映画『このろくでもない世界で』ソン・ジュンギが不器用な男気で新境地を開拓｜公開前に見どころ紹介

07月20日20時00分映画

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数々の映画祭でもノミネートされ、ソン・ジュンギの新境地とも呼べる演技が話題を呼ぶ韓国ノワール『このろくでもない世界で』。7月26日（金）の日本公開に先駆け、映画のあらすじと魅力をチェックしてみよう。

『このろくでもない世界で（原題：ファラン）』は、監督・脚本を務めたキム・チャンフンの初長編作品。裏社会で生きる男チゴンと、暴力が蔓延る町で貧困に喘ぐ18歳の少年ヨンギュが交錯したことで、運命が思わぬ方向へと走り出す様を描く。

■キャスト

キム・ヨンギュ役：ホン・サビン
チゴン役：ソン・ジュンギ
キム・ハヤン役：キム・ヒョンソ（BIBI）
スンム役：チョン・ジェグァン
中華料理屋店長役：チョン・マンシク
ジュンボム役：キム・ジョンス
母モギョン役：パク・ボギョン
継父ジョンドク役：ユ・ソンジュ
ほか

■あらすじ

母親の再婚で継父（ユ・ソンジェ）と連れ子で同級生のハヤン（キム・ヒョンソ）と暮らしていたヨンギュは継父からの家庭内暴力に悩まされ、学校ではハヤンとつるむ不良に怪我を負わせ示談金を要求されていた。バイトをしていた中華料理屋で示談金の前借りを頼むが断られ…食事中だった暴力団のチゴン（ソン・ジュンギ）はそんなヨンギュの姿を見て後日手下のスンム（チョン・ジェグァン）を通じて無償で大金をヨンギュに工面する。示談は済んだものの、そのことを知った継父から再び暴力を振るわれたヨンギュは顔に大きな傷を負い、稼ぎに必要だったでの出前のバイトもクビになってしまう。行き場を失ったヨンギュはチゴンらの高利貸の事務所の門を叩き、盗みや暴力、そしてそれ以上を求められる闇の道に足を踏み入れてしまうのだが…。

■見どころ

2023年10月11日に韓国で封切りとなった本作は12月時点で観客数26.4万名を記録し、近年の韓国のノワール系映画の中で、目に見えて暗鬱で真剣な雰囲気と物語を醸し出し、ホン·サビン、キム·ヒョンソなどの新世代の俳優たちの演技力が全て秀麗で没入感が高い、ソン·ジュンギの暗い役もバランスがよく取れていると高評価を得た。

ソン・ジュンギといえば「トキメキ☆成均館スキャンダル」「太陽の末裔〜Love Under The Sun〜」などで日本のファンからも人気が高いが、本作では新たな一面を見せ新境地を開拓した。

非合法組織の一員という役柄では「ヴィンチェンツォ」でのイタリアで育てられた孤高のマフィア・ヴィンチェンツォ役に通じるものがあるが、本作で彼が演じるチゴンの役柄からはヴィンチェンツォが持っていたクールな裏のコミカルさや愛嬌は一切排除され、言葉も少なく何を考えているのかを汲み取るのが難しい独特な雰囲気を漂わせている。それゆえ彼がヨンギュに対するシンパシーや不器用な優しさを強調し、物語の核心にも影響を及ぼしている。

ソン・ジュンギは脚本に惚れ込み自ら出演を希望したこの作品が公開された後、Netflix映画『ロ・ギワン』では北朝鮮から母親との悲しい別れを経て全く見知らぬベルギーに渡り逞しく生きていく主人公ロ・ギワンを演じるなど甘美で英雄的な役柄から抜け出し、より人間味を強調した作品に挑戦を続け、マルチプレイヤーとしての可能性を広げる彼が今後どのような役柄を披露してくれるのかファンの期待を膨らませている。

映画『このろくでもない世界で（原題：ファラン）』は、キム・チャンフン監督の初長編作品で、ソン・ジュンギ、ホン・サビン、キム・ヒョンソの熱演が光る。7月26日より全国公開されるこの映画は、必見の一作だ。

＜映画祭出品＆賞情報＞

第76回カンヌ国際映画祭　「ある視点」部門正式出品
第28回　釜山国際映画祭　「Korean Cinema Today – Special Premiere」
第44回　青龍映画賞受賞＜人気スター賞：ソン・ジュンギ／新人男優賞：ホン・サビン＞
第22回　ディレクターズ・カット・アワード受賞＜新人男優賞：ホン・サビン＞
第60回百想芸術大賞　映画部門　新人演技賞（女性）受賞：キム・ヒョンソ
＜助演賞（男性）：ソン・ジュンギ／新人演技賞（男性）：ホン・サビン／新人監督賞：キム・チャンフン＞ノミネート

★7月26日（金）TOHOシネマズシャンテほか全国公開

■作品概要

監督・脚本：キム・チャンフン（初長編監督作品）
出演：ホン・サビン、ソン・ジュンギ、キム・ヒョンソ（BIBI）
配給・宣伝：ハピネットファントム・スタジオ　
公式HP：happinet-phantom.com/hopeless　　X：＠hopeless_movie
2023年／韓国／カラー／シネマスコープ／5.1ch／原題：화란／英題：HOPELESS／123分／字幕翻訳：本田恵子／R15＋

◇公式HP
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