RIDEBACK全12話
世界は変わる――。そう尾形琳が感じたのは、足に怪我を負い、バレエの道を絶たれた時だった。そして現在、大学へ進学した彼女は、無骨な鉄馬と劇的な出会いを果たす。偶然それに乗り込んでしまった琳は、かつて舞台の上で感じた光の中へと飛び込んだ。「ライドバック」。深紅のマシンが再び世界を変える燭光となるのか。
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(C)カサハラテツロー・小学館/「ライドバック」製作委員会
ライドバック部に誘われ、困惑する琳。そこに舞い込んだのは部長である珠代からの挑戦状だった。レース勝負を受ける琳。当日、彼女は初心者とは思えない走りを見せ、周囲を驚嘆させる。だが、珠代はさらにその上をいった。華麗なライドテクに翻弄され、コースアウトしてしまう琳。勝敗は決したかに思われたが……。
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ライドバック選手権当日、珠代はトップを独走するが、琳のマシン「バロン」は調子があがらない。菱田は安全装置を外すことで、マシンの限界性能を引き上げるという賭けに出る。フェーゴと同様の状態になり、絶好調の琳。脅威の追い上げで上位へと踊り出る。だがその時、顧問の岡倉が「マシンを止めろ」と声をあげた。
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町へ出るライドバック部の面々と落ち合うはずのしょう子。だが、彼女は突然のテロに巻き込まれてしまう。助けようとする琳はフェーゴに跨り、渦中のビル内へと突入。しょう子を救出するも、弾丸の雨に晒される。ついに追い詰められた琳。そこに聞こえた男の声が、彼女に甘く囁いた。「飛ばないのか?」、と……。
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事件の余波で、部は休止状態。しょう子も伏せ、珠代のもとには怪しいジャーナリストが迫る。混然とした状況の中で、岡倉は琳に「フェーゴは破棄した」と放言。だがショックを受ける琳に対し「お前は俺が守る」とも呟くのだった。琳の心は惑う。真意の掴めぬ岡倉の行動に? 非日常的な喧騒に? いや、それだけではない。
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フリージャーナリストの依田に、「謎のライドバック少女」の件について問い詰められそうになる琳。偶然その時、弟の賢司が公道走行を禁じられているライドバックで、暴走している姿を見かける。後を追った彼女が目撃したのは、賢司たちを襲う警察の白いライドバックだった。賢司を助ける為にライドを駆る琳。だが……。
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白ライドの騒動でGGPに抑留される琳を、かつてTV塔で見た黒い男の悪夢が苛む。巨大な力の前になすすべもない彼女は、搬送されていく途上で銃声の音を聞いた。それは彼女を助けようとするひとつの意思によるもの。時を同じく、岡倉は監視しているGGPに対し、「ゴブリンが挨拶に行く」と宣戦を布告する――。
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琳を助けた男。それはかつてTV塔テロ事件の時、琳にささやいた声の主、キーファだった。反GGP組織、BMAに所属する彼は、琳を選ばれた者だと言う。彼によってこれまで偶発的に発揮していたライドバックとの一体感が呼び覚まされた琳。だが、BMAのアジトはGGPによって今、まさに襲撃されようとしていた。
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非常事態宣言を発令するGGP。武器転用を理由に回収される市販ライドバック。その抗議に立ち上がる部員たち。真綿で首をしめるようにGGPの強権が警察、市民に圧力をかけていく。そんな混乱の中、珠代と琳はふたりで珠代の父の隠れ家に身をよせていた。琳は二度とライドバックに乗らない事を珠代に告げるが……。
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ライドバックに出逢い、友人もできた。おかしいほど鉄馬に夢中になれた。その理由は「光」の存在だった。天才、バレリーナ尾形遊紀が放った光、ファーゴに乗って見た「光」……。それは、届かぬ夢への未練の見せる幻影だったのかもしれない。逃走中の琳の眼前に、母と自らが立った舞台、国立第三劇場が迫る。
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