【最終回ネタバレ】ドラマの凄さと視聴率が反比例「エルピスマス」第10話で恵那と斎藤が10分で決断したリアルな“落としどころ”が話題に!

2022年12月27日10時38分ドラマ
@カンテレ、フジテレビ

12月26日、月10「 エルピス―希望、あるいは災い― 」(フジテレビ、月曜夜10時)最終回第10話が放送された。最新話の見逃し無料配信は、カンテレドーガとTverで、FODとU-NEXTで全話配信されている。



「エルピス―希望、あるいは災い―」は、スキャンダルによってエースの座から転落したアナウンサー・浅川恵那(長澤まさみ)と彼女に共鳴した仲間たちが、死刑が確定犯人とされた男の死刑が確定した、10代の女性が連続して殺害された事件の冤罪疑惑を追う中で、一度は失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描いていく社会派エンターテイメント。若手ディレクター・岸本拓朗役で眞栄田郷敦、報道局のエース記者・斎藤正一役で鈴木亮平が共演する。

気になる視聴率は、初回から、8.0%、7.3%、6.3%、6.9%、5.8%、5.5%、6.6%、5.7%、5.5%、と作品の熱量が上がるに反比例して下降し、最終回は最低記録とタイの5.5%を記録した。視聴率は振るわなかったが、Twitterでは毎話放送中からキーワードがトレンド入り。最終回の放送ではNHK「岸辺露伴は動かない」最新作を抑えて「#エルピス」がトレンド1位をキープし、「牛丼」「眞栄田郷敦」など関連ワードに加え、エンディングのクレジットに登場した「リリー・フランキー」「ドーナツ差し入れ」までランクイン、マスメディアの“在り方”を問う渾身作への賛辞や考察で盛り上がった。

12月26日に放送された第10話の最終回で、恵那は拓朗という“希望=信じられる人”を見つけ出し、一度は諦めた“真実の報道”に挑戦。“災い”を招くかもしれない“大きな事実”は報道できかなったが、冤罪を晴らすという当初の目的は達成、“小さな正義”を果たすことができた。

「ニュース8」に現れた斎藤と恵那が対峙しあうの緊迫のシーンは視聴者の注目を集めた。この国の司法の機能不全を人体の病気に例えながら、倫理をぶつけ合う2人の議論は白熱し、どちらも自分が未来の“善玉”だと、互いに一歩も譲らない。最後は、この先自分が力をつけて治政を正すと、斎藤は自分を“信じてほしい”と恵那に懇願する。この時、恵那は少しでも斎藤を信じたのだろうか?たぶん、信じたのだろう。斎藤が描く未来を信じて、スクープを報道することを諦めたのだろう。

しかし、恵那は大門のスクープは差し止める代わりに“本城彰”を追及する権利を主張する。こうして、大きな犠牲を伴った真実は闇に隠されたままとなったが、“冤罪事件”に対する“正義”は果たされることとなった。

本作では、リアルさを追及するあまり、恵那や拓朗が敗北し、失意のまま、もしくは暗殺されるのではないかとも危ぶまれていたが、多少のモヤモヤ感を残しながらも、ハッピーエンドを迎えられたのはホッとさせられた。Twitterには「見応えあった!」「最高のドラマをありがとうございました」「なんといっても眞栄田郷敦だった」「斎藤の説得すごかった」「政治部記者の笹岡さんのキャラも良かったな」「村井さん最後までハラスメント(笑)」等、魅力的なキャラクターたちへの応援コメントがあがり、“希望”を探し迷い続ける難しい役どころに挑んだ長澤まさみへの賛辞も多かった。

■最終回:第10話ネタバレあらすじ
大門副総理に対する“レイプ事件もみ消し”疑惑を告発しようとしていた大門亨が、自殺を装われて殺害されてしまう。亨の正義を踏みにじり、保身のために権力という名の悪から目を逸らし続けるマスコミに怒りを爆発させた村井は、「ニュース8」のスタジオに“殴り込んで”きた。村井のただならぬ様子に震撼した恵那は、その真意を知るために拓朗の元を訪れ、これまでの自分の行動を深く詫び、何があったのか教えてほしいと頭を下げた。

拓朗は大門副総理が行なった強姦事件もみ消しのスクープを恵那に見せ、亨が大門に消されたのだと明かす。亨を死に追いやったことの責任と、権力の悪意を思い知らされた拓朗は、今度こそこの件から手を引くと宣言する。「いいのそれで?」と問う恵那に「勝てないんで、やっぱり強いんで…めちゃくちゃ」と深い失意と恐怖に襲われている拓朗はスクープを没にすると言い張る。自分は嫌だという恵那に拓朗は「殺されますよマジで」とつぶやく。

恵那は「なんで殺されなきゃいけないのよ!自分の仕事をちゃんとやりたいだけじゃん。なんにも無茶なこと、望んでない。どうしてこんなに奪われ続けなきゃいけないのよ。こんなにも…心の中の一番大事なものを押しつぶされながら、どうやって生きていけばいいんだよ」と希望がどこにも見えないと嘆いた。ふと、亨のインタビューを聞き返した恵那は、“希望”が“信じること”だと気がつく。

“希望”は、目の前の人間を信じられるという喜びだ。「そっか、希望って、誰かを信じられるってことなんだね。岸本君。ありがとう。今日までいつも、目の前にいてくれて。君がいてくれたから私、今日までやってこれたんだね」恵那は岸本が掴んだ真実を公表することを決意した。

翌日、「ニュース8」の打合せを終えた恵那は、滝川に大門副総理のスクープを冒頭で取り上げることを告げる。滝川は正気ではないと止めようとするが、映像が流されなくても原稿を読み上げると恵那は告げた。

本番一時間前、滝川から連絡をうけた斎藤が「ニュース8」に突然姿を現した。10分だけという約束で人払いし、恵那と斎藤は二人きりになる。「俺は君が正気でゾっとした」と斎藤は語り、大門副総理のスクープを差し止めてほしいと説得し始める。このカード(スクープ)で大門は失脚するだろうが、それだけに留まらず、国の存亡に関わることになるだろうという。その後の余波は予想できず、恵那の進退で責任を取れるというものではないと。「俺が心配しているのはこの国の行方だ」

しかし恵那は、「この国の司法は正しく機能していない。病気を知らせなかったら、正しい治療ができない。“知らせる”というカードは私個人では、責任が取れない。でも“知らせない”というカードを切っている人は、その責任を取れると思っているのか?」と反論する。斎藤は「最善ではない。たしかに、最善とはいえない。でも信じてほしい。現時点では、かろうじて君のカードよりはましなんだ。時間をくれ」と語り、そして自分がこれから力を付けた後で、必ず“正しい”方向に持っていくと約束する。

恵那は「では、本城彰を逮捕させてください。今日以降、本城彰に対する報道にストップをかけないこと」と突然、違うカードをきってでた。斎藤はすぐに携帯を取り出すと、どこかに連絡を入れる。そして「今夜のトップニュースで流していい」と了解する。ただし、「明日まで待つと、君は事故か病気で出れなくなるよ」と念を押して。

恵那が拓朗にすぐさま連絡を入れると、拓朗は丁度「太陽テレビ」のロビーに待機しており、「八頭尾山連続殺人事件の真犯人について」のVTRも持ち歩いていることがわかる。恵那はすぐさま拓朗からVTRを受け取ると「君って最高」と拓朗に抱きつき、そして「ニュース8」で速報として報道する。

拓朗から連絡を受け「ニュース8」の速報を見た関係者たちは、やっと真実が公表されたことに喜び涙する。恵那と拓朗は急に空いた腹を満たすために牛丼を頬張り、遅れてやってきた村井に満面の笑みを浮かべて見せた。

2020年10月。チェリーは台所でカレーを作り、出所した松本とお祝いのケーキを泣きながらほおばる。岸本は村井が立ち上げたネットメディアでジャーナリストとして働いている。斎藤は精力的に講演を続け、そして恵那は今日も「ニュース8」で“真実をまっすぐに”視聴者に伝え続けている。「正しいことがしたい」という拓朗に恵那は言う、「どっちが善玉でどっちが悪玉っていうのはないらしい。この世に本当に正しいことってないみたい。だから、正しいことをするのは諦めて、夢を追いなさい」

カンテレ、フジテレビ 新月10ドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」は10月24日夜10時スタート。主題歌:STUTS「Mirage」Vo.YONCE(Suchmos)&長澤まさみ/出演:長澤まさみ、眞栄田郷敦、鈴木亮平、三浦透子、三浦貴大、近藤公園、池津祥子、梶原善、岡部たかし、筒井真理子 ほか。番組公式Twitterアカウントは「@elpis_ktv」。PR動画は番組公式サイトにて公開中。

カンテレ、フジテレビ「エルピス―希望、あるいは災い―」番組公式サイト

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