統一新羅時代（676～935年）、東アジアの海上を制圧し、国際貿易を主導した実在の英雄がいた！名前は「チャン・ボゴ」…。
4月9日からGyaO!で無料配信開始した「海神－ヘシン-」、早くも多くの韓ドラファンが視聴しているようだ。今回からは、舞台となった時代と主人公たちの紹介をしよう。（以下、図表は別画面で表示するので、不要になった時点で[×]で閉じてください）

まずは、半島の歴史年表でドラマが半島の歴史のどのあたりなのか確認しよう。三国時代の終わり、676年に新羅が唐と連合軍を組んで高句麗、百済を滅ぼしてほぼ、半島の全土を統一した。ここで活躍したのが、「善徳女王」のキム・チュンチュとキム・ユシンだ。
ここで“ほぼ”としたのは、半島北部には、高句麗の流れを汲むものたちが、渤海と言う国を建国し、デンと陣取っていたのだ。では、次の順で半島の地図を見てみよう。
　三国時代→統一新羅時代→高麗時代→朝鮮王朝時代→現代
半島全土を統一したのはこの後、936年に高句麗の流れを汲む高麗。ドラマ「千秋太后」では、かつての高句麗の広大な領土を夢見る女帝がいた。(これについては後日詳しく紹介）。そして、朝鮮王朝時代になって初めて今の韓半島とほぼ同じ領土を持つことになる。

こうした時代の流れのある半島の激動の歴史を描いたドラマにはどんなものがあるのかは、[ ドラマの年表 ]で確認できる。韓ドラここが知りたいでは、時代ごとドラマの年表を用意しているので、チェックしておこう。

さて、「海神」は、長く歴史に埋もれていた人間チャン・ボゴを甦らせ、その秘密のベールを剥いだ一大スペクタル歴史ドラマ。主人公のチャン・ボゴだが、「三国史記」にも彼の記録は残されている。れっきとした実在の人物である。チャン・ボゴは、唐、日本、アラビアに至る長い海の道を開拓し、東北アジアの交易を牛耳った人物。“国境を越えた世界人”として現代にも通用する貿易人であった。しかし、「三国史記」には、彼を“謀反を画策した卑しい身分の海島人”としてみている。果たしてチャン・ボゴは反逆者なのか、それとも英雄なのか!?　同じ人物でも視点を変えればまったく違う人物になる。歴史ドラマの醍醐味はこうしたところにあるのだというのが実感できるドラマだ。

このドラマで、ひときわ強いカリスマ性を魅せたのが、主人公チャン・ボゴを演じたチェ・スジョン。韓国歴史ドラマにあまり慣れていない方には、ドラマ「初恋」のヨン様ことペ・ヨンジュンのオッパ役といった方がとおりがいいかもしれない。（でも、初恋の主役はチェ・スジョンですヨ！）

最高視聴率６５．８％という脅威の数字をたたき出した「初恋」は、今も韓国の歴代視聴率トップの座に君臨している。歴代視聴率TOP30の表で確認しよう。彼の出演したドラマは全て大当たり！「海神」の前に「太祖王建」、「大祚栄(テジョヨン)」、「太陽人李済馬」など多くの歴史ドラマに出演している。どれも大ヒットでスジョン不敗”の異名をもつトップスターに躍り出た。

彼の魅力は何といってもその「目力」にある。ドラマの中で、奴隷となった主人公チャン（チェ・スジョン）が、何度も何度も脱走を繰り返し、捕まる度にその目力に凄みが増す。あきれるほど捕まるのだが懲りずにまたやる。往年のハリウッド映画「暴力脱獄」のポール・ニューマンも真っ青の逞しさだ。彼は不遇な世界の中ながらもトップにのし上がっていき、それなりの地位を得るのだが、真の自由を追い求めていつまでも抗い続ける。そうすることで彼には、強烈なカリスマ性と人心を掌握する術を体得し、遂には真の自由を手にするのだ。自由を手にするまで、それはそれは大変な苦労をする。もし、これがこれがリングなら、タオルを投げて中断したいところだ。

「海神」の大自然をバックに繰り返される壮烈な戦闘シーンは、とにかく凄い！「手に汗握るド迫力」。汗どころか、その迫力に胸はバクバクするし、肩は凝るし…。韓ドラのラブコメにから初めて挑戦する方は心して視聴されたい。

しかし、逞しい男に限って恋にはオクテで、チャンもご多分に漏れず、恋するジョンファ（スエ）にはからきし弱い。もう、メロメロ～♪スマートな現代ドラマのイケメン俳優に慣れている視聴者にはこれも新線だろう。

★チェ・スジョン（1962年12月28日生、174cm、68kg、B型）
デビューは1987年「愛が咲く木」。デビュー作で青春スターとしていきなり人気がブレイクし、映画「あのね、秘密だよ」、ドラマ「嫉妬」、「パイロット」などで青春スターとしての地位を確立した。しかし彼は、チャン・ボゴが新の自由を追い求めたように、チェ・スジョンも青春スターとしてとどまることなく「野望の歳月」「太祖王健」「太陽人李済馬」などの歴史ドラマで、成熟した時代の男を演じるようになった。そして、2004年「海神」で映画を超える歴史ドラマを誕生させ、今や彼の代表作ともいえる「大祚榮」にめぐりあう。その才能はドラマや映画だけでなく、トークバラエティ番組などのＭＣとしても花開いた。
俳優として数々の賞を受賞した彼だが、何よりの大きな賞は、青春スターとして共演した妻のハ・ヒラだろう。長い交際の末に結婚した二人は、今も理想の夫婦として多くの羨望と注目を集めている。妻や子供たちへのサービスも忘れない彼は、ここだけは、演じたチャン･ボゴとは違ったようだ。

次回は、ヨムジャ（ソン・イルグク）を紹介！お楽しみに！

[「海神-ヘシン-」を2倍楽しむ]に戻る

◆配信期間　2011年4月9日（土）～2011年7月8日（金）　毎土曜4話更新
「海神-ヘシン-」 視聴ページ

GyaO!で配信中のその他のドラマについては【GyaO！な韓流ドラマたち】で紹介。