映画『梟ーフクロウー』時代背景:朝鮮時代の史実最大の謎を描く<仁祖実録>に残された‟怪奇の死“とは!?

01月29日15時00分映画

2月9日(金)日本でも公開される韓国映画『梟ーフクロウー』は、韓国朝鮮時代の史実に残された最大の謎に迫る<全感覚麻痺>サスペンス・スリラー。公式サイトで予告動画が視聴できる。



史実に残された‟怪奇の死“にまつわる歴史的な謎に、斬新なイマジネーションを加え誕生した『梟―フクロウ―』

映画は、朝鮮王朝実録に“薬物中毒で亡くなった男”として記録されたソヒョン世子の謎の死から始まり、その死を目撃したのは盲目の鍼医だったという斬新なアイディアを取り入れることによって、これまでにない没入感満載のサスペンス・スリラーに仕上がっている。韓国では有名な、ソヒョン世子の死に纏わる謎は、朝鮮王朝実録に記述された次の文章が基となっている。

朝鮮に戻った王の子は、ほどなくして病にかかり、命を落とした。
彼の全身は黒く変色し、目や耳、鼻や口など 七つの穴から鮮血を流し、さながら薬物中毒死のようであった。
― 朝鮮王朝実録 ―


梟ここに記された“王の子”が、朝鮮王朝の第16代国王の仁祖(インジョ)の長男昭顕世子(ソヒョンセジャ)だ。1636年、清が朝鮮に侵攻した丙子(へいし)の乱で、清に降参した朝鮮は、清軍本営で仁祖が、3度跪き9回頭を地につける屈辱的な「三跪九叩頭の礼」という行為で清への忠誠を誓わされ、さらに、長男のソヒョン世子とその家族が人質として清に連れ去られる。
梟しかし人質として連れ去られたソヒョン世子にとって、清での暮らしは先進的な西洋の文明に触れる機会となり、大いに感化されたソヒョン世子は自分が国王になった時には、新しい文明を祖国・朝鮮にも持ち込みたいと考えていた。そして、清に囚われてから8年後、解放されたソヒョン世子一家が朝鮮へ帰還すると、清に対し恨みを持つ仁祖は、清で新たな文化に溶け込み、清との友好関係を結ぶよう進言するソヒョン世子を敵視し、スズリを投げつけたと言われている。そしてソヒョン世子は朝鮮に戻って、謎の薬物中毒のような症状で亡くなる。その後、残されたソヒョン世子の家族も流刑や死罪に処されたことから、仁祖がソヒョン世子を毒殺したのではないかと噂されている。

「丙子の乱」を題材した作品に、2017年公開映画『天命の城』や昨年韓国で放送され大ヒットした「恋人」などがある。同時代を描いたドラマはこちら【ドラマの年表:朝鮮時代編】で確認できる。

韓国史実最大の謎、ソヒョン世子の謎の死から生み出された映画『梟ーフクロウー』 は2月9日(金)より全国ロードショー。

■映画概要
監督:アン・テジン
出演:リュ・ジュンヨル、ユ・ヘジン
2022年/韓国/118分/原題:올빼미/英題:THE NIGHT OWL/日本語字幕:根本理恵/G/配給:ショウゲート
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