ドキュメント!人工臓器全19話

長年人工心臓の開発を進める、早稲田大学理工学部・梅津光生さん。短期間使用する補助型人工心臓を、応急処置または心臓移植が必要な患者さんに、安く提供できる可能性を模索している。東京女子医大の山崎健二さんらとの共同開発を進め、製品化が目前。かつて、日本国内外で、日本人研究者は人工心臓の開発に大きく寄与した。阿久津哲造さん、渥美和彦さん、土屋喜一さんらは、多くの技術的困難と人工心臓に対する倫理的反発と向き合いながら、研究開発を進めた。また、町工場、安久工機を経営する田中文夫さんは、まだ学生の梅津さんに工学の基礎を教え込んだ。人工心臓とは、このように、医師と工学者が手を携えて開発が進められた臓器である。
  • 梅津光生教授 早稲田大学理工学部
  • 再生時間 : 29分
    Windows Media Player/Real Media
    512k
  • 無料
人工肝臓の研究・開発に精力を注ぐ、東京大学・医学部・成瀬勝俊さん。肝臓は500種類以上の物質を化学合成する臓器で、そのすべてを代行する人工臓器は未だ開発されていない。肝臓の機能のうち、合成と代謝を行う治療が人工肝補助療法。合成の役割を体内で行う成分、血漿を肝臓病の患者に補給するこの治療のために、世界では、大量の血液(および血液中の成分である血漿)が必要とされている。しかし、血液は世界中で不足している。血漿の中から特に重要な成分であるアルブミンを、クローンブタ(形質転換ブタ)の中で生産する方法を、明治大学の長島比呂志さんと進めている成瀬さんの奔走を紹介する。
  • 成瀬勝俊 東京大学医学部・肝胆膵外科・人工臓器移植外科
  • 再生時間 : 29分
    Windows Media Player/Real Media
    512k
  • 無料
抗体により癌を治療する研究を進める藤田保健衛生大学の黒澤良和教授。これまで、人間の体の中の正常細胞を避けて癌細胞を攻撃する薬品の開発は難しいことであった。黒澤さんは”人工抗体ライブラリー”を作り上げ、その中から、癌細胞だけを認識する人工抗体が157種類発見されるにいたった。年間30万人を超える癌死亡者数に対する決定的な治療方法として期待されている。
  • 黒澤良和 藤田保健衛生大学・医学部・総合医科学研究所・免疫学研究部門
  • 再生時間 : 29分
    Windows Media Player/Real Media
    512k
  • 無料
信州大学繊維学部の阿部康次教授は親和性を持った生体材料を開発し、軟骨の再生、ES細胞の培養、人工歯根膜の再生に利用しようとしている。阿部さんは工学者として積極的に医学者と共同研究を進めることで医工連携を実現してきた。その研究が目指すところは、患者の人格復権。生体材料を体に入れても、十分な感覚を持つことで意気にあふれる人格を取り戻すことである。
  • 阿部康次 信州大学・繊維学部・機能高分子学科
  • 再生時間 : 29分
    Windows Media Player/Real Media
    512k
  • 無料
先天性表皮水疱症などの難治性皮膚潰瘍の患者は、日本国内で5,000人を超えると言われている。愛媛大学医学部の白方裕司さんはこの難治性皮膚潰瘍の治療に人工皮膚を用いる。自ら培養した人工皮膚を用いて白方さんは様々な症例を治癒してきた。現在、白方さんが最も精力を注ぐのが、遺伝子治療と人工皮膚との融合。生まれつき遺伝子が欠陥した患者さんに人工皮膚を通じて遺伝子を導くことで根本的な治療を目指す、白方さんの取り組みを紹介する。
  • 白方裕司 愛媛大学・医学部・皮膚科
  • 再生時間 : 29分
    Windows Media Player/Real Media
    512k
  • 無料
心臓ペースメーカーは現在最も完成された人工臓器と言われている。使用している患者数は約3万5千人。その性能の向上が進む一方で、すでにペースメーカーを体内に埋め込んだ患者のケアが非常に重要である。愛知医科大学・循環器内科の水谷登さんは、自分の患者の職場環境を調査したり、またリニアモーターカーなどの新しい技術がペースメーカーに及ぼす影響なども調査している。またペースメーカーによる心臓病の治療など新しい使用方法も検討している。水谷さんの活動を紹介する。
  • 水谷登 愛知医科大学 循環器内科 助教授
  • 再生時間 : 29分
    Windows Media Player/Real Media
    512k
  • 無料
これからの医療の主体となると期待されている再生医療。それにかかせない材料が、組織培養のための高分子化合物。早稲田大学・理工学総合研究センター・客員教授の森有一さんは、低温で液体、高温で固体化するハイドロゲルの開発をしている。このゲルにより、骨の再生、ES細胞の培養などの研究が進められている。医療用ハイドロゲルがひらく新たな可能性を紹介する。
  • 森有一 早稲田大学・理工学総合研究センター
  • 再生時間 : 29分
    Windows Media Player/Real Media
    512k
  • 無料
人工心肺装置、牛の静脈片を使った生体材料、人工血管、カテーテルによるコイルオクルージョン、人工弁など、動物用の人工臓器開発も進んでいる。近年、ペットをコンパニオンアニマルと呼ぶようになり、小動物を家族の一員として飼う人々が増えた。東京農工大学・農学部獣医学外科学教室の山根義久さんは、小動物治療用の人工臓器を開発してきた。人間より生存能力の劣る小動物に対する治療には、様々な苦労が存在するという。そんな山根さんの執刀したある手術に密着取材した。
  • 山根義久 東京農工大学 農学部獣医科獣医外科学 教授
  • 再生時間 : 29分
    Windows Media Player/Real Media
    512k
  • 無料
現在、最も普及が進んだ人工臓器の一つ、人工腎臓。治療を受ける腎不全患者は、週3回から4回、病院で透析を受けなければならない。板橋中央総合病院・血液浄化療法センター所長の阿岸鉄三さんは、長年に渡り、人工腎臓の改良に貢献してきた。その中でも、阿岸さんが開発した二重濾過血漿分離交換法は、透析のコストを大幅に下げるなどの改善をもたらした。阿岸さんの医学探求心はさらに深まり、現在は西洋医学と東洋医学を融合する補完・代替医療を試みている。人工腎臓の今を伝える。
  • 阿岸鉄三 板橋中央総合病院 血液浄化療法センター 所長
  • 再生時間 : 29分
    Windows Media Player/Real Media
    512k
  • 無料
自分の体内の細胞から自分用の臓器を作る医療、再生医療。人工臓器の分野だけでなく、医療全般で主流となることが期待されている。その中で最も注目されているのが細胞シート。東京女子医科大学・先端生命医科学研究所・所長の岡野光生さんは、インテリジェント培養皿で細胞シートを培養する技術を確立している。大阪大学医学部との共同研究では、角膜シートの培養に成功し、臨床でも使用を始めた。女子医大の取り組みを紹介する。
  • 岡野光生 東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 所長
  • 再生時間 : 29分
    Windows Media Player/Real Media
    512k
  • 無料