24年ぶりのテレビドラマ化で高橋一生の演技に賞賛の声!「ブラック・ジャック」ネタバレ

07月01日10時45分ドラマ
©テレビ朝日

6月30日、24年ぶりに医療漫画の金字塔を高橋一生主演で実写化した「ブラック・ジャック」がテレビ朝日で放送された。ブラック・ジャックや獅子面病など、関連ワードの多くがX(Twitter)のトレンド入りを果たし、視聴者の原作漫画への作品愛の強さも判明。見逃し配信はTVer、TELASAにて行われている。



手塚治虫の名作漫画「ブラック・ジャック」の放送後の感想、ネタバレなどをご紹介


医療とは何か――そんな根源的な問いに深くメスを入れながら、時に厳しく、時に優しく…人の生き方に真正面から向き合うエピソードを次々と紡いできた手塚治虫の名作漫画「ブラック・ジャック」。《医療漫画の金字塔》として色褪せることなく、多くの人に愛され続けてきた本作は、連載開始から早50年が経過した。 24年ぶりに実写ドラマとして6月30日に放送された。

原作の有名エピソードを凝縮して放送


原作から厳選した有名エピソードを凝縮し、その真髄をぐっと掘り下げる。2024年版では原作へのリスペクトの念を軸に据えながら、現代を生きる人たちへ《時代を超えた真摯なメッセージ》を投げかられた。原作の複数の漫画下敷きにして、現代風にアレンジしてドラマ化したが、まず最初に登場したのは第1話「医者はどこだ」だ。法務大臣の息子で、薬物依存症の男性を助けるために、身よりのない男性を見つけ出し、その臓器を移植させる。後半でどんでん返しが待っているが、まず、冒頭はブラック・ジャックが多額の金で手術を請け負ったことがわかる。次に登場するのは交通事故で鉄骨の下敷きになっている少年を助ける話だ。これは「タイムアウト」を原作としている。そして、後半のドラマでは獅子面病にかかった女性とその夫の話をなる。これは「獅子面病」を原作としている。そしてブラック・ジャックが「自分が生きるためだ」という台詞は「ふたりの黒い医者」からの引用となっている。

実写化を担ったキャストの評判は?


今回、ブラック・ジャックを演じたのは高橋一生だ。高橋は当初「正直なところお話を頂いた時は、自分に出来るのかと思いました。幾ら彼の矜持や人情、生に対する思いが好きであっても、いざ自分が演じるとなれば、当たり前ですが話はまったく別です。好きというだけではどうしても成立しない何かがあると思うからです」と話していたが、放送中、放送後は好意的な意見が多く、冷血な視線やピノコ(永尾柚乃)に見せるバックハグも話題となった。

ピノコを演じた永尾柚乃はあえて舌っ足らずな言葉を発するなどの役作りを行っていた。顔面が大きく奇形する獅子面病を演じた松本まりかにも大きな声が集まった。ドクターキリコ役が女性となったことで賛否両論が上がっていたが、石橋静河の演技には引きつけられる視聴者も多かった。

■ネタバレあらすじ


黒マントを羽織った怪しげな男、彼の名はブラック・ジャック(高橋一生)――法外な治療費と引き換えに、どんな手術も成功させる無免許の天才外科医だ。

日本の法務大臣・古川正文(奥田瑛二)の息子の古川駿斗(味方良介)がパルボラ共和国を旅行中に危険ドラッグ運転で事故を起こした。一命は取り留めたもののあらゆる臓器が激しく損傷していて、すべての内臓という内臓を移植しなくてはもたないと言われた。古川は息子と血液型が同じで同年代の男性を探すように指示する。その男性から内臓を移植して息子を生かすためだ。

そして、その男性を見つけ出した古川は駿斗の命を救ってほしいとブラック・ジャックに頼む。そんな古川に、ブラック・ジャックは「息子さんの命はいくらですか?」と尋ねた上で合意。極秘手術を引き受ける。

法務大臣の息子のために犠牲になったのは、外国の刑務所に入っていた後藤一馬(早乙女太一)だった。後藤が死んだことが弁護士の伊丹治郎(山中崇史)を通じて、友人の研修医・長谷川啓介(井之脇海)に伝えられた。後藤が自殺したことが信じられない長谷川は、後藤の骨壺に入っている奇妙な置物を見つけた。

長谷川がその置物に似ているものがおいてあるギャラリーに向かう。すると、ブラック・ジャック、助手のピノコ(永尾柚乃)とすれ違う。その後、ギャラリーの主人に置物を作っているのはいますれ違った人だと言われて、追いかける。そこで交通事故が起きていた。少年が鉄骨の下敷きになっている。クレーン車は渋滞で遅れている。ブラック・ジャックは加害者の運転手に高額な費用を払うように約束させると、鉄骨の中に入っていって、両腕を切断する手術を始めた。両腕を切断した上で再度接合させる。そんな手術をブラック・ジャックはやってのけた。手術が終わって帰ろうとすると、刑事がやってきて逮捕される。その様子を長谷川は見ていた。

ブラック・ジャックはすぐに釈放される。これまで助けてきた政治家達が裏で手を回しているからだ。ブラック・ジャックをおいかける長谷川に、自分はブラック・ジャックなどではないと言い切る。長谷川は後藤が刑務所に入ることになったのは自分に責任があると感じていたのだ。そして、弁護士の調べで、後藤は自殺未遂をするとパルボラ共和国の最高機密をもつ病院に運ばれたことを知る。そこまで調べた弁護士はブラック・ジャックの命により喉をかききられ、始末させられてしまった。

そんなある日、ブラック・ジャックにサラリーマン・六実明夫から依頼が舞い込む。かつての美貌は跡形もなく…顔面が恐ろしく変形する奇病=獅子面病に苦しむ妻・六実えみ子(松本まりか)を治療してほしいというのだ。しかし、提示された莫大な治療費、2億には尻込みする明夫。そんな夫の姿を目の当たりにし、えみ子も治療を諦めようとする。

だが、自らの見目形に複雑な思いを抱えるブラック・ジャックの助手・ピノコ(永尾柚乃)は、えみ子の秘めたる思いに共感する。治療を引き受けようとしないブラック・ジャックに食ってかかる。

直後、えみ子は以前から世話になっている医師・キリコ(石橋静河)に連絡を入れる。ところが何を隠そう、キリコは“安楽死”を秘密裏に請け負う人物だ。しかもブラック・ジャックの宿命的ライバルだ。ブラック・ジャックは、明夫に「彼女がいる地獄、いない地獄、どっちがいい?」と迫る。

キリコの訪問を受けたえみ子は安楽死できる装置を腕につけてもらう。うまくすれば自然死に見えるのだ。しかし、えみ子がためらっていると、そこにブラック・ジャックがやってきた。ブラック・ジャックとキリコが言い争う中、えみ子は装置のボタンを押してしまった。そして心不全を起こす。

ブラック・ジャックは、夫から2億で手術を請負い、細かな血管を縫合してゆく。その姿をみて長谷川も驚く。そしてピノコから助けられなかった人の骨で置物に入れる彫刻を作っていることを教えてもらった。

さらに喉をかききられて絶命したはずの伊丹弁護士は生きていてギャラリーにかくまってもらっていた。命が狙われると知ったブラック・ジャックがあえて喉を切って自ら手術したのだ。さらになぞの人物から後藤と長谷川が好きだった「琵琶丸」のライブチケットが届く。会場に向かった長谷川は古川駿斗と出会うが、その動画はどうみても後藤のものだった。実はブラック・ジャックは駿斗を助けると見せかけて、後藤の顔を駿斗のようにして生かしていたのだ。命を助けるだけだといっていたえみ子の獅子面病も治していた。

ブラック・ジャックに感謝して六実とえみ子はブラック・ジャック邸を去るが、山道で事故にあい、二人ともなくなった。ブラック・ジャックはまだ息があるかもしれないと現場に向かう。そんなブラック・ジャックに「なぜ、患者を救うのか」と聞かれると「自分が生きるためだ」と話した。

テレビ朝日「ブラック・ジャック」は2024年6月30日(日)21時放送。出演:高橋一生、石橋静河、永尾柚乃、奥田瑛二、井之脇海、早乙女太一、宇野祥平、山中崇、橋爪功、松本まりか、味方良介、山内圭哉、千葉哲也、玉置孝匡、ほか。番組公式X(Twitter)アカウントは「@blackjack_asahi」。

テレビ朝日「ブラック・ジャック」番組公式サイト