Netflix「愛と、利と」第15-最終回:姿を消したムン・ガヨンとユ・ヨンソクが運命の再会!視聴率3.6%、ネタバレと見どころ
今週韓国JTBCで放送され、Netflixにて同日配信中のドラマ「愛と、利と」の第15-16話(最終回)では、ふたたび姿を消したムン・ガヨンを追って、彼女の故郷を訪れるユ・ヨンソクの姿が描かれた。果たして結末はハッピーエンドか、それともサッドエンドか。気になるあらすじと見どころを紹介していこう。
「愛と、利と」は、それぞれちがった「利害」を持つ4人の男女が出会い、本当の“愛”の意味を「理解」していく姿を描いたロマンスドラマだ。迷い揺れ動いて、ときには逃げ出したくなるような、決して美しいだけではない愛の物語。
■キャスト
ハ・サンス役:ユ・ヨンソク
アン・スヨン役:ムン・ガヨン
パク・ミギョン役:クム・セロク
チョン・ジョンヒョン役:チョン・ガラム
ソ・ギョンピル役:ムン・テユ
他
■第15話あらすじ
空っぽになったスヨンの家を後にし、銀行へ戻ってきたサンス。そこでサンスは、封筒の中に入ったスヨンの新しい社員証を発見する。社員証には青いストラップが付けられていた。同じくスヨンのことを心配するソチーム長。サンスはソチーム長と協力して、ひとまずスヨンの辞表の受理を遅らせようとする。その日、ヨンポ支店では新たに配属となった職員2人とミギョンの送別会が行われる。実はワシントン支店に異動願いを出していたミギョン。飲み会の席で、ミギョンは遠距離が原因でサンスと別れることになったと報告。
その後、ギョンピルと二人きりになったミギョンは、どうしてスヨンと寝たのかと尋ねる。ギョンピルが答えを拒否すると、つづいて大学時代の件について言及するミギョン。ギョンピルはミギョンを本気で好きだったが、父親の反対にあってどうすることもできなかったと話す。「やけくそになっただけだ」というギョンピルの言葉に、ミギョンは「あの時も今も、やってることは同じ。無関心なフリをするのは辞めて」と告げた。
市場での慈善行事の後、ギョンピルはサンスを食事に誘う。スヨンとの件について説明しようとするギョンピルだったが、サンスは「聞きたくない」と一言。会計の際、ギョンピルは店の主人に前のクッパ店の店主はどこへ行ったのかと聞く。詳しくは知らないが、統営(トンヨン)へ戻ったようだと女主人。その夜、ギョンピルはホテルで録音したスヨンとの会話をサンスに送る。しかし、サンスはそれを再生する勇気が出ず…。
ワシントンへ発つ日の朝、両親と一緒に食事をしたミギョンは父にサンスと別れたことを明かす。何も聞かずに、「必要なものがあれば言え、母さんを通してでもいいから」と父。そんな父に、ミギョンは「ありがとう」と伝えた。空港までは、サンスが車で送って行く。音楽もロクに流れないサンスの車を見て、「きっと思い出すわ。先輩じゃなくて、この車のことを」とミギョンは笑った。
弟スヒョクの納骨堂へやってきたスヨン。するとそこへ、スヒョクの友人が現れる。今もなお弟の納骨堂に足を運ぶ友人に、礼を言うスヨン。少し悩んだのちに口を開いた友人は、実はスヒョクが事故に遭った日、スヒョクにあの家のことを教えたのは自分だと告白した。バイト中に偶然、あの家で別の人と一緒にいるスヒョクの親を見たという友人。しかし、友人が見たのはスヨンの父ではなく、母だったという。
にわかに信じられないスヨンは、かつて父親が出てきた家の前へ向かった。そこで当時、父と一緒にいた女性を見かけたスヨンは、話を聞くことに。スヒョクの友人が言った通り、不倫をしていたのは父ではなく母だった。夫の不倫を知った女性はすぐにスヨンの母親を訴えたが、間もなくスヨンの父が謝罪に来たという。あの日、スヨンがバスを降りて目にしたのは、和解書を取りつけに来た父親の姿だったのだ。
真実を知ったスヨンはこれまで父親に投げつけた言葉の数々を思い出し、涙を流す。その後、父親を呼び出したスヨンは「理解ができない」と呟いた。同じく父もまた、すべてを理解したわけではないという。それでも父は母を許し、一緒に生きていくことに決めた。今の自分にとって何よりも大事なのは、スヨンの幸せだと語る父。
その頃、サンスは友人のソッキョンと酒を飲んでいた。酔った勢いでギョンピルから送られてきた音声ファイルを開こうとするが、迷った末にサンスはファイルを削除する。すっかり酔っぱらったソッキョンをタクシーに乗せ、自らも別のタクシーに乗り込むサンス。その後、サンスが向かったのはスヨンのいるトンヨンだった。
©JTBC
朝早くに仕事に出かける母親を見送り、海を見に来たスヨン。すると波打ち際に、砂の城が。ふと顔を上げたスヨンの前に立っていたのは、他でもないサンスだった。スヨンの肩を掴んだサンスは、「どうしてあんな風にいなくなったんだ?」と涙を流した。仕事をサボったと話すサンス。するとサンスは、ポケットから新しい社員証を取り出す。青いストラップのついた社員証を見て、「銀行で働いていた時は、ずっとこの青いストラップに憧れていたのに…。全然大したことないわね」とスヨン。そしてスヨンは、海に向かって写真賞を放り投げる。慌てて水の中に飛び込んだサンスは、ふたたび社員証を見つけ出す。
サウナで服を乾かしたサンスを連れ、地元を案内するスヨン。最終バスを乗り過ごしてしまったサンスは、民宿に泊まることに。サンスを民宿の前まで送り、「また明日」と去っていくスヨンだったが、しばらくして酒を手に戻ってくる。つまみもなしに酒を飲む2人。するとサンスは、真実ゲームをしようという。どうして逃げたのかと聞かれ、「怖かった。いくら突き放しても、またやってくるから。このまま上手くいってしまいそうで…」とスヨンは答えた。同じく初めてのデートの時にどうして待ち合わせ場所から引き返したのかと聞かれ、「僕も自信がなかったんだと思う。一人の女性の人生に責任が持てるかどうか、そこまで考えた。そうやって先のことを考えることで、不幸を避けられるから」とサンス。
サンスにとって自分は不幸だったのかと聞くスヨンに、サンスは「いや、変数だ」と返した。暗い部屋の中で見つめ合った2人は、熱いキスを交わす。翌朝、サンスをターミナルまで送って行くスヨン。別れ際、スヨンは何も告げずにソウルから去ったことを謝る。そして、銀行の件ももう一度考え直してみるとスヨン。「ソウルに戻ったら連絡するわ」そう言ってスヨンは、サンスの前を去って行く。
©JTBC
■第16話(最終回)あらすじ
4年後、サンスは係長から代理に昇格。スヨンとはトンヨンのターミナルで別れて以来、一度も会っていなかった。ドゥシクとウンジョンの結婚式で、久々に顔を合わせたヨンポ支店の面々。アメリカから帰国したミギョンは、遅れて式場にやってくる。一足先に式場を後にしたサンス。
式の後、ソチーム長はスヨンが経営するアトリエ・カフェへ。スヨンがソウルに戻ったことを知っているのは、ソチーム長だけだった。先ほど結婚式場でサンスに会ったと話すソチーム長。するとスヨンは、近々店の保証金の件で銀行に行かなければならないという。ソチーム長はサンスが隣のヨンナム支店へ異動になったことを知っていたが、スヨンには内緒にした。ギョンピルに呼び出されてソッキョンのマンションへ向かったサンスは、帰りにゴミ捨てを頼まれる。その中に結婚式のアルバムを見つけたサンスは、集合写真に映るスヨンの姿を見て、過去を振り返った。
翌日、ヨンナム支店へ出勤するサンス。その途中でスヨンによく似た女性を見かけたサンスは、慌てて車を降りる。しかし、スヨンと思われた女性はまったく別人だった。来た道を引き返そうとしたサンスは、“明日の幸せ”というカフェを発見。店の前には、以前サンスがスヨンにあげた鉢植えが置かれていた。何かに導かれるかのように中に入ったサンスは、店内に飾られた写真を見てスヨンとの日々を思い出す。
その頃、スヨンはサンスの赴任先であるヨンナム支店へ。応対した若い女性職員は、手続きに時間がかかったお詫びとして来年度のカレンダーを渡す。スヨンが銀行を後にしたのと入れ替わりで、サンスが出勤する。銀行の帰り道、個展に立ち寄ったスヨン。そこでスヨンは、同じく個展に来たミギョンと顔を合わせる。「会いたかった」と話すミギョンに、スヨンはカフェの名刺を差し出した。するとミギョンは、「今度彼氏と一緒に行くわね」と微笑む。
店に戻ったスヨンは、客から頼まれた画像を探そうとパソコンを開く。するとファイルの中には、4年前にトンヨンでこっそり撮ったサンスの写真が…。先ほどスヨンを応対した女性職員から書類を受け取ったサンスは、そこに書かれたスヨンの名前を見てハッとする。その日の夜、ふたたびカフェに向かったサンスだったが、あいにく店は閉まっていた。
女性職員から電話を受け取ったスヨンは、担当がサンスに変更になったと聞いて驚く。電話を切るとすぐに、サンスが店に現れる。足りなかった書類の説明を終え、席を立とうとするサンス。そんなサンスに、スヨンはコーヒーでも飲んでいくようにと声をかけた。どうして店の名前を“明日の幸せ”にしたのかと聞かれ、スヨンは「とくに意味はない。私も見つけてみたくて、明日の幸せを」と答える。審査の時にまた来ると告げ、店を後にするサンス。
3人目の出産を終えたソチーム長を見舞ったスヨンは、その帰りに交通整理をするジョンヒョンを目にする。ジョンヒョンは試験に合格し、夢だった警察官になっていた。横断歩道の向こうに佇むスヨンに気付いたジョンヒョンは、立ち去る彼女の後ろ姿に向かって敬礼する。
審査の日、スヨンの店へ向かったサンスは、店の前でタバコを吸うスヨンを見て驚く。「自分も吸ってるくせに」と話すスヨンに、だいぶ前にやめたとサンス。すべての手続きが終わり、どこか名残惜しそうなサンスは絵を描いて行ってもいいかと聞く。サンスが描いたのは、2人で見た海岸の絵だった。丁寧に梱包された絵を持って、サンスは店を出る。その夜、かつてサンスと一緒に登った坂道を歩くスヨン。すると同じく、その場に現れたサンス。
2人はカフェに入り、昼間話せなかった会話を始める。連絡をしなかった理由を聞かないのかというスヨンに、サンスは「完全に理解したわけではないけれど、なんだかわかる気がして」と話す。そして、2人は4年前に果たせなかった約束を果たそうと、デートの約束を交わした。
スヨンとの待ち合わせの時間が近づくも、またしても数字が合わない。結局、サンスは自分の財布から足りない分を補って、スヨンのもとへ向かった。食堂へ向かう急な坂を上りながら、サンスはどうして連絡をしなかったのかと聞く。サンスの問いには答えず、「どうして探そうとしなかったの?」とスヨン。するとサンスはスヨンと別れて一週間後にふたたびトンヨンへ行ったが、スヨンを見つけることができなかったと明かした。ふたたび連絡をしなかった理由を聞かれ、「もう全部あげたし、もらったような気がしたから」とスヨンはいう。
その後、2人は「もしあの時、別の選択をしていれば…」と、お互いに想像を巡らせた。もしも自分たちがあのまま付き合っていれば、今頃結婚して子供がいたかもしれないとスヨン。つづけてもしかしたら喧嘩して離婚しているかもと話すスヨンに、「その後また仲直りして、幸せに暮らしているかもしれない」とサンスはいう。結局、こうやって想像してみても大したことなんてないとスヨンが言うと、サンスは「それが愛なのかもしれない。ただ日常を共にすること」と語った。かつてサンスがこの坂を上れば嫌なことを忘れられると話していたのを思い出し、今日は何を忘れたのかと聞くスヨン。「何も。何も忘れてない」とサンスが答え、2人はふたたび歩き出す。ー完ー
©JTBC
■見どころ、感想
急に姿を消したスヨンを追って、彼女の故郷へ向かったサンス。トンヨンでしばし幸せな時間を過ごした2人だったが、またしてもスヨンはサンスの前から姿を消してしまう。そして4年後、運命の再会を果たしたサンスとスヨンは、お互いの過去を振り返ってふたたび歩み出した。結局、2人の関係についてはあいまいなまま、その後の展開は視聴者の想像にゆだねられる形となった。エンディングの2人がこれまでになく穏やかな表情を浮かべていたのが、なんとも印象的だ。
第15話では、民宿で2人きりになったサンスがスヨンのことを「変数」と表現した。日本ではあまり聞きなれないが、韓国では「状況を左右する要因、ハプニング」という意味で、この「変数」という言葉がよく日常会話で登場する。サンスにとってスヨンは、それだけ予測不可能な存在だったのだろう。ちなみにサンスの名前は「定数(상수)」と同じ発音なので、定数(=サンス)と変数(=スヨン)だということがわかる。
ドラマでは2人のロマンスの結末についてはハッキリと描かれなかったが、それぞれが違った選択をしていればと過去を振り返るシーンでは、視聴者の想像力を大いにかき立てた。人生は選択の連続で、その1つ1つの選択によって未来は変化していく。ドラマを通して、人生の選択について改めて考えさせられた。結末に対しては様々な声が上がっているが、ハッピーエンドとしてとらえる声が多いようだ。見る角度によって捉え方が変わってくるのも、この作品の面白いところである。
最終話の視聴率は3.6%、自己最高を記録した。(ニールセンコリア、全国調べ)ユ・ヨンソク主演「愛と、利と」は、Netflixで絶賛配信中だ。
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