漱石(長谷川博己)は妻を愛していたのか…NHK「夏目漱石の妻」最終回見逃した方のためネタバレあらすじと関連動画

2016年10月17日20時00分ドラマ

妻・鏡子(尾野真千子)に「私のことを愛していましたか?」と問われた金之助(長谷川博己)は何も答えられず…明治の文豪・夏目漱石が妻に明かした本当の気持ちとは!? NHK総合「夏目漱石の妻」最終回(第4回)は15日放送された!NHKオンデマンドにて見逃し配信中。

DV夫だった夏目漱石(長谷川博己)と、そんな夫と格闘するように連れ添った妻・鏡子(尾野真千子)の物語「夏目漱石の妻」の評判がとてもよい。視聴率も初回10.1%、2話9.0%、3話8.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調だった。

■夏目漱石没後100周年
実は今年(2016)は夏目漱石没後100周年を迎え、巷では俄に「漱石ブーム」になっている。各地でさまざまな漱石の企画展が開催され、姜尚中が漱石の名言をまとめた『漱石のことば』(集英社)も好調な売れ行きを見せている。

世間一般的に、夏目漱石といえば『吾輩は猫である』『坊ちゃん』『こころ』など数々の名作を書き上げた明治の文豪、そして1984年から使われるようになった一千円札として馴染みが深い。漱石の私生活について、私たちは驚くほど何も知らなかった。

そんな夏目漱石の私生活を赤裸々に暴いたのが、妻・鏡子である。1928年、鏡子は漱石との結婚生活を口述し、それを長女・筆子の夫で漱石の弟子でもある松岡譲がまとめ『漱石の思ひ出』(文春文庫)として出版した。こちらは現在も購入可能。ご興味あるかたはぜひご一読を。

夏目■最終回あらすじ
房子(黒島結菜)は夏目家に出入りしていた足尾銅山の元炭坑夫・荒井伴男(満島真之介)に金を貸していたのだが、荒井は姿を見せなくなってしまった。友人と一緒に四ッ谷でおでん屋を開業すると聞いていた房子と鏡子(尾野真千子)は荒井の行方を捜すのだが、四ッ谷界隈に荒井の姿はなかった。

一方金之助は、急遽2週間後までに原稿を書かなくてはならなくなった。しかし書く題材がない…鏡子は「荒井さんからお話しを聞いたじゃないですか」と言う。荒井は再び夏目家を出入りするようになり、金之助の原稿チェックをするようになった。そして足尾銅山のことを書き上げた小説が『坑夫』だった。

荒井は金之助の原稿を勝手に読むようになり、それをたしなめた鏡子に「この原稿には先生の理想の女性が書かれている」と鏡子を挑発する。結婚当初より、金之助は女流作家・大塚楠緒子(壇蜜)のことを理想の女性だと言っていた。どうやら最近、金之助は大塚楠緒子と親しいらしい。荒井はそのことを言っているのだ。

荒井の行動、言動が目に余るようになり、とうとう金之助は荒井を出禁にした。荒井は知り合いの新聞社の人間に、金之助はロクに取材もしないで『坑夫』を書いた。自分に賃金も払ってくれないと悪態をついたらしい。恩を仇で返すようなマネをしておきながら荒井は、夏目の家が崩壊している、家族みんなバラバラだと吐き捨てるように言う。そして荒井は、金之助と自分の父は同じだと言った。

荒井の父は軍事産業で財を成した。荒井の兄が戦死したことに対し、父は兄を褒め、自分の商いを正当化しようとした。そんな歪んだ家族に耐えきれなくなった荒井は、すべてを捨て家を出た。その時読んでいたのが『吾輩は猫である』。そこに描かれていた温かい家庭は、荒井にとって理想だった。しかし、実際の夏目家は自分の実家と変わらず、暴君の父に怯える家族の姿しかなかった。

荒井は最後に金之助に向かって「奥さんを愛していらっしゃいますか?」と問う。何も答えられない金之助に鏡子が「この人の頭の中は、小説のことだけです」と答えた。

しかし、鏡子の心の中に荒井の言葉がずっと突き刺さっていた。夫は自分のことを本当に愛しているのか…。そんな矢先、以前から胃痛持ちだった金之助の病状が悪化し、入院することになった。金之助は退院したら修善寺で療養したいと言う。鏡子は「私も一緒に」と言うが、金之助から激しく拒絶された。

その後、しばらくは修善寺で良好だった金之助だが、夏になると鏡子のもとに金之助の容態が悪化したと電報が届く。慌てて修善寺に行く鏡子。そこには、弱り果てた金之助の姿があった。幸いにも徐々に回復しつつある金之助だったが、東京から来た主治医に診断してもらった直後、大量吐血し危篤状態になった。このままダメかもしれない…誰もがそう思ったが、なんとか持ちこたえた金之助。無事、生還を果たした。

体力も回復し元気になった金之助は、その後も執筆を続け『こころ』『三四郎』などを書き上げた。長野での公演以来を受けた金之助は、鏡子とともに旅立った。それは2人が結婚して15年目にして、初めての穏やかな2人だけの旅だった。

鏡子は『坊ちゃん』に書かれているキヨというばあやは、自分がモデルじゃないかと金之助に問う。キヨは坊ちゃんのことを大きな母性愛で包む存在。それは金之助の理想の女性像ではないかと鏡子は言う。そんな鏡子に金之助は「君はどこまでも君だね。そういうことにしておこう。キヨさんは君だ」と言った。

NHK総合土曜ドラマ「夏目漱石の妻」最終回(第4回)は10月15日放送された。再放送は10月21日(金)深夜24時10分より。作:池端俊策、岩本真耶、原案:夏目鏡子、松岡譲「漱石の思い出」。出演:尾野真千子、長谷川博己、黒島結菜、満島真之介、竹中直人、舘ひろしほか。NHKオンデマンドにて全話見逃し配信中。

NHK総合「夏目漱石の妻」番組公式サイト
NHKオンデマンド公式サイト

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