韓国ドラマ「シュルプ」第4話:次男(ムン・サンミン)の活躍で再び平和を取り戻した親子を待ち受ける衝撃の展開
キム・ヘス主演で、朝鮮時代の教育ママの奮闘を描いたコメディ時代劇「シュルプ」(全16話)前回は、ファリョンが四男と真っ向から向き合う感動的なエピソードが描かれたが、今回は暴れん坊の次男の秘められた過去について明かされた。気になるあらすじと見どころを振り返ってみよう。
※視聴率は9.5%(ニールセンコリア、全国調べ)
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「シュルプ」は、トラブルメーカーの息子たちと、王座を狙うライバルの策略…さまざまな問題に振り回されながら、未来の朝鮮王を育て上げるために日々奮闘する王妃の姿を描く。
■第4話あらすじと豆知識
ケソン大君(ユ・ソンホ)の秘密の部屋に火をつけ、秘密を守り抜いたファリョン(キム・ヘス)。その一部始終を目撃していた次男ソンナム大君(ムン・サンミン)は母を問いただそうと中宮殿を訪れる。ファリョンの不在中に部屋に踏み込んだ彼は、そこで温泉療養に向かったはずの兄である世子(特別出演 / ペ・イニョク)の衰弱した姿を目の当たりにする。
戻ってきたファリョンから宮中の不審な動きを知らされ、これが最善の策だと説明されたソンナム大君はケソン大君の部屋を燃やしたのも彼を守る為だったのかと問う。顔色を変えつつもそれが最善だったと言い切った母ファリョンに、今度は自分が幼い頃に王宮の外で孤独に育てられたのも最善だったのかと尋ねる。幼い頃、ソンナム大君を産んですぐに取り上げられたのは自分が無力だったせいだと認めるファリョン。
母のやり方が納得出来なかったソンナム大君はケソン大君の部屋を訪れ、酒に誘う。ケソン大君は陪童の二次試験を辞退すると明かすが、ソンナム大君が驚いたのは、それが母からの提案だったという事だ。母が本当に最善を尽くしケソン大君を守ろうとしている事を感じ取る。
※陪童(ペドン):世子と共に王に必要な教育を受ける学友。
町に出たソンナム大君は兄を救おうと手荒な方法で病気を治せる医者を探し始める。そんな中、大妃(キム・ヘスク)の命令で王宮を離れていた御医チョ医官(キム・ジョンホ)が戻ってくる。
男は病でこの世を去ったテイン世子の担当医で、今となっては当時の状況を知る唯一の生き証人だった。しばし考えるファリョンだが、証拠が燃やされ、証人も不審な死を遂げる中、唯一生き残るどころか出世を果たしたチョ医官を怪しみ警戒する。
そんなファリョンの配慮も虚しく、王(チェ・ウォニョン)はファリョンを呼び出し、世子の治療をチョ医官に任せるよう命じ、彼女もこれには逆らうことができなかった。世子の第二子の誕生が目前になり、そんな重要な時にも世子が姿を見せなければ宮中は大騒ぎになる。
過去に王宮の外で暮らしていた理由を尋ねるケソン大君に、幼い頃の記憶を思い起こすソンナム大君。好奇心旺盛だった彼を王宮の外に追いやり、幼い彼に我慢を強要したのは大妃だった。
その頃、王と大臣は二次試験の内容について意見を分かつ。王の提案に反発するも、言いくるめられてしまった領議政ファン・ウォニョン(キム・ウィソン)。陰では「誰のおかげで王になれたのか」という陰口が広まる。領議政は陪童選びの真意と世子の体調を疑い、大妃を尋ねる。20年前、テイン世子が生きているのに第二の王位継承者を選ぶようにと迫ったチョ貴人(後の大妃)に謀反になると忠告するウォニョンだったが、「謀反も成功すれば歴史になる」というチョ貴人に協力する道を選んでいた。
※領議政(ヨンウィジョン):国政を統括し全ての官吏を代表する最高官職。現在の国務総理に該当する。
そして現代、陪童選びは新たな世子を選ぶ為なのではと勘ぐる領議政は、謀反になると警告する大妃に、当時彼女が言ったように「謀反ではなく歴史を作る」と反論し、当時の見返りに忠臣を動かして孫のウィソン君を陪童の座につけろと圧力をかける。
一方、宮女出身で揀択後宮よりも教育に遅れをとっていたテ昭容(キム・ガウン)はやっとの思いで刑曹参判を巨擘として連れてくるが、息子のポゴム君(キム・ミンギ)は公平であるべき陪童選びの審査員が個別に指導をする事をたしなめ、これには大人も何も言えなくなってしまう。自分の力だけで実力を試したいと告げる。
※刑曹参判(ヒョンジョチャムパン):現代でいう法務省の業務を扱っていた機関のトップ2。※巨擘(コビョク):現代で言う入試コーディネーター。
目を覚ました世子は徹夜で膨大な医学書に目を通す母に気づき、親不孝を詫びる。これしき何も辛くないと気丈に微笑む母の姿に複雑な心境の世子。
いよいよ二次試験が始まり、ケソン大君の棄権を噂する側室達。ファリョンの子供で唯一候補に残ったソンナム大君はやって来た母に兄の看病をするよう薦めるが、ファリョンは試験に向かうソンナム大君に気負いし過ぎるなと優しく励ます。そんな中、他の兄弟2人は腹違いのシムソ君(ムン・ソンヒョン)を連れ、宮中が試験で騒がしい隙を狙って王宮を抜け出してしまう。
二次試験は討論が行われる。出題候補を密かに孫のウィソン君(カン・チャニ)に見せる領議政。しかし、王子達を集めた王は突如として庶民から寄せられた疫病に関する上疏文を議題に差し替える。王が問題を差し替えると読んでいた領議政も疫病のトピックが議題となるのは想定外だった。
※上疏文(サンソムン):庶民が王に宛てた嘆願書。
疫病による患者を隔離する事には成功したが、どう統制するかを論じるよう命じる王。感染拡大を防ぐ為に患者の救済も止めるべきだと主張するウィソン君。これに対して医療支援まで拡充すべきだと反論するソンナム大君。病人を救う為には接触頻度が増え、都に病気が蔓延するリスクもあり、正解が導き出せない王子達。論理を優先させ、村ごと焼き払うべきだと主張するウィソン君と、感情的だと指摘されながらも村人の心理を分析するソンナム大君。疫病に対する不安が憎悪や暴力に繋がっていると指摘し、治療と同時に疫病の調査を進めるべきだというソンナム大君の主張に、満足そうな王。
試験の終了を知らされたファリョンはソンナム大君を労おうとするが、彼の姿はどこにもない。彼は試験を終え、王宮を抜け出していた。兄弟2人がいない事に気づいたファリョンが吠える。そうとも知らずに物見遊山に夢中の3人。女たらしの三男ムアン大君(ユン・サンヒョン)は意中の妓生チョウォル(チョン・ヘウォン)を訪ねるが、会いたくないと言われて肩を落とす。
兄の病気を治せる医者を探させていたソンナム大君。しかし都で唯一見つけた医師は疫病で隔離された西村にいるという。西村に潜入する事に成功したソンナム大君は隔離された村の人々の生活を目の当たりにする。ようやく見つけたトジ先生(クォン・ヘヒョ)に兄の病を治せる方法を尋ねるが相手にされない。あれよという間に看病を手伝わされながらも、兄の病状や処方している薬を伝え、幼い頃から止血までに時間がかかったと明かすソンナム大君。
卒倒を繰り返すほど衰弱した患者には鍼治療は禁物だと告げ、鍼治療をやめるよう助言し、あっという間に薬を処方するトジ先生。隔離された村からも排水溝を通って難なく脱出したソンナム大君。しかし、薬房ではトジ先生の話とは違い、薬代を請求されてしまう。トジ先生に持ち金を取られたソンナム大君は途方に暮れるが、母親の形見の粧刀を担保にしてこれを助けたのは兵曹判書の娘チョンハ(オ・イェジュ)だった。10日後に必ず返すと約束するソンナム大君。しかし、母親の形見というのはソンナム大君に一目惚れしたチョンハの嘘だった。
※兵曹判書(ピョンジョパンソ):現代における防衛省のトップの役職。
町での物見遊山を終えて王宮に戻ってきた兄弟3人の前に仁王立ちするファリョン。しかし、こんな楽しい日は初めてだったというシムソ君の言葉に別の感情が頭をよぎる。
治療方法の変更を頼み込むソンナム大君だが、「世子に民間療法を試す訳にはいかない」と難色を示す御医。王に隠れて治療しているだけでも命が危ういのに万一のことがあったらと心配する医官。ファリョンもまた民間療法に反対する。せめて鍼治療を中止してほしいというソンナム大君に難色を示すが、目を覚ました世子も数日間試させてほしいと頼み、ファリョンは彼らの願いを聞き入れる事に。
試験の結果が開票され、一次試験の結果と合わせた結果、ポゴム君が陪童に選ばれた。結果に不満な領議政は大妃のもとに向かい、約束を破ったと責めるが、大妃は冷静に彼をたしなめる。そこにやって来たファリョン。世子に何かあっても大君が世子になる事はなくなったという大妃に、「本当に世子の快復を願っているのか」と反論するファリョン。5日もすれば産まれてくる子供の誕生よりも前に世子が快復しなければ、世子は廃世子となり、そうなればファリョンや彼女の産んだ大君達の命も脅かされる。これまでにない危機感を覚えたファリョンにはソンナム大君が持ち帰った民間療法を試す道しか残されていなかった。
世子嬪が産気づき、世子の快復までのタイムリミットが迫る。世子が現れない事を噂する側室達。王と共に大妃が現れ、世子の重篤をほのめかすが、次の瞬間、健康な姿で世子が颯爽と現れる。何も知らない王の横で動揺を隠せない大妃。勝ち誇った表情で微笑むファリョン。民間療法の正しさを感じるファリョン。久々に息子を集めて食事をしようと上機嫌のファリョン。その晩、ご馳走を前に集まり、食事を頬張る我が子を見つめるファリョン。
長男にえこひいきする母にすねる三男すら愛おしそうに見つめるファリョン。ソンナム大君を連れ出した世子は、幼い頃に母親から引き離されて西村で育てられたのにどうして母親の事を気にかけなかったのかと尋ねる。ソンナム大君は幼い頃、時々、村を訪れては涙を流す女性を見て、それが母だと気づいていた。幼い我が子を取り上げられても何も出来ない無力さから、せめてソンナム大君が寂しくないようにと、幼き世子をソンナム大君のもとに送ったのもファリョンだった。
陪童となったポゴム君と共に講義に励む世子。それを誇らしげに眺めるファリョンと王。しかし、突然世子は血を吐いて倒れてしまう…。
■見どころ
第3話では四男のセクシャリティと向き合うファリョンの母親としての姿が中心的に描かれたが、第4話では次男ソンナム大君の過去と、兄や母の為に活躍する姿を中心に描かれた。この他にも、陪童選びの結果が発表されたり、大妃の過去が明かされ始めるなど非常に濃い内容のエピソードとなった。
(恐らくはケソン大君の秘密を知っていた)ソンナム大君は最初、母親のやり方に疑問を抱き反発するが、次第にそれが本当に子供を守ろうとする母の優しさだったと知っていく姿が非常にうまく表現されていた。そして、兄の病状を知った彼が命の危険を冒してまでも、疫病で隔離された西村に忍び込み、これが兄の命や一族の危機を救う結果となるのだが、ここで押さえておきたいのがソンナム大君の幼少期と、兄である世子との関係だ。
第2話でも少し語られた通り、ソンナム大君は幼い頃、王宮の外で両親から引き離されて育てられていた。これについては詳しい経緯は語られなかったものの、今回、引き離した張本人が大妃で、まだ若かったファリョンにはどうする事も出来なかったと言及された。孤独な幼少期を過ごしていたソンナム大君にとって、ある日突然現れて兄と名乗った世子は5人兄弟の中でも特別な存在だったのだ。また、後半で、幼いソンナム大君のもとを訪れては泣いていた女性がファリョンで、幼い我が子が寂しくないように兄を西村に送ったのも彼女だったと明かされ、これまでのエピソードを観てきた視聴者であれば、その光景が容易に想像できる事だろう。快復した世子を交えての母子6人での和気藹藹とした食卓のシーンも、自分は箸もつけず、ひたすら食事を勧めながら愛おしそうに子供たちを見つめるファリョンの姿に目頭が熱くなる。
その一方で、息子達が王宮を抜け出した事を知ったファリョンが吠えるシーンでは久々に「鬼ママ」っぷりが観られて微笑ましい気持ちにもなる。
第4話では視聴者の意表を突く展開も多く描かれた。まず、物語の主軸となると思われた陪童選びの試験が早くも終了した事だ。この先残す12話ではどんな展開が繰り広げられていくのか興味を抱かずにはいられない。もう一つは世子の病状だ。「このまま死んでしまうのではないか」と第1話から冷や冷やさせられた視聴者は、ソンナム大君の活躍と、ファリョンの決断のおかげですっかり快復した世子の姿に安心させられたと思うが、クライマックスでは再び世子が吐血し倒れ、衝撃のどんでん返しとなった。これまでのストーリーを展開を見守ってきた視聴者にとっては無事でいてほしい人物なのだが、果たして…。
子供の将来や社会的ステータスを巡ったママ同士のドロドロとした競争といった現代のトピックを朝鮮時代に移植し、王位を賭けた教育奮闘記を描いたユニークなtvN土日ドラマ「シュルプ」はNetflixで独占配信中だ。
■スタッフ
演出:キム・ヒョンシク
脚本家 :パク・バラ
原題:슈룹(シュルプ)
■キャスト
イム・ファリョン役:キム・ヘス
大妃役:キム・ヘスク
朝鮮王イ・ホ役:チェ・ウォニョン
ソンナム大君役:ムン・サンミン
世子役:ペ・イニョク
ムアン大君役:ユン・サンヒョン
ケソン大君役:ユ・ソンホ
イリョン大君役:パク・ハジュン
ファン貴人役:オク・チャヨン
コ貴人役:ウ・ジョンウォン
テ昭容役:キム・ガウン
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