渡哲也・渡瀬恒彦の兄弟共演が40年ぶりに実現!スペシャルドラマ「帰郷」予告動画-TBS
12月23日、TBSでスペシャルドラマ「帰郷」を放送、渡哲也と渡瀬恒彦というベテラン俳優兄弟が、ドラマ内でも兄弟役で出演する夢のような企画が実現した。芸能界に在って共に名俳優の地位を確立した2人が、実の兄弟だからこそ生まれる迫真の演技を披露する。
物語は、下町で親子二代に渡って開業医を営む神尾龍太郎(渡)の視点で進められる。龍太郎には、21年前のある出来事から確執の生まれた弟・真次郎(渡瀬)がいた。それ以来会う事も無く過ごして来た2人だったが、2011年の年の瀬に真次郎が帰郷した事を龍太郎は知る。しかし真次郎は実家には戻らず妻の妹・あさみ(大竹しのぶ)の家に滞在していた。21年前、妻と娘を失った真次郎は故郷を捨てて街を出て行った。自分に連絡をよこさない弟に疑念を抱く龍太郎だったが、ついに対面の時が来る。2人が抱える確執の原因とは?
一番のみどころは、なんといっても渡と渡瀬が同じ画面に登場するシーンにある。ある出来事をきっかけに疎遠になった兄弟という設定から、ドラマ内では激しい兄弟げんかのシーンも繰り広げられる。兄弟だからこそ生まれるぶつかり合いが見事に表された迫真のシーンとなったが、実はプライベートでは衝突やケンカは一切無かったという。クランクイン直前には電話で演技の相談をしあうなど仲の良い関係で、クランクアップの際の会見では渡が「身内なので非常に申し上げにくいのですが、弟は私をはるかにこえた俳優になったなと。野球のピッチャーに例えるのなら、私はボール気味のストレートしか投げられないのですが、弟の場合はフォークだとかスライダーだとかカーブなども投げられるような上手い役者になった」と絶賛する一方で、渡瀬も「、「(兄は)相変わらず直球しか投げられない人だなと感じました。でも、僕は直球のスピードが出ないので、なんとか交わしながらでも…」と返して互いに讃えあう微笑ましい場面も見られた。共に69歳と67歳、オファーがあった時には今後の共演は無いかもしれないという想いで受けたドラマだけに、年を経て兄弟として生きてきた二人の絆が物語を通じて感じられる。そして、豪華な主演2人を支える脇役も芸能界きっての実力俳優が揃っている。富司純子、古手川祐子、徳重豊、内田有紀、寺田農、大竹しのぶ、柄本明といったビッグネームが並ぶことで、重厚な演技で周囲の人間関係が繊細に描かれる。
更にドラマロケ地の特色を生かした日本の風土が作品に彩りを添えるのも見逃せない。龍太郎たちの実家は千葉県市川市の行徳にてロケが行われた。ここは成田山参詣の入り口として栄えたことから、昔からの仏師や宮大工が多く住む伝統的な街として知られる。劇中で登場する初詣のシーンでは、壮麗な神輿が映し出されて一足早い正月の雰囲気を伝えてくれる。一方、真次郎が故郷を捨てて移り住んだ街として大分県の国東半島が登場する。行徳とは対照的な、海沿いの豊かな自然に囲まれた港町のコントラストが見るものを癒してくれる。キャスト、舞台共に魅力満載となったこの作品は、日本のドラマ史上に名を残す一本となるだろう。
ドラマ特別企画2011「帰郷」は23日(金・祝)よる9時から放送。予告動画は番組公式サイトで視聴出来る。
ドラマ特別企画2011「帰郷」|TBSテレビ