【第3章】NHKに突撃取材②-女性たちがはまった冬ソナ|NHKと冬のソナタ

2009年09月20日00時00分ドラマ
2009年9月にNHKオンデマンドで「冬のソナタ」全話配信を記念した特集記事。※配信終了※

2002年韓国KBSで放送され、日本でも韓流ブームのきっかけとなった説明不要の伝説的ドラマ「冬のソナタ」と主演のペ・ヨンジュンの魅力を探る。

【第2章】と同様に、文章中の(〇〇〇)は、記者の心の声!

冬のソナタQ:反響はそんなに大きかったんですか?(大げさに言っていない?)
小川:これまでも「ER」など人気作品にはハガキが届いたりしました。Eメールもね。でも、それは再放送の依頼といったもので、冬ソナのように封書でどかっとは届きませんでした。便箋20枚なんて珍しくないんですよ。(笑) 普通20枚なんて書かないですよね。(ヒェ~)
しかもその内容はほとんどがご自分の半生を書いた自分史のようなもので、中には、ここからそこまで届くような巻紙もきましたよ。(3、4メートルの巻紙ってこと?こりゃ凄い!)
ドラマと一体化していましたね。もう完全に。放送直後からこの反響で、レターボックスが毎日満杯の状態でした。(本当に凄かったんだ)

Q:「冬ソナ」はDVD、書籍、語学番組へも展開していますね。(パチンコもあるゾ!) これは韓流ブームを狙った上での戦略ですか?
小川:そこまでは正直思わなかったのではないでしょうか。(笑) 米国ドラマのDVD権はほぼ取得不可能です。その点韓国ドラマはこれからというところでした。放送や宣伝に関しては、むしろ韓国側の方が熱心なくらい積極的でした。ただ、ドラマのガイドブックなんていう概念は韓国にはない、日本独特の文化ですかね。狙って作ったというよりは、こういった戦略は反響の大きさに押されてという感じかもしれません。(視聴者の声に耳を傾けた結果うまれた冬ソナブームだったんだ)

Q:韓国では、ペ・ヨンジュンが主人公でしたが… (これ聞いちゃいけないかな?)
小川:(苦笑)反響が多い分こういった苦情もたくさん寄せられました。「どうして、ヨン様が一番じゃないんだっ!」て。ただ、ストーリーを考えると、このドラマはユジンが主人公ですから。別に差をつけたわけではありませんよ。(笑)

Q:女性たちは「冬ソナ」のどこに魅力を感じたんでしょう?
小川:地上波でハマった多くの方は、初めに音楽で興味を示した方が多く、次にドラマを見て「こんな男の人がいるの?」とぺ・ヨンジュンさんの魅力の虜になってしまったようです。

Q:やはり、彼の丁寧さがツボですか?
小川:そうでしょうね。

Q:では、吹替えのキャスティングですが・・・。 (これはぜひとも聞いておきたい。何しろ、ヨン様のベルベットボイスを封印したんだもん)
小川:最初の韓ドラだったんで、できるだけ話題にしていただきたかったのと、いつもの海外ドラマと違う雰囲気にしたかったと聞いています。声優さんをお願いするのと顔出し俳優さん(有名な俳優さんか)をお願いするのとでは、注目度が違い、スポーツ新聞などの取り上げ方がぜんぜん違ってくるんです。それで、主人公の二人を田中美里さんと萩原聖人さんにしたんです。最初のハードルだけでも越えたかったんです。(何だ、それだけの理由? でも、正直な方)
ただ、NHKのドラマはこれまでも、舞台俳優さんを起用することがよくあったんです。「アリー my Love」や「ザ・ホワイトハウス」も若村麻由美さん、吉田栄作さん、夏木マリさんでしたし、俳優の起用は伝統的にあったので、こちらはそれほど違和感はなかったですね。



Q:本人たちとの声質がずいぶん違うようですが・・・ (5歳は若い声だ)これも戦略ですか? 微笑みと同じくらい人気の彼の声を吹き替えて、まずストーリーを見せ、後で声でノックアウトする?
小川:(爆笑)そんな深い戦略はなかったと思いますよ。韓国の人に比べて、日本人の声質は高いんです。ですから、吹替えの場合は若干高くするのが普通です。(そうか、だから萩原聖人と田中美里だったんだ。実際、チェ・ジウはことのほか田中の声が気に入っていたんだよね。チュンサンにしても本当のペ・ヨンジュンの声知らなきゃ年代的にちょうどいい声だもんね)
ただ、この冬ソナでは吹替えのセリフを一段高い敬語を使ったそうです。たとえば、ミニョンがユジンの友達から初恋の人に自分が似ているという話を聞いた後のミニョンのセリフ。普通なら「その人はどこにいますか」くらいになるところ、「どちらに」という言葉を使っています。(そうだったのか! 謎が解けた! NHKは吹替えで“ヨン様=丁寧な言葉遣い”の刷り込みをしたのか! この謎については次の章で詳しく説明するのでお楽しみに)

Q:最後に小川さんにお聞きします。小川さんは「冬のソナタ」がお好きですか?
小川:ハイ! 普段忙しくてドラマを見る時間はないのに、冬ソナは3日で観ましたね。次にどうなるかというストーリーに惹かれました。(父親は誰? で大学の図書館に入り込むシーンはちょっとサスペンスタッチで、どうなるんだって思ったもんネ)

Q:ついでに、チュンサンとミニョンどちらが好みですか?
小川:学生のチュンサンがいいですね。あんな学生いないじゃないですか・・・いまどきの高校生。やっぱりあの丁寧さが心地良かったのかな~(同感!同感!)

Q:今日はお忙しいところ本当にありがとうございました。

取材の予定時間を大幅に超えてしまったが、取材の後も冬ソナ談義は長く続いた。
これほどまでに女性を虜にする「冬のソナタ」を日本に紹介してくれた小川さんたちに感謝! これからも、素敵なドラマを紹介して下さい。アッ! 小川さんは報道局に移動されたんだっけ・・・。では、後任の方よろしくお願いします。


[目次に戻る]