Netflix「剣の詩」第9話(最終回):日本軍の残虐作戦と、それぞれの人生を歩み始めるキム・ナムギルとソヒョン

2023年10月28日21時22分ドラマ
Netflix シリーズ「剣の詩」独占配信中

キム・ナムギルがNetflixオリジナル作品で初主演を果たした事でも話題のドラマ「剣の詩」。1920年代、日本の支配下にあった朝鮮半島を生きた盗賊イ・ユンとその周辺人物たちのヒューマンドラマを描いた作品だ。第9話(最終回)の気になるあらすじをチェックしてみよう。(ネタバレ)

【「Netflix」で独占配信の韓国ドラマ】



「剣の詩」(도적: 칼의 소리=盗賊:剣の音)は1920年代、無法地帯の間島(カンド)を舞台に、日本軍、朝鮮の独立軍、殺し屋、盗賊、朝鮮からの移民など、それぞれがそれぞれの目的の為に互いにぶつかり合うドラマだ。【「剣の詩」を2倍楽しむ】では時代背景や舞台となった間島(カンド)、キャスト紹介、制作発表会映像などまとめて紹介している。

■キャスト
イ・ユン役:キム・ナムギル
ナム・ヒシン役:ソヒョン
チェ・チュンス役:ユ・ジェミョン
イ・グァンイル役:イ・ヒョヌク
オンニョニ役:イ・ホジョン
キム・ソンボク役;チャ・チョンファ
 ほか

■第9話(最終話)
仲間を解放したものの、領事が率いる警察部隊に包囲されたユン(キム・ナムギル)ら。幸いにも盗賊を恐れ、及び腰の警察に時間を与えられたものの、馬賊が戻ってくる前に逃げ出すには誰かが一人、脱出して武器を持ってこなければならなかった。身のこなしの軽いチョレンイ(イ・ジェギュン)が見事に武器を持ち帰り、機関銃で包囲網を壊滅させると、オンニョニオンニョニ(イ・ホジョン)の提案で死んだ日本領事を晒し者にし、こうして盗賊には懸賞金がかけられた。

部隊を全滅させながらも責任を取る覚悟でいたグァンイル(イ・ヒョヌク)は、処罰を免れるも日本軍が独立運動家を一掃する作戦を決行すると知り言葉を失う。ユンがヒシンに会いに京城(ソウル)行きを決意した頃、間島では日本軍が馬賊ギリョン(ハン・ギュウォン)と結託して作戦を実行に移し、龍春では日本の警察が40人殺される事件が発生する。

事件を聞いたヒシンのもとに帰ってきたグァンイル。1年の赴任どころか、作戦に失敗したことに意気消沈し、それでも結婚してくれるかと尋ねた。心変わりはないと告げたヒシンだが、グァンイルが持ち帰った軍の内部資料を見つけると間島の独立運動家たちに掃討作戦の警告を伝えようとする。本来中国の土地である間島に、龍春事件をきっかけに日本軍が進軍すると告げると、自分も総督府を辞めて合流すると言い始める。

京城にやって来たユンを見つけたヒシンは、私情を殺して声をかけないがついついあとを追いかけてしまう。一方、探偵からヒシンが独立軍と会話していたと報告を受けたグァンイルは、騙されたと腹を立てながらも、口止めしてヒシンを守ろうとするが、部下のテジュ(コ・ギュピル)が話の一部始終を耳にしてしまう。

ヒシンのために花束を買ったユンだが、独立軍の男から間もなく始まる掃討作戦の話を聞くと、花束を門に前に置いて帰路に就いてしまう。いてもたってもいられなくなって駅まで追いかけてきたヒシンを今度はユンが見かけるが、心を鬼にして声もかけずに旅立ってしまう。それからしばらくしてヒシンとグァンイルは結婚式を挙げた。

こうして日本軍による間島を血で染める作戦は始まるるものの、盗賊たちは一歩も怯むことなく森林地帯で日本軍を迎え撃ち、彼らの意志は平和に暮らすという目的に向け、一瞬も揺らぐことはなかった…。



■見どころ
※アクションと韓国での評判についてこちら⇒キム・ナムギル&イ・ホジョンのアクションを絶賛する日本ファン!韓国での評判は?

最終話となる第9話では、全話で描かれた組織のピンチを切り抜けて行く様子が描かれ、以降はユンとヒシン、ヒシンとグァンイルの人間関係に焦点が当てられた。ユンとヒシンの再会を願っていた多くの視聴者にとっては、二人が結局最後まで互いの思い描く世界を実現させるために、すれ違い、再会を果たせないまま、残虐な日本兵だったグァンイルと、独立支援派であることを知られたヒシンが結婚式を挙げるなど、ハッピーエンドとは言えず、物語も日本軍による大規模な独立軍狩りに盗賊の一味が真っ向から対立し続け、ユンが小高い丘から祖国の地を見下ろす場面でカットアウトされたため、後味の悪さを感じた視聴者は多いのではないだろうか。

賛否両論は分かれそうだが、前述の想い人とのすれ違いや、政治的イデオロギーが異なる相手との結婚も、当時では特別なことではなかったのかも知れないという想像力を掻き立てさせるための脚本戦略なのかも知れない。クライマックスも進軍してきた日本軍との勝敗が描かれなかったことに関しては、誰も命を落とす描写がないことに安心しながらも、視聴者の想像に委ねる意図が窺える。

物語の舞台となった間島は現代に生きる我々にはあまり馴染みがない地名かも知れないが、後にこの地域に建国される満州国と言えば知っている人が大半だろう。当時さまざまな民族が住み、清が領有権を持ちながらも、裁判権などは日本が持っているなど政治的な複雑さを持っていた地域で、史実においても独立軍が潜伏していた場所でもある。

日本人としては信じたくないような残虐な処刑や拷問、虐殺や、今となっては一言で両国民の関係を破綻させかねない悪意に満ちた侮蔑の言葉が次々と出てくるが、果たして本当に史実なのか、それとも多かれ少なかれ脚色が含まれているのか。いずれにしても戦争を知らない我々の世代にとっても、視聴後にこの地域で当時何が起こっていたのかに興味を抱かせるにはとてもいいきっかけになる脚本だったのではないだろうか。

「剣の詩」はNetflixにて独占配信中だ。

■スタッフ
監督:ファン・ジュニョク
脚本:ハン・ジョンフン
原題:도적: 칼의 소리(盗賊:剣の音)

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