心の友の裏切り!男たちの涙と怒り!「イ・サン」第65-66話あらすじと見どころ動画-NHK
世継ぎの件でヒョイ王妃に対して敵意をむき出し、あろうことかソンヨン(宜嬪)に対する暴言まで口にするホン・グギョンを目撃したサン。この後サンはグギョンを呼び出しある命令を下す。
第65話では、ヒョイに向けられたホン・グギョンの敵意が、ついには恐ろしい計画を決行する場面が、第66話では、すべてが明るみになった後のサン、テス、そしてグギョンの涙の場面が一番の見どころとなっている。
【第65話:悲しき暗殺者】
サンは、グギョンを呼び出し、ソンヨンに対する暴言に関しては触れず、貞純大妃の動きを調べるように命じる。老論派がそろって完豊君(ワンプングン)の世子擁立に関する上奏文を提出したことに、大妃の関与を疑ったのだ。
ヒョイは、大妃の尚宮と亡くなったウォンビン(元嬪)に仕えていた尚宮とが手紙のやり取りをしていることを知り、テスにグギョンの身辺を探るように命じる。テスにとっては、サンを頂点に、グギョンは師でもあり兄のような存在、王妃はサンの妻でソンヨンを守ってくれる人。そんな大切な恩人2人の確執の間に立たされたテスのやりきれなさをお見逃しなく。
同じころヒョイと同じくサンもグギョンの動きに不信感を持っていた。しかし、サンにとってグギョンはただの忠臣ではなかった。同志であり、自分を王位につけてくれた貢献者であり、そして同じ目線でモノが見られる心の友だったのだ。そこでサンはグギョンに最後のチャンスを与える。このツーショットの場面をお見逃しなく。
「権力を得るためには手段を選ばないが、手にした権力をむやみに行使しない」サンと初めて出会っころのグギョンの言葉だ。この言葉を信じてサンは彼に大きな権力を与えてきたのだ。最後にもう一度チャンスを与えたいサンはグギョンを都承旨(トスンジ)という王の最側近である任から解く決意をする。サンとしてはこれは左遷ではなく再起のための最後のチャンスを与えたつもりだったのだが…。
ヒョイの頼みに悩むテスはあることで意を固める。その“あること”がまたテスを悲しませるのだった。テスはグギョンと大妃の密会を目撃し、衝撃を受ける。それでもグギョンを守りたいテスはこの後、実に男らしい行動に出る。(筆者の中ではもちろんサンが一番だが、テスの株も上がりっぱなしだ)
グギョンが大妃と密通していたことを知ったヒョイは、グギョンを呼び出し、自白しなければ数日後の行幸の後、サンにすべてを打ち明ける、と告げる。
都承旨の職も解かれ大妃とのつながりまで知られれば、今度こそサンに見捨てられると思ったグギョンは、必死にヒョイにすがるが、彼女を翻意させることはできなかった。
もし、テスが大妃との密会をヒョイに報告しなければ…、もし、ヒョイがもう一度だけ彼を許していれば・・・、グギョンの暴挙は止められたのだろうか?
ついにホン・グギョンは、行幸先でヒョイ王妃暗殺のある計画を部下に指示する。しかし、その直後にホン・グギョンは、サンとヒョイの仲睦ましい姿を目撃し、あわてて外に出て走り出している。グギョンはどこへ行ったのだろう?
【第66話:絶望の涙】
今回の行幸にはソンヨンも同行している。ところが体調の悪いソンヨンが倒れてしまう。ヒョイが看病に当たるため、宴にはサンが代わりに出席することになる。さあ、大変だ!グギョンは王妃を暗殺するために彼女の食事に毒を盛るように指示していたのだ。その料理をサンが口へ…。間一髪のところで、機転を利かせた女官のおかげで食事は中断された。
しかし、料理からは毒は見つからなかった。その訳はドラマの中で確認しよう。結局、暗殺は未遂に終わったが、ヒョイの代わりににサンが宴の席に着いていたことを知ったグギョンの驚きようを見届けよう。
結局、テスの活躍で実行犯が捉えられ、すべては明るみに出る。グギョンもまた観念してすべてを自白するのだった。ここで注目したいのは、実行犯を捕らえる時のテスのアクションだ。アクションの一つ一つに怒りと悲しみがないまぜになった圧巻のアクションを俳優イ・ジョンスが見事にきめている。
前回は、最後のチャンスを与えるためにサンとグギョンのツーショットがあったが、今回はグギョンがすべてを自白するためのツーショットがある。グギョンが自白しても、それでもなお「何かの間違いだろう」と言葉をかぶせ、嘆き悲しむサンの姿に注目しよう。
今回はこの後もう一度ツーショットシーンがある。拷問され牢獄に入れられたグギョンにサンが会いに来る。明日はグギョンに死刑を言い渡すサン。前回から3回にわたるツーショット。視聴者の涙の量もどんどん増えて、この場面で涙腺は決壊するはず。
これまでもサンには辛い試練が続いてきたが、ひょっとして今回の一件は、それらを超える悲しみだったかもしれない。何しろ、信頼する右腕で心の友でもある人物を、自らの手で死刑として裁くのだから。
自ら招いたこととはいえ、今回描かれているグギョンの嘆き、後悔の涙にも胸がうたれた。彼は権力の亡者となってしまったが、サンへの忠心だけは生涯変わらなかった。ヒョイを殺してでも、サンに見捨てられたくなかった。それはもはや恋に近い感情かもしれない。だから、暗殺を中止したのも、ヒョイを亡くすことでサンを悲しませたくないという良心の呵責からでた行為だろう。
男2人の悲しみばかりに注目したが、ヒョイの受けたショックもまた大きかっただろう。美しくやさしく慎ましく、きっとこれまで人から憎まれるという経験をしたことがなかっただろう彼女が、“殺したいほど”憎まれたのだから…。それにしてもヒョイはなぜここまで強くなれたのか。それは彼女の“母性”がそうさせたのだ。子供を生せなかった彼女は、なんとしてもサンの子供がほしかった。そしてその役目をサンが愛するソンヨンに託した。こんなこと生身の女では、とても我慢できないはず。この時点でヒョイはサンとソンヨンの母になったのかもしれない。母は強し!
ところで、歴史に記されたヒョイとグギョンの仲はどうだったのだろう。実際にウォンビンの死後2人の仲は急激に悪化している。史実では、ウォンビンが側室になったのは12歳のときとある。当時12歳での輿入れはそう珍しくはない。ヒョイがサンの妻になったのも同じような年頃だ。しかし、後継者の誕生を一日でも早く望む王室としては、12歳の側室はありえない。やはりここは、グギョンが幼い妹を側室にし外戚となって絶対権力を握ろうとしていたためと考えて間違いない。そんな妹をヒョイが毒殺したと信じていたのだから、その恨みたるや相当のもののはず。
当時、グギョンは、正祖王(サン)の信頼をいいことに、傲慢な態度で周囲からのひんしゅくを買っていた。党派の歴史の表を見よう。朝鮮王朝は何度も党派の争いが起きているが、そのほとんどが“外戚の国政介入”いや、国政において絶対権力ほしさに外戚を狙って、娘や妹、はたまた遠い親戚魔で持ち出して王室に嫁がせた。これはどこの国でもあることだが、あまりにもひどい!そこで、ドラマにもあるように、正祖は、党派の問わず等しく人材を登用しようとしたのだ。これが彼の採った蕩平策である。それを、腹心の部下であるグギョンが崩そうとしたのだ。正祖の焦り、怒り、そして悲しみはいかほどか…。
そういえば、66話の終盤で、サンの母恵嬪(恵慶宮)が、本件でグギョンを悪くいうシーンがある。ここで「その元を作ったのはあんただろうッ!」と思わずドラマに怒鳴ってしまった方もいたのでは?もちろん、筆者も怒鳴った。
物語に戻って…もう一人今回の一件で深く傷ついたのがテスだ。しかし、ドラマのラストで、そんなテスがかすかな希望を見つける。果たしてその希望とは…。
65、66話と救いようのない悲しい場面が続いたが、やさしいイ・ビョンフン監督は、こんなときにも視聴者への心配りを忘れない。
65話で、キム尚宮とヤン尚宮(チョビ)が、「はじめて会った気がしないワ~」「ここが(宮殿)がなぜかしっくり来るのよ~」なんて会話をしている。イ監督のファンならすぐにピンと来るだろう…そう!2人はそろって「チャングムの誓い」に出演しているのだ。
何気ない尚宮2人の会話のシーンを描きながら、見る人が見ればわかる笑いをツボを押さえるあたりが、イ・ビョンフン監督のすごさだ。こうしてファンは次々とイ監督の作品を手にしてしまい、寝不足になるのだった。
今回、ネタばれと見どころを詳しく紹介したいという葛藤で、更新が遅れました。感想やご意見などがありましたら、【お問い合わせ】からお気軽にどうぞ。m(__)m
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