“社内政治家” サノケンこと佐野（豊原功補）の登場でますます面白くなった「七つの会議」…前回の第2回放送で、過去2年間トーメイテックで作られた強度不足のねじがパソコンチェアーどころか、列車や航空機の座席にも使われていたという驚くべき事実が発覚！今夜放送の第3回『すべて壊れていく』では、会社に告発文を送った佐野に対して、原島（東山紀之）の決意が描かれる！果たして風情の全貌を知った原島はどんな行動に出るのか？第3回の放送はNHK総合にて今夜27日(土)夜8時から、NHKオンデマンドでは28日より見逃し配信する。

■前回あらすじ
今回も冒頭は、弁護士・加瀬の質問から始まる。憔悴しきった原島は、弁護士から社内政治家と揶揄されるサノケンこと、東京建電カスタマー室長の佐野健一郎について聞かれる。原島は、「顧客からのクレームの処理というか、握り潰すのが彼の仕事です」と答え、彼の政治手腕とそれがあだとなり、一時は営業部の次長まで上り詰めたが、カスタマー室に左遷された事情を話す。そして彼と知ることになった、ねじにまつわる戦慄すべき真実を語り出す。

原島が、前営業第一課長・坂戸の更迭の裏に何かあると睨んだ同じ頃、佐野もまた何かに気づいた。そのきっかけは1件のクレームだった。佐野は、自社製品のパソコンチェアー「リラクーン」の背もたれに関するクレームを受けた事を会議で発表。しかし、イスとしての使用範囲を超えた使用だったために顧客側の問題と一蹴される。ところが原島は“ねじ”が折れたためと気づき、顧客を訪ねこれを調査。佐野は原島の動きに何かを感じ取り、営業の弱みを掴んで、これを自らの返り咲きに利用しようと原島に近づく。
原島の調査の結果、クレームのあったイスは、2年前に製造されたトーメイテックのねじを使ったもので、他にもクレームがあった。そこで、トーメイテックが作った他のねじも検品しようと考える。ねじの入手方法に悩む原島に佐野は、製造工場の高崎工場への「顧客のための工場見学」をアドバイス。カスタマー室の企画で「工場見学」が実行されることになり、原島も同行することに。

見学の後、原島は佐伯(田口淳之介）と一緒に内密に問題のねじを入手。原島は開発室の名倉にねじの検品を頼むが、驚くことに、トーメイテックが製造した全32種のねじの内、22種のねじが強度不足と発覚。さらに深刻なのは、“R”のついたねじが、列車のシートや航空機のシートに使われているということ。もし、列車や航空機事故が起きたら、人命にかかわる大惨事になりかねない。絶望感に打ちひしがれる原島に対して、佐野はこれこそが自分が返り咲ける切り札と考える。

やりきれない思いに、ねじ六の三沢社長（甲本雅裕）のもとを訪ねた原島は、以前落していった見本のねじを三沢から渡される。「以前の取引先で折れたネジについては何も言わない。自分は自分に出来る最高の仕事をするだけ」という三沢の言葉に、発注元の東京建電が潰れれば、こういう良心的な下請け会社も連鎖倒産してしまう現実を改めて思い知る。
その頃佐野は、この不正に関する告白文を北川営業部長（石橋凌）たちに送りつけていた。

北川部長に呼ばれた原島は、板戸が営業ノルマを達成するために、コストダウンを優先し強度不足のトーメイテックのねじを受け入れ、鉄道や航空機用シートの製造に使用、納品した事実を知らされる。会社はこれを隠ぺいするために、板戸を更迭し、その後処理用の人材として、何かあった時に簡単にすげ替えられる原島に白羽の矢を立てたのだった。そして、この不正にいち早く気づいたのが、ハッカクこと八角で、パワハラのでっち上げに協力したのだと聞く。北川は原島に、佐野の説得を命じた。

原島は、そんな不正に加担することに嫌悪感を感じつつも佐野に会う。
佐野は、「第三者委員会の設置と北川、稲葉の更迭」を要求。原島は、告発文という形でなく、正規の会議の場で発言すべきというが、佐野は、会社の会議の意味のなさを説く。会議で話されるのは建前だけで、結局は「金が欲しい。ポストが欲しい。奴をひきずりおろしたい…」そんな私利私欲にまみれた場なのだと…。
原島は、佐野を説得するどころか、彼が社長あてにも告発文を送っていることを知る。

東京建電の宮野社長（長塚京三）は、製造からのたたき上げの“清廉潔白”な人物。不正の全貌を知った宮野社長の下した結果は…「隠蔽せよ」だった。

■第3回「すべて壊れていく」 予告
製品にまつわる大がかりな隠蔽を知った原島（東山紀之）は、他にどうすることもできずにヤミ改修に手を染める。東京建電の親会社「フロンティア」から出向中の副社長・村西（北見敏行）に内部告発の文書が届き、本社から定期調査に名を借りての調査チームが送り込まれてくることになる。下請の町工場で働く人びとの暮らしや、現場で額に汗する社員たちのことを思い、原島はデータを改ざんしてその調査を切り抜けようと決意して…


物語のプロローグとなった第1回では、事件の全容をおぼろげに紹介し、会社内の力関係などを描くにとどまっていたが、前回『二度と戻れない』では、カスタマー室長の佐野健一郎と一緒に企画した工場見学で、強度不足ねじの全貌が明らかになった。そして第2回では、この不正を知った原島と佐野の心の動きと行動を丁寧に描いていた。いち早く、自分の返り咲きにこれを利用しようとする佐野。自分一人の力ではどうにも出来ない絶望感の中で、悩む原島。全編、やりきれないタッチで描かれるストーリー展開の中で、原島と妻の江利子（戸田菜穂）との会話から原島の“現在”の平凡だが明るい家庭や、ねじ六の社長、三沢逸郎（甲本雅裕）との会話に、第3回で原島が下す判断の理由がうかがえる。

「七つの会議」第3回の放送は、7月27日(土)、参院選関連番組のため、時間を変更して夜9時30分からの放送となっているのでお間違いなく！

＜出演者＞
東山紀之 （主演・原島万二役）
吉田鋼太郎 （八角民夫役）
眞島秀和 （坂戸宣彦役）
田口淳之介 （佐伯浩光役）
石橋 凌 （北川誠役）
長塚京三 （宮野和弘役）