基子(広末涼子)は本当の「聖女」になれたのか…!?NHK「聖女」最終話、見逃した方のためにあらすじと関連動画

2014年10月08日19時00分ドラマ

晴樹(永山絢斗)の婚約者泉美(蓮佛美沙子)に「晴樹くんをちょうだい」と迫る基子(広末涼子)。しかし基子は晴樹の心の中にいた「先生」ではなくなっていた…それでも必死に晴樹にすがろうとする基子、「聖女」でいることを諦めたのか?!それとも…NHKドラマ10「聖女」最終話「この愛の果て」あらすじと関連動画。

広末涼子主演「聖女」が最終回を迎えた。あの結末には賛否両論があるだろうが、主人公・基子(広末)を「聖女」にして終わらせるには、ああするしかなかったのだろう…。
そもそもこのドラマの根底にあるテーマは「愛とはなにか?」であり、基子は男に利用されるなら自分から利用してやる…そこにある『愛』を金銭という対価に置き換え、自分の生活を向上させていった。相手(男)が求める理想の交際相手になる対価が、基子にとって「愛=金銭」だった。
これは察するに、2009年に発覚した「首都圏連続不審死事件」の被疑者とされる木嶋佳苗がモデルになっていると思われる。この事件のあらましは…婚活殺人事件、2009年埼玉県某駐車場の車内で会社員A(41)の遺体が発見され、練炭による一酸化炭素中毒死とされた。自殺にしては不審な点が多く警察の捜査が始まった。その後Aと交際していた住所不定・無職の木嶋佳苗(当時34)が浮上し結婚詐欺容疑で逮捕。その後の調べで木嶋佳苗には複数の愛人がいて、それぞれ結婚を前提に交際し金銭的な援助を受けていたことが発覚した。木嶋佳苗が関係したとされる不審死だけで4件、詐欺、詐欺未遂、窃盗容疑では7件起訴されており、一審で木嶋佳苗は死刑を求刑され即控訴。しかし二審も一審を支持し木嶋側の控訴は棄却された。現在、木嶋佳苗はこれを不服とし上告している。

この事件が世間を賑わせた要因のいくつかは、ドラマ「聖女」に共通するものがある。交際相手から騙し取った(本人は援助されたと述べている)で高級マンションに住み、ベンツを乗り回し、偽名をつかってピアノ講師、フードコーディネーターと名乗っていた。最も世間を驚かせたのが、木嶋佳苗本人の風貌と、その独特の恋愛価値観である。テレビ、雑誌等マスコミに出た木嶋佳苗の風貌は、お世辞にも美人とはいえない。しかし木嶋は裁判の中で、セックスで交際相手を喜ばせた、その対価としてお金を援助してもらっている…という発言をしている。木嶋にとっても「愛=金銭」という価値観だったのだろう。

ドラマ「聖女」は、例えていうなら「美化した木嶋佳苗」だったのかもしれない。広末涼子扮する肘井基子は、幼い頃からめぐまれない家庭環境で育ち、男性に対して「利用されるならこちらが利用してやる」と考え行動していた。類い希なる美貌を最大限に活用し、次々と男性を虜にし金を搾り取っていったのだろう…。しかし「事実は小説よりも奇なり」というが、リアル木嶋佳苗のほうがずっと衝撃的だった。木嶋自身、決して恵まれない環境で育ったというわけではない。「聖女」の基子には「愛=金銭」という価値観が備わるだけの要因があったが、木嶋佳苗はいったいどこで、このような価値観が備わったのだろう。それは生まれ持ってのものなのだろうか…。

最終回、つねに純白の衣装に身を包んでいた基子は、晴樹の兄・克樹(青柳翔)と対面するとき赤いカーディガンを羽織っていた。この時点で基子は、自ら「聖女」になることを放棄したのかもしれない。虚ろな目で晴樹の婚約者・泉美(蓮佛美沙子)に迫る基子、ちょっとやさぐれた感のある基子の表情が恐ろしかった。あれは完全に「聖女」ではなく「悪女」の顔だった…。
ドラマの終焉、基子は海の彼方へ消えていった…。基子はそこで初めて「聖女」になれたのかもしれない…。

そしてドラマの主題歌JUJUの「ラストシーン」、基子の心情が歌われているようで、より物語の臨場感を向上させた。エンディングに流れるJUJUの歌に涙した視聴者も多かったのではないだろうか。

■最終話「この愛の果て」あらすじ
ギクシャクした関係を改善し、晴樹(永山絢斗)と泉美(蓮佛美沙子)は着々と結婚式の準備にとりかかっていた。晴樹と母・百合子(筒井真理子)、そして泉美と3人でウェディングドレスの試着をし、どれにしようかと楽しい時間を過ごしていた。するとそこへ基子(広末涼子)が現れ泉美に「晴樹くんを私にちょうだい。あなたは晴樹くんがいなくても充分幸せになれる」と思い詰めた表情で迫った。しかし泉美は「晴ちゃんは、犯罪者のあんたなんか愛してない!」と言いもみ合いになる。そこに晴樹が現れ「もう二度と泉美に近づくな!」と基子を追い払った。

マスコミに隠し撮りされていたことに気づいた基子は、自ら記者に近づき「隠し撮りされるぐらいなら自分から話したほうがマシ」と、晴樹との関係を暴露してしまう。そしてマスコミはそれを晴樹、基子、泉美の三角関係と面白おかしく書き立てた。このことが原因で、晴樹と泉美の結婚式は延期を余儀なくされた。
一方、自殺した千倉の妻・文江(中田喜子)は検察に、基子が夫を殺したと証言。「これであの女を死刑にできる」と意気込む文江だったが…。

結婚式は無理でも、婚姻届だけでも出そうと晴樹と泉美は区役所へ向かった。するとそこに基子が現れ、晴樹ともみ合いになり…基子は晴樹の首をしめ殺そうとした。するとそこへ…基子は後ろから刃物で腹部を刺された。刺したのは千倉の妻・文江。検察から基子の刑はせいぜい数年で死刑にはならないと言われショックを受けた文江は、自らの手で基子を殺そうとしたのだ。倒れ込む基子に覆い被さり、さらに頭部を何度も打ちつける文江。晴樹と泉美は必死で文江を押さえ込もうとしたが…。

幸いにも基子の命は救われた。しかし頭部を打ったせいで視神経が損傷し、失明してしまった。回復の見込みはないという。捕らえられた文江は、夫から「殺してくれ」と頼まれ、自分が病院の屋上から突き落としたことを自供した。
見舞いに来た前原(岸部一徳)に基子は「自分は正しく裁かれるべきだった」と語った。そして自らの生い立ちを前原に話し、晴樹を愛してしまったのが最大の誤算だった、自分をコントロールできなくなったと語った。「女が幸せになるのは難しいと思っていたが、泉美のような女性なら幸せになれるのかもしれない。自分がやってきたこと、全ての人にあやまりたい」と涙ながらに懺悔した。そして晴樹と泉美に幸せになってもらいたい…「私にもあった…自分以外の誰かの幸せを心から願う気持ちが…」と言い残した。

退院した基子を見舞いに訪れた晴樹。しかし家には誰もいなかった。不吉な予感がしたのか、晴樹は海辺へ行き基子を探した。すると、沖に向かって静かにあるく基子の姿を見つけ「先生!死なないでくれ、死んじゃだめだ!」と救いに行こうとしたのだが、基子は晴樹に向かって微笑みを浮かべ、そのまま海の中に沈んでいった…。

その数日後、被告人不在のまま控訴審が行われ、検察側の控訴は棄却。事実上、基子の無罪は確定した。

NHK総合連続ドラマ10「聖女」最終話の再放送は、10月13日(月)深夜25時40分より放送。
主演:広末涼子、共演:永山絢人、蓮佛美沙子、岸部一徳、田畑智子、田中要次ほか。NHKオンデマンドで「聖女」見逃し配信中。

NHK総合ドラマ10「聖女」番組公式サイト
NHKオンデマンド「聖女」公式サイト





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