菅田将暉と三宅健が“⿐キレイ”トークで大盛り上がり【『サンセット・サンライズ』完成披露試写会レポート】
映画『サンセット・サンライズ』の完成披露試写会が12月9日(月)に都内劇場で開催され、菅田将暉、井上真央、三宅健、山本浩司、好井まさお、岸善幸監督が上映前の舞台挨拶に登壇した。映画公式サイトで予告動画が公開中だ。
映画『サンセット・サンライズ』完成披露試写会
【日時】112月9日(月) 18:30〜19:10(上映前)
【会場】丸の内ピカデリー スクリーン1(千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン9F)
【登壇者】菅田将暉、井上真央、三宅健、山本浩司、好井まさお、岸善幸監督
第37回東京国際映画祭ガラ・セレクション部⾨招待作品として選出された、映画『サンセット・サンライズ』(2025年1⽉17⽇公開)。
本作は、書いたドラマは必ず注⽬を集め期待と信頼を⼀⾝に浴びる宮藤官九郎が脚本を担当し、2023年の『正欲』で第36回東京国際映画祭最優秀監督賞と観客賞を受賞した岸善幸が監督。ともに東北出⾝でもあるふたりの異⾊のコラボレーションから⽣まれた本作は、『あゝ、荒野』(17)で⽇本アカデミー賞最優秀主演男優賞ほか数々の映画賞を受賞して以来7年ぶりに岸監督とタッグを組んだ菅⽥将暉を主演に迎え、都会から移住した釣り好きサラリーマン⻄尾晋作と、宮城県・南三陸で⽣きる住⺠との交流や、⼈々の⼒強さや温かさをユーモアたっぷりに描き、その背景にあるコロナ禍の⽇本、過疎化に悩む地⽅、震災などの社会問題と向き合いながら豊かなエンターテインメントに転化させたヒューマン・コメディ。
観客の⼤歓声に迎えられた中始まったトークセッションでは、ひとりが話し始めると複数⼈がワイワイと突っ込むーといった具合で、撮影現場で育んできたチームの和気あいあいとした空気を窺わせる雰囲気からスタート。
東京から三陸地⽅にお試し移住するサラリーマンの晋作を演じた菅⽥は「先⽇、さかなクンと会ったんです」と明かし、「『釣りの映画をやりました』と宣伝したら『⿂は釣りましたか︖』と聞かれたんで『オウゴンムラソイを釣りました』って⾔ったら、5秒くらい間があってー『ギョギョッ︕』って⾔ってくれて︕」「『さすがです。オウゴンムラソイはレアで…』と5分くらい、何を⾔ってるかわからないくらい興奮してくれました笑。釣り好き、⿂好きの⼈にも興奮してもらえる映画です︕」と⼒強く語る。
晋作がお試し移住する家の⼤家で、役所に勤めるみんなの“アイドル”百⾹を演じた井上は「モテモテでした(笑)。『モテるな、モモちゃん』と思いながら、気持ちよくやらせていだたきました」とニッコリ。⿂を⾒事にさばくシーンもあり「釣った⿂を、当たり前のように<バーッと>料理する役なので、⼤変でした。撮影に⼊る前に菅⽥さんと練習したので、そのさばきをぜひ⾒てほしいです」と語り、さらに、劇中の⾼速なめろう造りのシーンに触れ「私、芸能界⼀、なめろうづくりが早いと思います︕」とアピール︕ 菅⽥からは「職⼈芸です。なめろう⼥優(笑)︕」と声がかかり、共演陣からも「井上なめろう︕」と声援(︖)が⾶び、会場は笑いに包まれることに。
現場での印象深い出来事や⼤変だったことを尋ねられると、菅⽥は「思い出というか、謝罪に近いんですが…」と断った上で、「⼭本浩司(やまもとひろし)さんを⼭本浩司(こうじ)って呼んでしまいました(苦笑)。『下の名前で呼んで仲良くなろう』として間違えるという…」と謝罪。⼭本は「よくあることです」と気にしていない様⼦だったが、実は、2⼈の共演は今回が初めてではなく、同じく岸監督の『あゝ、荒野』に続いてということで、菅⽥は「2作をまたいで…(苦笑)」と恐縮しきりだった。
“モモちゃんの幸せを祈る会”のメンバーのタケを演じた三宅は「(タケは)ちょっと気が短いタイプで、晋作につっかかったりするんです。普段、あんまり怒らないんで頑張ってやりました」とこれまでにない役柄を楽しんだ模様。同じく“モモちゃんの幸せを祈る会”のメンバーを演じた⼭本、好井、この⽇は⽋席となった⽵原ピストルらとは現場で熱い友情を育んだと⾔い、好井は「お⾵呂場でもみんな⼀緒でした。三宅さんは隠さないので、さらけ出してくれることで、暑苦しい友情が⽣まれました(笑)」と裸の付き合いの効能を明かす。
ちなみに、菅⽥は現場に全員分のTシャツを差し⼊れしたそうで、三宅は「すごくかわいくて気に⼊ってて、ずっと(⾃⾝の)ツアーでも着てました」「ピストルさんも気に⼊っていて、“モモちゃんの幸せを祈る会”のメンバーで集まる時も着てくるし、僕のコンサートに来た時も、なぜか菅⽥くんのつくったTシャツで…(笑)」と明かしていた。
井上は、菅⽥以外の⾯々がクランクアップとなったシーンの撮影で、あと1カットを残して突然の⾬に⾒舞われた際のエピソードを披露。「みんなで⾬宿りをしてたんですが、時間との戦いで…。隣に菅⽥くんがいたんですけど『いや、もうすぐ、やむんじゃないですかね︖』って(菅⽥が)⾔ったら、本当に5分くらいですーっとやんできて、パッと⾒たら菅⽥くんの後ろに虹が出てたんです。頭の中で(菅⽥の歌う)『虹』が流れましたよ︕ 『スターだ︕』と思いました」と興奮気味に語った。
三宅は、初共演となった菅⽥について「隣で⾒ると、こんなに⿐が(⾃⾝にとって)好きな⼈はいないなってくらい、⿐がめちゃキレイ」と菅⽥の⿐を絶賛。これに対し“⿐フェチ”を⾃認する菅⽥も「井上さんも三宅さんもすごく⿐がきれいです。ずっと⾒てました」と返し、これに三宅が「いや、絶対にそっちの⿐のほうがキレイ。こんな⿐の⼈、いないから︕」となぜか2⼈で延々と“⿐キレイ”トークを繰り広げ、好井は「これ⼀⽣聞いていられるな…」としみじみと語り、会場は笑いに包まれていた。
さらに、フリップを使ったトークコーナーでは、映画にちなんで登壇陣それぞれの「⾃分なりの幸せ」について質問。菅⽥は「無の時間」を書かれたフリップを掲げ「エレベーターを待っている時だったり、突然訪れる“何でもない時間”がすごく好きです」と多忙なさなかに訪れるふとした無の瞬間が幸せだと語る。
井上は「アオムシの成⻑を⾒守ること」と明かし「ベランダにレモンの鉢植えがいくつかあって、たぶんアゲハチョウなんですけど、毎回、卵を産み付けるんです。徐々に育っていくんですが、すごくかわいいんですよ︕」「 だんだん⼤きくなっていく成⻑がかわいい。レモンの葉っぱをたくさん⾷べるんですけど、かわいいから駆除できないんです(苦笑)。⼀⽣懸命、⽔をあげて(葉を)増やそうとするけど、レモンを育てているのか︖ アオムシ育てているのか…︖ たぶん、チョウの中での⼝コミがあって『あそこのレモンの葉はいいぞ』と広まるのか…(笑)、すごい来るんですよ。『あのアオムシくんかな︖』と思うとほっこりします。レモンは全然ならないんですけど(笑)、癒しの時間になってます」と熱く語ってくれた。
三宅は<⼀京>と書かれたフリップを⾒せたが、これは「⼀京円(※⼀千兆円の10倍)のお⾦」の意味だそうで「⼀京あったら幸せです。なんだってできる。困っている⼈、みんなを助けられるから、みんな幸せになれる︕」と熱弁。菅⽥から「もう持っていらっしゃるんですか︖」とツッコミが⼊ると「まだ(笑)。これから通帳に振り込まれる予定です」と語っていた。
⼭本は「チップチューン(昔のコンピュータ⾳楽)を聴きながらドット絵を描いている時」という⾃分なりの幸せの時間を明かし、これには菅⽥も「いいですねぇ」と共感、三宅も「いろんな幸せがあるんだねぇ」としみじみ。
そして「家族から雑に扱われる」と書いたのは、好井。仕事が⼊ってしまった好井を除いて、9歳の双⼦の娘たちと妻の3⼈がUSJ に遊びに⾏った際のエピソードを明かし「『何でも買っていいけど、ハリー・ポッターのボールペンだけは買ってきて』とお願いしてたんですよ、⼤好きだから。で、2泊3⽇で帰ってきたんですけど、⾒たことないキャラクターの4本⼊りのシャーペンを買ってきた…(苦笑)。」「『ボールペンじゃないし、ハリー・ポッターじゃないし、雑過ぎる︕』と⾔ったら、娘が『まあいいじゃん』と⾔って、もう⼀⼈の娘も『もういいでしょ、パパ』って⾔うし、奥さんも『もういいじゃん』って。『それより⾒て︕』って買ったものの包装を開けて、ゴミを僕に渡すんです。『いや、ゴン箱ちゃうから︕』って⾔ったら、娘が『パパ、ゴン箱じゃなくてゴミ箱︕』って。幸せやなぁ…って」と家族との幸福なやりとりを明かし、菅⽥らも「いい話ですねぇ」とうなずいていた。
最後に岸監督は「ラーメンの検索、実⾷」というストレートな答えが書かれたフリップを⾒せ、ある時、ショウガの利いたスープのラーメンを⾷べたところ「ちょうどその後、菅⽥さんと会うタイミングで『ラーメン⾷べて来たでしょ︖』とすぐにバレました(笑)」と笑みを浮かべた。
舞台挨拶の最後に、岸監督は「この作品は、笑って、笑って、本当に笑って、最後にホロっとする映画です。脚本の宮藤官九郎さん⼒を借りて、⼈と⼈がつながる時に必要なことを⼀⽣懸命、スタッフ・キャストが⼀丸となって作った映画です」と語り、菅⽥は「個⼈的には、ご飯がすごくおいしそうな映画なんで、⾷べたくなったら南三陸地⽅にも⾜を運んでいただければと思います」と呼びかけ、温かい拍⼿の中、舞台挨拶は幕を閉じた。
東京のサラリーマンが4LDK・家賃6万円の神物件に“お試し移住”してみたら、まさかの⼈⽣が待っていた︕︖ 映画『サンセット・サンライズ』は、2025年1⽉17⽇全国公開。
◇映画公式サイト