流星花園~花より男子~」、韓国版は「花より男子~Boys Over Flowers」となっている。

突然だが、先日、奇妙な話を小耳に挟んだ。女子高生と思しき数人の女の子たちと電車に乗り合わせたのだが、彼女たちは、松本潤、小栗旬、松田翔太、阿部力が演じるF4と、韓国版のイ・ミンホ(ミノ)、キム・ヒョンジュン、キム・ボム、キム・ジュンのF4とどちらが花美男(カッコいい)かで言い争っている。花美男という言葉は、妙齢のご婦人達が韓流スターを呼ぶときに使うとばかり思っていたが、若い世代にも浸透しているのかと、しばらく彼女たちの会話を楽しんで聞いていた。

その内、一人の女子学生が突然薀蓄(うんちく)を傾けた。「“花男”のタイトルは“花より団子”という諺(ことわざ)からきてるんだよ!」と。母親が漫画本時代からの大ファンらしい。漫画世代なら誰でも知っているこの“薀蓄”に、皆が一様に「へぇ~っ!、そんなコトバあるの?」という驚きの声をあげている。“花美男”という言葉を知っている女子高生(たぶん)に驚いたが、今度は“花より団子”という言葉を知らないことに、二度驚いた。世代のギャップだ!

改めて手元の辞書でタイトルの語源となった諺を引いてみた。「花より団子=風流がわからないこと。見て美しいだけのものより、実際に役立つものの方がいいということ。花をながめて目を楽しませるより団子を食べて食欲を満たすこと」などとある。作者の神尾葉子が、色気より食い気という、主人公つくしの性格にちなんでつけたタイトルだ。間違いない!
韓国ドラマのタイトルを見てみよう。
ハングルの意味と読みハングルの意味と読み団子を韓国語の辞書で引くとキョンダンとある。もっと他に適切な単語があるのかもしれないが、少なくとも男子=ナムジャに似ている言葉は見当たらなかった。となると、韓国語のタイトルは、数式で書くと「花<男子」ということで、「花よりカッコいいF4の物語」となってしまう。ご丁寧にも英語で「Boys Over Flowers」と花を超えた男子という注釈まで付けている。そういえば、韓国でのドラマ制作発表記者会見でも、F4にばかり注目が集まり、ヒロインのク・ヘソンが置いてきぼりになったというようなニュースを記事にした記憶がある。まあ、面白ければどちらがメインでもいいのだが、その国の諺や文化を知っていれば、もっと深くドラマを楽しめることに改めて気が付いた。ますますおすすめ隊が頑張らなくては!

[韓ドラここが知りたい!-ドラマの不思議]のコーナーでは、他にも、「地面にヘディング」、「乾パン先生とこんぺいとう」「キツネちゃん、何しているの?」のタイトルの謎などを紹介しているので、こちらもご覧いただきたい。

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KBS Download Mallで「花より男子」配信中
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写真: (C)IMX&Creative Leaders Group Eight 映像: (C)KBS&KBSi