幻の東映版「スパイダーマン」、米本家にて奇跡の無料配信中

2009年03月09日17時42分ドラマ

「スパイダーマン」といえば古くから親しまれている代表的なアメコミであり、3作目まで制作されたハリウッド映画のヒットシリーズであることはご存じの通りだ。だが、映画制作よりはるかに先んじた1978年、日本の特撮番組として制作されたことを知っているのはそれなりのマニアだろう。その幻の東映版「スパイダーマン」の第1話がなんと、「スパイダーマン」の版権を持つ米マーベルの公式サイトで無料配信されているのだ。
東映版「スパイダーマン」は、1978年5月から東京12チャンネル(現テレビ東京)で全41話が放映された。ストーリーや世界観は本家オリジナル版とは全く別物で、「仮面ライダー」や「キカイダー」などを手がけてきた東映お得意の等身大変身ヒーローものの一つとして制作されている。ワイヤー状の蜘蛛の糸を使って街中をひょいひょいと飛び回り事件現場などに現れるというオリジナルから継承されたキャラクター描写に加え、異星人から与えられた大型宇宙戦艦「マーベラー」を駆り、高速で疾走するスーパーカーに乗り、マーベラーから変形する巨大ロボット「レオパルドン」に搭乗して巨大化した怪人と戦ったりと、およそハリウッド版からは想像も付かない独創的設定がなされている。
ちなみに、等身大ヒーローが巨大ロボに搭乗して戦うというのはいまどきの戦隊シリーズで当たり前に見られる光景だが、この「スパイダーマン」がその先駆けなのである。
残念ながらこの東映版「スパイダーマン」、マーベルとの契約の問題から初回放送の後再放送やソフト化が困難とされており、2005年に限定DVD-BOXが本数限定で発売されたのみ。文字通り幻の作品なのである。
今回、公開されているのは第1話のみのようだが、東映版での売りの一つ「○○の男、スパイダーマン」と毎回変わる決め台詞が聞かれるほかのエピソードも公開されることになるのだろうか。

東映版スパイダーマン第1話 マーベル公式サイト(英語)