映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』かず子(宮本茉由)と作家(安藤政信)の恋と革命の物語の始まりを描く本編映像解禁

2022年10月28日09時00分映画

太宰治「斜陽」執筆75周年記念作品、映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』(11月4日公開)より、真っ直ぐに生きる“かず子”と自由に生きる“上原”の恋と革命の物語の始まりを描く本編映像解禁した。



映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』は、日本映画界の名匠、増村保造監督と脚本家の白坂依志夫が遺した草稿脚本を元に近藤明男監督(『ふみ子の海』(07)、『エクレール・お菓子放浪記』(11))が脚本を仕上げ、準備から5年の歳月を経て、太宰治「斜陽」を完全映画化した作品だ。

解禁となったのは、本日28日に待望の甲府先行公開を迎えた本作から、宮本茉由演じる主人公かず子が、安藤政信が演じる太宰治自身を投影した作家・上原と運命を変える初めての出会いをとらえた本編映像。
まだ学生だったかず子の弟・直治が師匠と仰ぐ、中年作家、上原二郎と初めて出会う場面だ。



高校生にも関わらず薬物を使用している直治を心配したかず子が「直治に薬を勧めたのは上原さん、あなたでしょ」と問いただす。上原は、「薬はもう辞めさせるよ。アルコールに転向させます」と応じ詫びる様子はない。

かず子は確信を射抜くかのように「上原さん、弟に小説を書く才能があるとお思い?」と続ける。「分かりませんね。そんな不安をごまかすため、若い頃に薬を覚えたんです。これからだってどうなることか。突然一行も書けなくなって、自殺をするかもせれませんよ」と、心配するかず子の心中を逆なでする言葉を発するとウイスキーグラスに手を伸ばす。
「でも、弟は尊敬していますわ。上原さんは天才だって」と、意に反して上原を気遣う。その言葉に微笑んだ上原は「それは買い被りすぎだ。俺は二流、いや三流の作家でね。出すものはみんな愚作。ひっどい作品ばかりだ。本物なんかひとつもない。ただケチな世渡り、メシを食うための仕事なんだ。あなだだって僕の小説なんか読んでいないでしょう」と自虐的な言葉を返す。弟に勧められて読んだという彼女に「下らなくて、つまらなかった筈だ」と吐き捨てる。「いいえ、とても面白かったわ。それに上原さんも想像どおりの方、とても……」と言葉を詰まらせると、「とても?」と視線を向ける上原に、かず子は「面白くて、素敵」と見つめ返す。

グイと酒を飲み干すと「さ、もう帰りましょう」と勘定を済ませて階段を上がって行く上原の後を、ゆっくりと続くかず子。突然振り向いた上原は、いきなりかず子を包むように抱くと、激しく接吻するのですが…。
この後、道ならぬ恋に突き進むふたりの恋の行方はどんな展開を見せるのか。その先は、是非劇場で。

太宰治「斜陽」執筆 75 周年記念作品『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』は、10月28日(金) よりTOHOシネマズ甲府、シアターセントラル Be 館にて先行公開、11月4日(金)より TOHO シネマズ日本橋ほか全国公開。

<作品情報>
宮本茉由 / 安藤政信 水野真紀 奥野壮
田中健 細川直美 白須慶子 三上寛 柏原収史 / 萬田久子 / 柄本明
尾崎右宗 菅田俊 岡部尚 中谷太郎 緒方美穂 三木秀甫 
岡元あつこ 栗原沙也加 今泉朋子 白石恭子 薗田正美 光藤えり 
山村友乃 野崎小三郎 ジョナゴールド / 春風亭昇太

原作:太宰治 監督:近藤明男 脚本:白坂依志夫 増村保造 近藤明男 製作:野口英一
プロデューサー:足立喜之 石戸谷洋治、市川武 今泉朋子 上村正樹 小浜圭太郎 栗原隆一 野崎小五郎 山村隆昭
音楽:海沼正利 主題歌:小椋佳「ラピスラズリの涙」(作詞・作曲・歌)
撮影支援協力:青森県 山梨県 五所川原市 つがる市 弘前市 甲府市 山梨市 都留市 三鷹市

2022年/日本/日本語/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/109分/配給:彩プロ 映倫G
©2022 『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』製作委員会(オフィス近藤 アップサイド 実正寺 スペースT ぱあとなあ ハーモニー ライジングシネマ 山梨日日新聞社 山梨放送)

映画公式サイト