【最終回ネタバレ】「宙わたる教室」窪田正孝の夢が現実に…小林虎之介の学会発表に涙が止まらない(第10話見逃し配信)

2024年12月10日23時15分ドラマ
画像:NHK「宙わたる教室」より

12月10日、いつもより30分遅い放送となったNHKドラマ10「宙わたる教室」(火曜22時ほか)最終回の第10話は、岳人(小林虎之介)と佳純(伊東蒼)が学会発表の舞台に立ち、「その気になれば何だってできる」ことを藤竹(窪田正孝)に見せた。NHKプラスで1週間見逃し配信する。最終回のあらすじと見どころ・感想を紹介する



「宙わたる教室」は、実話に着想を得た伊与原新の同名小説を実写化。物語の舞台は、東新宿の夜間定時制高校。窪田正孝演じる理科教師・藤竹叶(窪田正孝)の声かけで発足する科学部の「実験」を通じて、生徒のみならず、先生やJAXA職員までもが、自身の抱える古傷、障害、因縁と向き合い、人生の再起に挑む。
生徒たち紹介
【全話あらすじと見どころ】

■第10話(最終回)「消えない星」のあらすじ(ネタバレ)
科学部を立ち上げた理由を藤竹が明かしたことで、メンバーの結束が深まり、学会発表へのエントリーにも成功する。92校中15校の発表者に選ばれ、岳人と佳純が代表として発表を担当することになった。

そんな中、藤竹は恩師・伊之瀬(長谷川初範)からNASAの主任研究員ノア・ラングレーへの招待を受け、カリフォルニアでの研究参加を打診される。逡巡する藤竹を見守る岳人の視線が印象的だった。

一方、発表を控えた部員たちは英語教諭・木内(田中哲司)の指導のもと、練習に励む。家では佳純の姉が練習に付き合ってくれ、学校では同級生たちが温かく見守る中で、科学部は一致団結して発表に臨む準備を整えた。

発表当日、クラスメートたちが駆けつけ、JAXA職員の相澤(中村蒼紫)も見守る中、岳人と佳純が堂々と壇上に立つ。「『火星重力下でランパート・クレータを再現する』東新宿高校定時制高校」のアナウンスに会場がざわつく中、普段着の2人の発表が始まった。

「私たちは教室に火星を作ることに成功しました!」の掴みで会場は岳人に注目し、重力可変装置やランパート・クレータの落下映像では会場からどよめきが起きた。しかし、発表の終盤で岳人が一瞬言葉を詰まるハプニングが発生。そのまま質疑応答へ。手を上げたのは石神教授(高島礼子)だった。

「この実験をしようと思ったのはなぜですか」という質問に対して岳人は、「教室に火星を作ってみたいと思ったけど、どうすればいいのか全くわからなかったし、何度も諦めそうになりました。でも手を動かすうちにその気にさせられていました。科学の世界と無縁だった俺を物理準備室の扉の前に連れてきたのは、顧問の先生です」とこれまでを振り返った。そして「気づけばここにいました。先生に誘われなければこの場所にも、あなたにも会っていません。僕たちの実験は今日、みんなの実験になりました。まだ終わらせたくありません…だから、いま皆さんとすごく話したい。どうすればもっと良くなるのか、一緒に考えてください」岳人の正直な想いに割れんばかりの拍手が起こった。

発表後、藤竹は岳人を称賛し、岳人は一瞬沈黙したのは「肩書も見た目の関係ない。俺たちを認めてくれたから」と感動を伝え、「この実験をまだ終わらせたくない」と新たな目標を語った。

石神が藤竹に声をかけ、「理想論だけでは世の中は甘くないけれど、あなたたちのような存在も必要なのでしょう」と語った。それに対し、岳人は「どんな人間にも必ず可能性があると信じています」と答えた。石神は「次に会う時を楽しみにしています」と言い残し、その場を去った。

表彰式では奨励賞を逃したがそれ以上の優秀賞に輝き、メンバーは喜びを分かち合った。打ち上げに向かう途中、佳純は「最優秀賞」を取りたかったと悔し涙を流し、岳人は「来年な!」と笑顔で答えた。

その時、JAXAの相澤から「しののめ探査機を作るための基礎実験を一緒にやってくれないか」と共同実験の提案を受け、部員たちは「もっと挑戦したい」と意欲を燃やした。長嶺(イッセー尾形)は藤竹が相澤を誘ったと勘付き、「相変わらず食えん男だな」と告げた。藤竹のアメリカで見た夢、そして実験が成功した瞬間だった

岳人は藤竹に「学校をやめるのか」と問いかけ、「あんたが教室に青空を作りたいと言った時、最初は無理だと思ったけど、本当はあんたが見てた青空が見えたよ」と伝え、「ワクワクすることは止められない。あんたに会う前より、今の世界の方が好きだ」と藤竹の背中を押した。藤竹は「そっくりそのままお返しします」と手を差し出し、岳人と握手して感謝を伝えた。



■見どころ、感想など
この回では、第3話で佳純と共に保健室登校をしていた松谷真耶(菊池姫奈)も家族と離れて、自立に向けて働き始めていたことが養護教諭の佐久間(木村文乃)から佳純に伝えられた。

最終回は、教室から始まった小さな挑戦が、生徒たちの成長や周囲の心を動かし、大きな可能性へとつながる姿を描き、アメリカで見た藤竹の夢であり実験を成功させた。藤竹が岳人を科学部に誘った時の「この学校には、何だってある」ということば、その気にさせたことを一時は悔やんだ藤竹だったが、「その気になれば何だってできる」ことを、岳人たちが証明してくれた。

特に学習障害「ディスレクシア」を抱えている岳人と「起立性調節障害」の佳純の立派な学会発表は見ていて涙が止まらなかった。ドラマ「宙わたる教室」のラストは、原作に負けない温かい人間ドラマと科学への情熱が共鳴し合う、希望に満ちた締めくくりだった。

NHK「宙わたる教室」番組サイト

ドラマ10「宙わたる教室」
【放送予定】2024年10月8日(火)~12月10日〈全10回〉
総合テレビ 毎週火曜 夜10:00〜10:45
BSP4K 毎週火曜 午後6:15〜7:00
[再放送] 総合テレビ 毎週金曜 午前0:35〜1:20 ※木曜深夜

【原作】伊与原新 「宙わたる教室」(第70回「青少年読書感想文全国コンクール」課題図書・高等学校の部に選出)
【脚本】澤井香織
【出演】窪田正孝 小林虎之介 伊東蒼 ガウ/田中哲司 木村文乃/中村蒼 イッセー尾形 他
【演出】吉川久岳(ランプ)、一色隆司(NHK エンタープライズ)、山下和徳
【制作統括】橋立聖史(ランプ)、神林伸太郎(NHK エンタープライズ)、渡辺悟(NHK)

【2024年秋ドラマ紹介】【関連記事・各話のあらすじ】