朝鮮時代版教育戦争開始!キム・ヘス主演「シュルプ」押さえておくべき基礎知識と第1話あらすじ・見どころ

2022年10月16日22時58分ドラマ
Netflixシリーズ『シュルプ』独占配信中

キム・ヘス主演で、朝鮮時代の教育ママの奮闘を描いたコメディ時代劇「シュルプ」(全16話)が、10月15日からtvNで放送され、Netflixでも同日より独占配信を開始した。第1話のあらすじと見どころを紹介しよう。
※視聴率は7.6%(ニールセンコリア、全国調べ)

Netflixが待望の2022年公開予定韓国作品ラインナップ一覧

「シュルプ」は、トラブルメーカーの息子たちと、王座を狙うライバルの策略…さまざまな問題に振り回されながら、未来の朝鮮王を育て上げるために日々奮闘する王妃の姿を描く。



合わせて既に公開されているオフィシャル予告映像も観て頂くと作品の雰囲気が掴めるはずだ。



■あらすじ
王の血筋を引く王子達が学問を学ぶ宗学。普段は世子(次期王位継承者)が学問を学ぶ侍講院ばかり見ていた王イ・ホ(チェ・ウォニョン)が、大妃(キム・ヘスク)を連れて、宗学の様子を観に来るとなり、王が抱える大勢の妻達は我が子のいいところを見せようと躍起になる。一方、王の正妻であるファリョン(キム・ヘス)はというと、姿が見えない息子や、寝坊した息子のせいで奔走させられる。

苦労も虚しく、宗学は数人の遅刻でスタート。姑である大妃に目をつけられたファリョンは厳しく批判を受けるが、臆する事なく憎まれ口を返す。5人の兄弟の母親であるファリョンにとって、文武両道で優秀な長男である世子(特別出演 / ペ・イニョク)は誇りであり、大妃の厳しい小言からファリョンの立場を守る盾でもある。世子がいれば、他の問題児4人は健やかに育ってくれるだけでいい、そう願っていたファリョンの前で世子が突然難病に倒れてしまう。

目を覚まさない世子の身を案じるファリョンだが、その頃、大妃は世子と共に侍講院で学ぶ陪童を、宗学に通う王子達の中から選ぶよう命じる。

正式な手続きを経て王の側室となった揀択後宮と、宮中で働いているうちに王に見初められた承恩後宮は品位の違いから対立を続けていた。そんな中、陪童の話が持ち上がると、我が子を世子と共に学ばせる(あわよくば王位継承権を奪取できる)またとないチャンスに沸き立つ。大妃もまた、そんな側室達に次期王を育て上げる為のノウハウが詰まった秘密の書を渡し、彼女らの忠誠心を得て、生意気な正妻ファリョンの地位を失墜させようと目論む。かつては側室だったにも関わらず、息子を王にした大妃を知っている側室達は、我が子を王にする野望を抱き始める。

大妃と対等に渡り合う為に重要な役割を果たしていた世子が病に倒れ、他の側室が陪童になり、更には世子の座まで奪われてしまったら…これまで大妃に臆する事なく立ち向かってきたファリョンも自身や息子たちの地位が揺らぎ始めたと知ると、廃位され王宮から追放された先王の正妻ユン王后(ソ・インスク)を訪ね、宮中で生き残る術を教えてほしいと懇願する…。


■見どころと押さえておきたい基礎知識
作品全体の見どころやキャストに関する詳細はこのサイトでも紹介しているので合わせてご覧頂きたい⇛キム・ヘス20年ぶりの時代劇!「シュルプ」10/15〜Netflix配信開始!タイトルの意味は?見どころご紹介!


今回は物語を理解する上で押さえておきたい基礎知識と共に第1話を観た上で感じた見どころを紹介しよう。

まず把握するべきポイントは登場する女性達と、その子供たちの地位や置かれている状況だ。少し分かりづらいので注意が必要なので、予め押さえておく事をおすすめする。まず、朝鮮王朝では王は一夫多妻制をとり、一人の正室(本作でのファリョン)と、複数の側室(後宮とも呼ばれる)と区分された。当時、王の妃を選ぶ為にしばし揀択(カンテク)と呼ばれる募集が行われた。この揀択を通して選ばれた側室が揀択後宮と呼ばれ、その多くは由緒正しき家柄の令嬢であり、「王の女」としての地位は正室の次に高い。

そして、側室の中にはもともと王宮で下働きをしているうちに王に見初められて側室の座に就いた女性も存在し、そんな彼女たちの事を承恩(スンウン)後宮と呼ぶが、必ずしも高貴な出自とは限らず、正式に王の側室となっても品階は揀択後宮には劣る(現代の視点から言うと揀択後宮がオーディションで選ばれるのに対し、承恩後宮は王じきじきにスカウトされたと考えるとわかりやすいかも知れない)。

このように、同じ王に嫁いだとしても、その地位にはスタート時点から隔たりがあるが、ここで彼女達の立場を逆転させる番狂わせが「世継ぎを産めるかどうか」だ。

たとえ他の側室や、正室より品階が低くても、王との間に産まれた男児は必然的に王位継承者候補となる。正室が産んだ男児が王位継承最高位となり、世子として冊封されるが、病やその他の事由で王位継承候補から外れた場合は、側室の子供にも世子となるチャンスが訪れ、実際に王として即位すればたとえ側室であっても大妃となる事が出来る(本作における大妃ももとは側室だった)。

上記のような朝鮮時代の王位継承のルールが、本作の「教育合戦」「王の女としてのプライドを賭けた戦い」の要素を生み出している点を押さえておきたい。その上で第1話で見どころとなったのは王妃ファリョンの身に降り掛かった危機だ。問題を抱える息子4人に振り回されながらも、長男が世子だという理由で大妃をも恐れぬ堂々としたキャラクターとして登場したが、世子が病に倒れ、いよいよ他の王子が世子に冊封される可能性が浮上すると、これまで反駁してきた大妃に地位を潰されそうになり、救いを求めるシーンで幕を閉じ、第2話以降はこれまで諦めていた問題児4人の教育により奔走する彼女の姿が見られる事だろう。

ファリョンを演じているキム・ヘスといえば、長いキャリアを持ち、「シグナル」など日本でも人気の高い作品に出演しているが、今年2月にNetflixで独占配信された「未成年裁判」への主演が記憶に残っている視聴者も多いはずだ。同作では少年犯を憎悪し、甘やかす事なく厳しい罰を与える判事として、ほぼ笑顔を見せる事なく演じ切った彼女が、本作ではトラブルばかり巻き起こす4人の息子の子育てや、王位を巡った宮中でのママ達の競争、姑問題に躍起になる王妃を演じそのギャップも面白い。

第1話で提起された気になるトピックは、側室だった大妃が正室だったユン王后をどのような手で廃位に追い込んだのだろうか?ユン王后が産んだかつてのテイン世子の死因が、世子がかかった病気と同じ点も気になる。作中で語られた通り、同じ家系による遺伝的な病なのか、それとも病を偽装した何らかの陰謀があるのだろうか?

第2話以降は王の妻同士、腹違いの兄弟である王子同士の熾烈な競争が描かれる中、上の謎も徐々に明かされていく事だろう。

初回は全国視聴率7.7%(ニールセンコリア調べ)とまずまずのスタートを切り、SNSでも話題になっているのは、腹違いの王子達だ。ムン・サンミン、ユン・サンヒョン、ユ・ソンホ、パク・ハジュン、チャニ(SF9)、キム・ミンギ、ムン・ソンヒョンらフレッシュな顔ぶれは「イケメン祭り」と称され、「保精」と呼ばれる現代の保健体育の授業にだけは鼻の下を伸ばしながら熱心に取り組む姿が微笑ましい。また兄弟達の中で最年少のホドン君を演じるホン・ジェミンも愛嬌あふれる姿から「最大の癒やし」と称され、この作品で人気に火がつきそうだ。

子供の将来や社会的ステータスを巡ったママ同士のドロドロとした競争といった現代のトピックを朝鮮時代に移植し、王位を賭けた教育奮闘記を描いたユニークなtvN土日ドラマ「シュルプ」はNetflixで独占配信中だ。

■スタッフ
演出:キム・ヒョンシク
脚本家 :パク・バラ
原題:슈룹(シュルプ)

■キャスト
イム・ファリョン役:キム・ヘス
大妃役:キム・ヘスク
朝鮮王イ・ホ役:チェ・ウォニョン
ソンナム大君役:ムン・サンミン
世子役:ペ・イニョク
ムアン大君役:ユン・サンヒョン
ケソン大君役:ユ・ソンホ
イリョン大君役:パク・ハジュン
ファン貴人役:オク・チャヨン
コ貴人役:ウ・ジョンウォン
テ昭容役:キム・ガウン

ほか

Netflix公式ページ
Youtube|Netflix予告動画
tvN公式ページ

kandoratop【作品詳細】【「シュルプ」を2倍楽しむ】

【Netflix2022年韓国ドラマ】【Netflix2022年韓国映画】