7月26日、東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト2020、オンライン「公開講義」の生配信を実施!

2020年07月23日23時05分暮らしと文化

東京藝術大学は、7月26日(日)に東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト2020の一環として、オンライン「公開講義」の生配信を実施。



東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト2020は、東京藝術大学長の澤和樹、アーティストであり本学の美術学部長も務める日比野克彦を中心に、現代社会において、芸術が担う新たな役目、可能性を見つめるために発足。本学の学生と教職員が参加し、「芸術は、人を愛する」という信念に基づき、インスタレーションやコンサート、ワークショップなどを展開する。さらに、新型コロナウイルスの影響を受けた本学出身の若手芸術家(在学生を含む)を対象に、「東京藝術大学 若手芸術家支援基金 POWER TO THE ARTS」を設置。社会にとって、世界にとって、芸術の力を未来へと繋ぐ希有な存在である若手芸術家たちの、今を救うこと、未来のカタチを模索することを使命とした基金として展開。

新型コロナウイルスの影響により、若手芸術家たちがさまざまな活動の制限を余儀なくされる中、この度、東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト2020に賛同いただいた著名人の方々をお招きし、オンライン「公開講義」の開催が決定した。芸術には、ひとの心を動かし社会を豊かにするチカラと使命がある。本プロジェクトの思いに賛同くださった著名人の方々は、今こそ広く芸術のあり方を考え、新たに生み出される作品に希望が持てるよう、サポートを快諾いただき、ボランティアとして出演いただいた方。牧原依里(映画作家)、茂木健一郎(脳科学者)、さかなクン(東京海洋大学名誉博士/客員准教授/イラストレーター)、田中泰延(コピーライター/青年失業家)葉加瀬太郎(ヴァイオリニスト)。本学からは、国谷裕子理事、スプツニ子!美術学部准教授、箭内道彦美術学部教授。(※茂木、葉加瀬は録画での出演とる)さまざまなフィールドで活躍され、その発言にも多大な注目が集まる著名人の方々が、澤学長、日比野美術学部長らと、それぞれの専門分野から見た芸術にまつわるスペシャルなトークを生配信でお届する。

さらにトークショーの後には「Cafe HIBINO」と題し、現在本学に在学中である志村樺奈(大学院音楽研究科器楽専攻管打楽)、今井さつき(大学院美術研究科先端芸術表現専攻)、田中直子(大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻)の3名による自身の作品紹介やパフォーマンスのライブ配信も実施。視聴者の皆様からのコメントをリアルタイムで取り上げるなど、配信をご覧になる方も参加気分を味わえるアフターイベントとして展開。

オンライン「公開講義」の視聴ならびに、東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト2020そして「POWER TO THE ARTS」に賛同くださる方々からの、暖かい支援を募っている。

東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト2020 オンライン「公開講義」生配信 概要
【実施日】7月26日(日)【タイムテーブル】
12:45~・オープニング・トーク
 出演:澤和樹(東京藝術大学長)
    日比野克彦(東京藝術大学美術学部長)、
    箭内道彦(東京藝術大学学長特命・教授)

13:00~・「I LOVE YOU プロジェクトとは」概略の説明
 出演:日比野克彦(東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト2020 CGO)

13:15~・スペシャル対談①「聾の映画が奏でる無音の音楽」
 出演:牧原依里(映画作家) x 日比野克彦

13:55~・スペシャル対談②「芸術に触れるとき脳では何が起こってる?」※録画
 出演:茂木健一郎(脳科学者) x 日比野克彦

14:35~・スペシャル対談③「お魚への愛が止まらないのでギョざいます」
 出演:さかなクン(東京海洋大学名誉博士/客員准教授/イラストレーター)
     x 日比野克彦

15:15~・スペシャル対談④「読みたいものを書く、観たいものを作る」
 出演:田中泰延(コピーライター/青年失業家) x 日比野克彦

15:55~・スペシャル対談⑤「クローズアップ藝大 ~ 今、なぜ芸術か ~」
 出演:スプツニ子!(アーティスト/東京藝術大学准教授) ×
    国谷裕子(東京藝術大学理事)

16:35~・スペシャル対談⑥「芸術は、生命維持に必要不可欠な存在か」※録画
 出演:葉加瀬太郎(ヴァイオリニスト) × 澤和樹(東京藝術大学長)

17:15~ オンライン「公開講義」終了
17:30~・現役藝大生アーティト集合!アフターイベント「Cafe HIBINO」
 出演:
 志村樺奈(大学院音楽研究科器楽専攻管打楽)
 今井さつき(大学院美術研究科先端芸術表現専攻)
 田中直子(大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻)
18:30  終了予定

【配信】東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト2020」公開講義生配信
 ◇東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト2020」
上記URLにて、無料生配信を実施いたします。
※配信時間は変更になる可能性がございます。
※各対談の合間には、10分間の休憩が入ります。

出演者プロフィール
◆澤和樹(東京藝術大学長)
<コメント>
2020年、東京藝術大学は、誰もしたことのないやり方で、「I LOVE YOU」を伝えます。 手段は問わず。参加者がそれぞれに創造力の限りを尽くして、 「I LOVE YOU」を伝えます。 ご期待ください。

◆日比野克彦(東京藝術大学美術学部長)
I LOVE YOU プロジェクトを立ち上げたきっかけは、ひとつの疑問でした。近年、様々なテクノロジーが革新を遂げていますが、もしかしたら、その一方で“人間らしさが損なわれていないか?”疑問に感じたからです。今ある仕事の8割がAIにかわられるともいいますが、社会が無機質に進歩しては、残念ではないでしょうか?せっかく人間には、様々な方法で、感情をわかち合うチカラがあるのですから。新しいもの、古いもの、それに限らず様々なものの違いを認め合える社会を、つくらなくてはならないのだと思います。

◆箭内道彦(東京藝術大学学長特命・美術学部教授)
<コメント>
コロナ禍の中、文化芸術への支援策発表の際、ドイツの文化大臣は「今、生命維持に必要不可欠な存在」と断言した。イギリスの首相は「この国の脈打つ心臓だ」と言った。社会にとって、あなたにとって、わたしにとって「芸術」とは、一体何なのでしょう。
東京藝術大学と考える、POWER TO THE ARTS。クリエイティブな未来の多様を、芸術の力を知るすべての人々とともに。

◆牧原依里(映画作家)
<コメント>
コロナ禍で価値観がバージョンアップされ、コンピューターで管理される社会へと加速したこの世の中、数値化や言葉にできない「私」の感覚を伝えていく芸術はこの時代をよりよく生きるために不可欠な存在であり、私たちの心の拠り所です。芸術は人間を進化させます。

◆茂木健一郎(脳科学者)
<コメント>
人工知能は「賢さ」を映す鏡だけれども、人間の存在意義はそこにあるのではない。「ホモ・サピエンス」(賢い人間)から、「ホモ・センチエンス」(感じる人間)へ。人間が人間である以上、アートの役割はこれからますます増していく。アーティストを応援することは、人間にエールを送ること。人間が芸術を愛するように、芸術は人間を愛する。クオリアに満ちた意識の体験は、人工知能を常に超えている。そこにあるのは人間だから。

◆さかなクン(東京海洋大学名誉博士/客員准教授/イラストレーター)
◆田中泰延(コピーライター/青年失業家)
<コメント>
どこへも行けないかもしれない。だれにも会えないかもしれない。
そんな今でも、楽しくなる方法は、あるんじゃないかな、
だれかとつながる方法は、あるんじゃないかな。
そんなことを日比野さんにいろいろ伺いたいなと思ってます。

◆スプツニ子!(アーティスト/東京藝術大学美術学部准教授)
<コメント>
COVID-19の感染拡大により、世界中で様々な不和が生まれています。
こんな時こそ難しい問題に向き合い、愛を大事にしないといけない。
私は芸術にそのパワーが秘められていると思っています。

◆国谷裕子(東京藝術大学理事)
<コメント>
COVID-19がもたらした危機は広がっていた不平等を浮き彫りにし、”誰も取り残されない社会”に向けた変革の必要性をつきつけた。私たちは、このままでは社会も地球も持続可能ではないという時代に生きている。エネルギー、食糧、都市のあり方、そして豊かさや幸せとはなにかが問いかけられている。
クリエィティブな発想やデザイン、芸術は変革にむけて人々の心をつなぐ大きなパワーとなる。この「I LOVE YOU」プロジェクトをとおして芸術の可能性をもっと伝えたい。

◆葉加瀬太郎(ヴァイオリニスト)
<コメント>
自分の生きている間にこんなことが起こるなんて思ってもみなかった。誰もがそう思っているだろう。
僕にとってはデビュー30周年という節目の年でもあった。当然春から大規模のコンサートツアーを予定していたが、リハーサルを終え照明演出を作り終えて、あとは初日を待つだけというところで延期を決めた。
僕のメインワークはコンサートだ。手足をもがれてしまったようなものだ。非常にやるせない、寂しい気持ちのまま今日を迎えている。
その悔しさを僕は制作に向けた。ひたすらに自宅のスタジオに籠城し音楽を作り続けている。今皆でシェア出来ないのなら、しばらくは一人で出来る事を考えよう。そして皆が安心できる日が来た時、僕はこの全てを皆に届けるつもりだ。
音楽であれ美術であれ、芸術の根本はリビドーだ。衝動に忠実に従い、それを皆でシェア出来るものに昇華する。その情熱と行動こそが芸術だ。
どうか皆さん、情熱を失わず自分の夢を追いかけてください。今はその夢をじっくりと溜め込んでいてください。
一人の勝手な夢が、世界中の皆を巻き込む夢になる。それが芸術だから。

アフターイベント「Cafe HIBINO」出演者
◆志村樺奈(大学院音楽研究科器楽専攻管打楽)
「復興支援コンサート」の企画申請者。オーボエと笙による二重奏の音楽ユニット「Oriental-Occident」としても活動中。「復興支援コンサート」では、耳馴染みのあるポップスのアレンジや、この編成のために書かれた作品に加え、レクチャーを交えて洋楽と雅楽の伝統的な作品の演奏をライブ配信にて開催する予定。

◆今井さつき(大学院美術研究科先端芸術表現専攻)
「IROHAPROJECT」の企画申請者。日本とカンボジアのアーティストが、カンボジアの土地で得られる植物や現地のゴミを用いてワークショップ・作品制作・発表を行うことで、天然染料の価値の再確認、ゴミなどの環境問題へアートからのアプローチを行う。日比野氏の研究室に在籍している。

◆田中直子(大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻)
「日独伊親善図画」インタビュー映像制作プロジェクトの企画申請者。ヨーロッパで見つかった「日独伊親善図画」の作者や関係者を探しながらインタビュー映像を制作し、その活動は新聞にも取り上げられ注目を集めた。


東京藝術大学が実施するプロジェクトのご案内
●東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト2020
ものごとの本質を見極め、声なき声に耳を傾けられる世の中を。目を背けがちな難題をひも解き、仲間と手をとり立ち向かえる明日を。手段は問わず、何でもありだ。街も社会も巻き込んで、創造力の限りをつくそう。きっとそこには、愛が残る。2020年、東京藝術大学は「芸術は人を愛する」という信念のものと、誰もしたことのないやり方で「I LOVE YOU」を伝えます。東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト2020」は、令和2年度日本博イノベーション型プロジェクトの助成により行われています。
https://iloveyou.geidai.ac.jp/

●【東京藝術大学】若手芸術家支援基金、始動!#POWER TO THE ARTS
本学出⾝の若⼿芸術家(在学⽣を含む)を対象とする「若手芸術家支援基金」を設置し、現在クラウドファンディングにて寄附⾦募集を実施しております。直接的な救済支援(給付金)だけでなく、若手芸術家と一緒に新しい芸術のあり方を考えていくこと、新しい作品に希望と金銭的余裕をもてるように後押しをすることを目的としております。
https://readyfor.jp/projects/power_to_the_arts