ロードムービーの金字塔!ヴィム・ヴェンダース監督『パリ、テキサス』NHKBS15日あらすじと予告動画

2016年04月14日15時00分映画

家族を壊してしまった男の償いの旅…第37回カンヌ国際映画祭、パルム・ドール受賞作!本作でヴェンダースはライ・クーダー(音楽)と初めてタッグを組む!出演ハリー・ディーン・スタントン、ナターシャ・キンスキーほか、NHKBSプレミアム15日(金)夜11時45分より『パリ、テキサス』を放送!予告動画はYouTubeで公開。

監督はロードムービーを撮らせたらこの人の右に出る者はいない…と言っても過言ではない巨匠ヴィム・ヴェンダース。『都会のアリス』(1974)、『まわり道』(1975)、『さすらい』(1976)は「ロードムービー三部作」と称され、世界中で高い評価を得た。その後『ことの次第』(1984)で第39回ヴェネチア国際映画祭で最高峰の金獅子賞を受賞。そして15日NHK BSプレミアムで放送『パリ、テキサス』(1984)で第第37回カンヌ国際映画祭、パルム・ドールを受賞した。

特筆すべきは、本作で世界的ギタリストのライ・クーダーと初めてタッグを組んだこと。その後ヴェンダースは『エンド・オブ・バイオレンス』(1998)、さらに世界的に大ヒットした『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999)でライ・クーダーを出演者として起用した。この映画でフューチャーされたキューバのミュージシャンたちは一躍大ブームとなり、日本でもサントラCDが大ヒット。日本でのコンサートも開催された。

主人公トラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)は、今で言うところのDV夫で、妻・ジェーン(ナターシャ・キンスキー)を愛しすぎたため、ナターシャを苦しめてしまった。耐えきれなくなったナターシャはトラヴィスから逃げる様に去っていく…この物語は、失踪した妻を探す男の物語であり、それは男の贖罪の旅でもあった。

本作は、決して派手派手しい作風ではないが、一人の男の哀愁がビシビシと伝わってくるロードムービーで、しばらくの間、見終わった後の余韻に浸ることができる。その世界観はヴェンダース特有のものであり、映像、音楽、すべて合わさって初めて一つの「作品」になることを、改めて痛感させられる作品である。
金曜の深夜、ゆっくり寛ぎながらヴェンダースのロードムービーを満喫していただきたい。

■あらすじ
一人の男が砂漠を彷徨っていた。ガソリンスタンドまで辿り着いた男はそこで倒れてしまう。病院に運ばれた男…トラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)は何もしゃべらない。所持品は一枚の名刺。そこに書かれていた番号に電話すると、トラヴィスの弟・ウォルト(ディーン・ストックウェル)と連絡がついた。
トラヴィスはウォルトに連れらロサンゼルスへ向かう。しかしその道中、トラヴィスが唯一口にしたのが「パリ」。それはフランスのパリではなく、テキサス州パリス、トラヴィスが帰ろうとしていた場所だった。
ウォルトはロスで、トラヴィスの息子・ハンター(ハンター・カーソン)を育てていた。トラヴィスの妻・ジェーン(ナターシャ・キンスキー)はヒューストンにおり、ハンター宛てに送金していた。なぜ母子は離ればなれに蔵いているのか…。トラヴィスは過去に犯した罪を償うが如く、ハンターと一緒にジェーンを探す旅に出るのだが…。

【パリ、テキサス】(1984)
監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:サム・シェパード、L・M・キット・カーソン
撮影:ロビー・ミューラー
音楽:ライ・クーダー
出演:ハリー・ディーン・スタントン、ナターシャ・キンスキー、ディーン・ストックウェル、オーロール・クレマンほか。
原題:PARIS,TEXAS
備考:英語(一部スペイン語)/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ
『パリ、テキサス』Blu-rayはジェネオン・ユニバーサルより好評発売中。

ロードムービーの金字塔、ヴィム・ヴェンダース監督作『パリ、テキサス』はNHK BSプレミアムシネマ4月15日(金)夜11時45分より放送。本作で、ヴェンダースは第37回カンヌ国際映画祭、パルム・ドールを受賞。出演はハリー・ディーン・スタントン、ナターシャ・キンスキーほか。予告動画はYouTubeで視聴できる。

NHK BSプレミアムシネマ番組公式サイト
『パリ、テキサス』予告動画(YouTube)