子育て世代におすすめしたい!「シュルプ」第2話:息子たちの知られざる成長と素顔に喜び困惑する母キム・ヘス

2022年10月17日23時05分ドラマ
Netflixシリーズ『シュルプ』独占配信中

キム・ヘス主演で、朝鮮時代の教育ママの奮闘を描いたコメディ時代劇「シュルプ」(全16話)が、10月15日からtvNで放送を開始し反響を呼んでいる。気になる第2話のあらすじや見どころを振り返ってみよう。
※視聴率は9.1%(ニールセンコリア、全国調べ)

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「シュルプ」は、トラブルメーカーの息子たちと、王座を狙うライバルの策略…さまざまな問題に振り回されながら、未来の朝鮮王を育て上げるために日々奮闘する王妃の姿を描く。



■第2話あらすじと豆知識
世子が病に倒れ、対立していた姑である大妃(キム・ヘスク)がいよいよ自分を排除しようとしている事を知ったファリョン(キム・ヘス)は、かつて息子で王になるはずだったテイン世子を病で失い、廃妃として王宮から追放されたユン王后(ソ・インスク)を訪ねる。ユン王后はテイン世子の死は病気のせいではないと信じていた。

果たしてファリョンの世子(特別出演 / ペ・イニョク)がテイン世子と同じ血虚厥にかかったのは遺伝による偶然なのだろうか?テイン世子がこの世を去り、ユン王后が王宮から追い出された後、他の大君たちも王位継承の脅威になると見なされ次々と何者かに殺されたと知ったファリョンは、自分や息子たちにも同じ悲しみが迫っていると知り、涙しながら息子たちを陪童に立候補させようと心に決める。
※血虚厥(ヒョログォル):出血などにより体内の血が足りなくなる病。※大君(テグン):王の兄弟。※陪童(ペドン):世子と共に王になる為の学問を学ぶ学友。

その頃、大妃は息子を王にしようと野心を抱き始めた側室達に帝王教育の基本となる書を贈り、自分だけが大妃から特別に目をかけられたと信じる彼女達は息子の教育に熱を注ぎ始める。

世子が病に倒れた事実を明かす事も出来ないまま、息子達を陪童に志願させようと説得を試みたファリョンだが、何も知らない息子達は呑気に母の説得を拒む。最初は平静を保とうとしていたファリョンも呆れてついつい声を荒げてしまう。四男のケソン大君(ユ・ソンホ)が志願すると言い出しほっと胸を撫で下ろしたファリョンだったが、他に素質がある大君はいないか大君達の師匠を訪ねると、みな学業に興味が無く最低水準にも満たないと言われ、唯一志願したケソン大君が最も危うい成績だと知り衝撃を受ける。

更に宮中でケソン大君を見つけて後をつけたファリョンは、彼が入っていった廃屋で知らなかったケソン大君のもう一つの顔を知り、言葉を失ってしまう。誰にも弱みを見せられず、昔からの隠れ家で涙を流すファリョン。

唯一陪童に志願したケソン大君の別の顔を知ってしまったファリョンは事態を不安視するが、呑気に構えていた大君達はそれぞれ母の知らないところで、陪童に志願する決意を固めていた。病に倒れた世子も次男のソンナム大君(ムン・サンミン)と幼い頃の思い出を語り合い、陪童への志願を頼む。兄が何処かに行ってしまう気がして不安に思うソンナム大君。

側室達が巨擘と呼ばれる家庭教師をつけて教育に力を入れる中、王宮の教育機関中から書物を集めさせたファリョンは、なんと自らその書に目を通し始める。「母が無知だと子供の力になれない」彼女が他の側室と異なる点だった。「かつて、先王が外戚を牽制してしがない家柄から選ばれた王妃になったと噂されたが、実は周りの候補を打ち負かした」と負けず嫌いを認め不敵に微笑むファリョン。
※巨擘(コビョク):家庭教師、もしくは現代における入試コーディネーター。

テイン世子が亡くなった当時の資料を探すよう命じていたファリョンだったが、資料は火災で失われ、当時を知る御医も今や一人を残し、宮中から姿を消していた。不可解な状況に疑いを深める。
※御医(オウィ):宮中で王族の医療を担当していた官職。

今まで「勉強をしろ」と一切言ってこなかった母が突然教育ママになり、驚きを隠せない大君達に対して、真実を伝えられないファリョンは自らの王妃としてのプライドだと誤魔化すが、つい母としての子を守りたい気持ちが口をついて出てしまう。

女官を通じて、ケソン大君が廃屋で巨擘から授業を受けていると疑ったコ貴人(ウ・ジョンウォン)は、彼を尾行して廃屋に辿り着くと、彼が抱える秘密を知ってしまう。彼女が隙間から見たのは、長い髪をおろし、美しく化粧をしたケソン君の姿だった…。

■見どころ
次の王位継承内定者である世子の母という安泰のポジションから、一気に危険な立場に陥ってしまったファリョンが、かつて自分と似たような境遇で王宮から追放されたユン王后を訪ね、対策を聞き出そうとするシーンから始まった第2話。地位を失ったばかりか、王との間に産んだ息子達まで殺されたユン王后の悲劇を自らに重ね合わせ、涙を流すファリョンの姿が印象的だ。このシーンでは、テイン世子の死因が病気ではなかった可能性が提起され、大妃が自らの子供を王にする為に、当時のテイン世子を殺し、ユン王后を追放したと考えるのが妥当だが、ファリョンの長男の病気もやはり大妃が仕組んだ事なのだろうか?更に、二人の会話を外で盗み聞きする謎の存在が映し出され、ストーリーへの好奇心を掻き立てた。

今回はファリョンやほかの側室達が産んだ王子達が陪童に志願するまで(現代に置き換えると、大学進学を説得して願書を提出させるまでというのが妥当だろう)が描かれた。一流の家庭教師を雇って、子供の意欲や体調よりも勉強を強制する教育ママ達の姿は現代の受験戦争を彷彿とさせる。彼女らのような過度に熱心な教育思想は、現代ドラマでは非行や自殺の原因となる問題行動として描かれる事が多いので、この先、母親の期待の重みに応えられなくなった王子が問題を起こす可能性が考えられる。これに対して、人に頼らずまずは自ら学問書を徹夜で読んで理解しようとするファリョンの姿からは「教育ママは本来こうあるべきだ」というメッセージ性が込められているのではないだろうか。

そして、母の心配をよそに各自陪童への志願を決意し、母や兄を慕いながら行動する大君達の姿は観ていて心温まる。こちらにも「見えないところでも成長し、子供は子供なりに考える力を持っている」という親へのメッセージ性が感じられた。

更に勉強だけではなく、ケソン大君が化粧をして女装をする趣味があると知ったファリョンが衝撃のあまり涙する場面が描かれ、子供のアイデンティティを親がどこまで許容できるかという非常に現代的なトピックも登場した。ファリョンは第3話以降、大君達の教育、そして彼らがそれぞれ抱える葛藤やアイデンティティにどのように向き合っていくのだろうか?王位を巡る陰謀や女のプライドを賭けた戦いなどストーリーも興味をそそるが、子を持つ親に向けた指南書のような作品にもなりそうで興味深い作品だ。

子供の将来や社会的ステータスを巡ったママ同士のドロドロとした競争といった現代のトピックを朝鮮時代に移植し、王位を賭けた教育奮闘記を描いたユニークなtvN土日ドラマ「シュルプ」はNetflixで独占配信中だ。

■スタッフ
演出:キム・ヒョンシク
脚本家 :パク・バラ
原題:슈룹(シュルプ)

■キャスト
イム・ファリョン役:キム・ヘス
大妃役:キム・ヘスク
朝鮮王イ・ホ役:チェ・ウォニョン
ソンナム大君役:ムン・サンミン
世子役:ペ・イニョク
ムアン大君役:ユン・サンヒョン
ケソン大君役:ユ・ソンホ
イリョン大君役:パク・ハジュン
ファン貴人役:オク・チャヨン
コ貴人役:ウ・ジョンウォン
テ昭容役:キム・ガウン

ほか

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