韓国ドラマ「梨泰院クラス」第12話の詩【私はダイヤ】とは?OST「石ころ」動画も紹介
Netflixで配信し連日TOP10入りを果たしている「梨泰院クラス」は、辛い過去を背負って生きる青年(パク・ソジュン)がソウルの街・梨泰院(イテウォン)で訳アリの仲間と共に成功を目指すサクセスストーリー。
以下、12話の一部ネタバレがあります
今回は第12話で話題となった「私はダイヤだ」という詩を取り上げてみたい。大反響となったこの詩は、本作においてどのような役割を果たしたのか。
※【「梨泰院クラス」を2倍楽しむ】では、各話のあらすじと見どころ、韓国での評判やBTSのVが参加したOST、ロケ地などについてなどまとめて紹介している。気になる第12話のあらすじと見どころは「好きな人と大事な人」で紹介。
ある投資家が、セロイ(パク・ソジュン)に投資する条件として、料理対決番組「最強屋台」での優勝が必須だと提示した。勝利の獲得はシェフであるヒョニ(イ・ジェヨン)に掛かっている。対決本番を迎え緊張感の走る撮影現場、奇しくもそのとき、ヒョニがトランスジェンダーであるという記事がインターネットに出てしまい、ヒョニは動揺を隠せない。
動揺するヒョニを慰めるセロイ、そして、記事を見たイソ(キム・ダミ)もヒョニに電話を掛け、ある詩集を読んでヒョニを思い出したと告げる。電話口でヒョニに一編の詩を読み聞かせるイソ、撮影現場に戻ったヒョニの姿には、今までになく堂々とした強さと輝きがあった。
詩集『私は石ころ』炎で焼いてみよ
私はびくともしない石ころだ
強くたたくがいい
私は頑強な石ころだ
暗闇に閉じ込めてみよ
私は一人輝く石ころだ
砕けて灰になり腐りゆく
自然の摂理すらはね返してやる
生き残った私
私はダイヤだ
劇中では詩集として一冊の本が映し出されるが、これは実在する詩集ではなく、本ドラマの原作者であり脚本家のチョ・ガンジンのオリジナル。そして、この詩をもとに制作されたドラマ挿入歌がハ・ヒョヌの歌う、「石ころ」だ。この挿入歌は、上記のヒョニが撮影現場に戻ってくるシーンでバックに流れ、ドラマを一層盛り上げた。
動揺するヒョニに対し、「おまえはおまえだ、誰かを納得させなくていい」というセロイの言葉も胸に響く。さらに、セロイの名言はこれだけではない。「ヒョニは逃げた」と表現したグンス(キム・ドンヒ)に対し「逃げたとはなんだ、犯罪者か?」と諭すだけでなく、そこに続いた言葉が「応援してくれ」だった。グンスを責めないセロイの姿からも彼の人間性が垣間見られる。
また、劇中でスアやセロイがたびたび訪れる店の店主であるホン・ソクチョンは、韓国でゲイであることを最初にカミングアウトした芸能人。同性愛者が日なたに出るようになった先駆け的な人物である。1996年に芸能界入りを果たし、2000年に同性愛者であることを公表した。各局の番組から降板させられ、一時は芸能活動を休止するも2003年に復帰を果たす。現在はタレント、俳優、実業家として大活躍している。ホン・ソクチョンこそが、自然の摂理すらはね返して生き残ったダイヤモンドそのものなのかもしれない。上記の詩には、自分の価値を自分で認め、強く生きていけという本作品からの強いメッセージが凝縮されていて、本作が伝えたかったことの一端を担っているといえよう。
■キャスト
パク・セロイ役:パク・ソジュン
チョ・イソ 役:キム・ダミ
オ・スア役:クォン・ナラ
チャン・グニョン役:アン・ボヒョン
チャン・グンス役:キム・ドンヒ
チェ・スングォン役:リュ・ギョンス
マ・ヒョニ 役:イ・ジェヨン
チャンガ会長/チャン・デヒ役:ユ・ジェミョン
■スタッフ
演出:キム・ソンユン「雲が描いた月明り」「恋愛の発見」
脚本:チョ・ガンジン(原作者)
◇Youtube予告動画
◇Netflix
【作品詳細】【「梨泰院クラス」を2倍楽しむ】