リアルすぎる日常描写で早くも共感の嵐!「私の解放日誌」初回放送後の韓国での評判を紹介

2022年04月13日15時20分ドラマ
Netflixシリーズ「私の解放日誌」独占配信中

「マイ・ディア・ミスター」の脚本家パク・へヨンが手がけた最新ドラマ「私の解放日誌」が韓国JTBCにて4月9日(土)より放送スタートし、現在Netflixでも独占配信中だ。今回は初放送を迎えた韓国でどのような評判であったかご紹介したい!

「私の解放日誌」は、代わり映えしない毎日から抜け出したいと願う3人のきょうだいが、自由と生きがいを求めて奮闘する姿を描いたドラマ。



視聴率は初回2.9%、第2話3.0%を記録。韓国の視聴者達の感想を見てみると、まだ始まったばかりだというのに「人生ドラマの予感がする」「名台詞のオンパレード」と言った賞賛の声が多い。更に調べてみると、とにかく 「マイ・ディア・ミスター」が人生ドラマだという、パク・ヘヨン作家の熱狂的なファンが多いのが印象的で、その熱量は他のドラマの比ではない。
見どころ紹介記事でも紹介した通り「マイ・ディア・ミスター」などを始めパク・へヨン作家の作品は、平凡な登場人物たちの日常を見事なまでにありありと描き、視聴者の共感を呼ぶ作品として有名だ。しかし時に暗く、鬱々とした雰囲気に押しつぶされそうになるため、からっとした明るさを求めている人には正直なところ向かないだろう。最近は人気漫画の実写ドラマ化などが話題となっているが、そのような派手なドラマよりも静かな内容を好む視聴者達へ見事に刺さった様子だ。

ネット記事においても「ヒットメーカーのキム・ソギュン監督とパク・ヘヨン作家の再会は期待以上に輝いた」「現実的な人物たちのストーリーは共感を呼び、情景溢れる風景や味わい深いセリフのオンパレードが、視聴者を一気に掴んだようだ」「ダサいけれども愛らしい3きょうだいのストーリーがが今後どのように描かれるか」など作品への期待感を寄せている。

第1・2話で登場したキャラクターの見どころなどもご紹介したい。
キム・ジウォン演じるミジョンは「全ての対人関係が労働」というほど人々と関係を築いていくことが苦手。会社の同僚が皆3つ4つ加入している社内同好会も入らず、遅くまでの飲み会も苦痛でいつも家が遠いと途中退席。ミジョンは他の人にとっていつも「周囲にいる人」であった。静かなオフィス内で仕事中にこっそり女子社員同士で連絡を取り合ったり、会社の飲み会でワイワイしたりと(今はコロナでこのような風景もあまり見られなくなったかと思うが)、本当に何の変哲も無い日常がこれでもかと描かれているが、そんな中で常に周囲の様子を伺いキョロキョロするミジョンの表情が何ともリアルすぎて、改めてキム・ジウォンの演技力の高さを再認識。

イ・ミンギ演じるチャンヒは恋人と別れることになるが、最後に「どうしようもなくぞっとするほどダサい!」と捨て台詞を吐かれショックを受ける。「ソウルに住んでいないから、車がないから彼女ができない!」などと環境のせいにし、父(チョン・ホジン)に車を購入して良いかお伺いを立てるシーンはじわじわと笑ってしまう。イ・ミンギはこれまで「僕が見つけたシンデレラ」などクールで落ち着いた役を演じてきたが、今回は感情を思いっきりぶつける、本当に「野暮ったい」「ダサい」男性を演じているのが印象的だ。またコンビニの廃棄弁当を食べるシーンで、目玉焼きの黄身をソウル、白身を京畿道と例えたチャンヒ(更に自分は白身しか食べない)、これは視聴者からも面白い例えで秀逸だと話題になり、翌日ファン達が目玉焼きを食べました報告をするなど微笑ましい光景が広がった。

イエルが演じる長女のギジョンは愛が必要だとソゲッティング(友人に異性を紹介してもらうこと、韓国語で「ソゲ(紹介)」+「getting」を合わせた言葉)で男性を紹介してもらうも、いつもハズレ。友人と食事の席で前回会った男性がシングルファザーだったと不満をぶちまけるが、隣のテーブルにはシングルファザーらしき男性(この男性、チョ・テフン役はイ・ギウが演じる)が娘と食事をしており…ギジョンらは気まずさに耐えられず退席する。もうこの気まずい空気も何ともリアルすぎて、見ているこちらが胃が痛くなってきそうなほど。
恋人探しにうんざりして「自分は朝鮮時代に生まれるべきだった、相手を勝手に決められてその人を愛せば良い」「もう誰でもいいから愛する」などとヤケになった台詞もギジョンの性格がにじみ出ていていちいち面白い。また気分転換に美容院に行ったが大失敗して家に着くや否や髪を洗い…なんだか思春期の高校生の頑張りを見ているようで微笑ましくなったのは筆者だけではないはず。文句ばっかりだが、憎みきれない部分が垣間見えた気がして、今後どのような振る舞いをしていくのか気になるところだ。

そしてこの3きょうだい、週末は京畿道の自宅で親の農作業を手伝う生活。ドラマの登場人物達はこの田舎での生活をコンプレックスに感じ嫌気が差しているものの、視聴者として見ている分にはのどかな風景や田舎の生活が繊細に描かれており、祖父母の家のような、子供の頃の夏休みを思い出したような気分になる。韓国で人気のバラエティ番組「三食ごはん」のようなシーンが描かれており「食事のシーンがよかった」という声も多かった。「田舎では同世代だからって勝手に友達にされて、お前となりたくて友達になったんじゃない」とチャンヒが文句を言いつつも、皆でサムギョプサルを焼いてビールを飲んで…自由でのんびりした生活がソウルの描写とは対極で、無い物ねだりだがこんな生活が寧ろ羨ましい、と思ってしまった視聴者も多いようだ。また韓国では肉や野菜を焼くトングをそのまま箸代わりに食べることもあり、そのワイルドさがまた気持ちよい。現在韓国旅行になかなか行けない状態が続いているが、韓国料理が好きな人は、きっと「そうそう!」と韓国らしい豪快な食べ方が懐かしく、気分良く見ることができるだろう。
彼らの自宅は京畿道という設定であり、京畿道に住む視聴者からは「京畿道民は悲しい…けれど共感」とのコメントもあり、笑いを誘っている。(余談だが、最近は「悲しい(スルプダ)」と「笑える(ウッキダ)」の韓国語をかけあわせて「ウップダ」という言葉がよく使われて、まさにこのような状況を「ウップダ」と呼ぶことができるだろう。)

また、ソン・ソック演じるグ氏、仕事以外の時間は常に酒を飲んでいて他にやることもない…と、それ以外はまだ謎な部分が多いが、「「恋愛体質」で印象的だったソン・ソックが出演しててよかった」「母にソン・ソックが出るドラマと言ったらその一言でみることに」といった声が意外にも?多かった。対人関係を築くことが苦手なミジョンとひょんなことから秘密を共有することになり、今後2人の関係がどう展開されていくのかがポイントだ。

インターネット上では早くも「私たちのブルース」VS「私の解放日誌 」というトピックが出来上がり、視聴者達が感想をぶつけ合っている。初回ということで「私たちのブルース」を見終わるや否やチャンネルを変えて本作品を視聴、と両作品リアルタイムで視聴した視聴者も多かった。どちらも人気作品であるが、今回は本作品推しのコメントを抜粋してご紹介すると、「私たちのブルースをより期待していたが、多くの登場人物が出てきてまだ把握できずバタバタとした印象になってしまった。その点私の解放日誌の方がほんの少しよかったかな?とてもリアルな日常がより惹きつけられた」「パク・ヘヨン作家の作品はどれも味わい深さがある」「久々に現実的なドラマが観れて嬉しい」「見方によっては鬱々として息が詰まるかもしれないが、とても現実的で共感」「台詞が胸を打たれた。ミジョンが放った「崇めて」というその言葉のチョイス!さすがパク・ヘヨン作家」などのコメントが寄せられた。
しかし何せ静かで暗い、主人公たちの苦悩がありありと描かれたドラマ。これも好みの問題で、好きな視聴者達の意見であるということはお忘れなく。またどちらも今後どのように展開していくのか?皆が「どちらも私の人生ドラマになるように今後期待」といった心持ちでいることだろう。

初回ということで登場人物や現在の状況説明のシーンが多かったのは当然であるが、少しずつその関係に変化が現れ始めたところで、次回以降どのように動いていくのか?楽しみにしていきたい。

■スタッフ
脚本:パク・へヨン「ディア・マイ・ミスター」「また!?オ・ヘヨン〜僕が愛した未来〜」
演出:キム・ソギュン「まぶしくてー私たちの輝く時間ー」
原題:나의 해방일지(ナエヘバンイルジ)
韓国放送:2022.04.9~ 韓国JTBC
日本初放送:2020.04.10~ Nefflix Nシリーズ

■キャスト
イ・ミンギ「ビューティ・インサイド」「この恋は初めてだから」
キム・ジウォン「都会の男女の恋愛法」「サム ・マイ・ウェイ」「太陽の末裔」
ソン・ソック「D.P」「サバイバー:60日間の大統領」
イエル「トッケビ」「最高の離婚」
チョン・ホジン「一度行ってきました」


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