闇の狩人
時代劇の醍醐味と華麗なロマンを存分に駆使し、映画の面白さ、楽しさ、そして爽快さを『雲霧仁左衛門』で立証した五社英雄監督が、再び最高の題材と華やかな話題を得たのが、『闇の狩人』だ。本作は吉川英治文学賞を受賞した池波正太郎原作を映画化したもので、池波文学の作品の中で最も映像的で、現代性に溢れた傑作小説である。作品に登場する人間像は、生々しい迫力と、壮絶な男女の生態が強烈なタッチで描かれ、しかも随所に想像を絶する無類の仕掛けが、手に汗握る興奮とスリルを呼ぶ最高の娯楽映画である。“時代劇暗黒街”の悪の魅力と狂気とロマンを、五社監督が豪快なタッチで描く。
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