金馬獎2冠受賞の衝撃作『石門』激賞レビューと場面写真7点公開

12月19日09時00分映画

映画『石門』(2022)は、第60回台北金馬獎で日本資本の映画として初めて《最優秀作品賞》を受賞し、《最優秀編集賞》との2冠を達成した。2025年2月28日(金)から、ラビットハウスの配給で全国順次公開される。本作は、海外メディアから高く評価され、7点の場面写真とともに解禁された。香港版オフィシャル予告はYouTubeにて公開中だ(日本語字幕なし)。



『石門』は、米批評サイト「ロッテントマト」で批評家94%、観客100%の支持を得ており、世界各地で絶賛されている。また、「金馬獎」で作品賞と編集賞を受賞し、ベネチア国際映画祭「ベニス・デイズ部門」やトロント、香港、BFIロンドン、ニューヨークなどの主要映画祭でも高評価を受け、8つの賞を受賞し、11ノミネートを果たしている。

監督のホアン・ジーと大塚竜治は、中国で表現に制限が多い中、女性の性を描いた作品を作り続けてきた先駆者である。彼らの前作『卵と石』や『フーリッシュ・バード』も、女性の視点と社会的タブーに挑戦した内容であった。

『石門』は、望まぬ妊娠に直面した女性を通じて、現代の社会問題を描いている。海外メディアはその描写に驚嘆しており、Los Angeles Timesは「女性という性の犠牲を静かに打ちのめされる」と評し、The New York Timesは金銭社会の闇をシュールな喜劇として描きながら恐怖を突きつけると指摘している。The Korea Timesは、本作が描く女性の物語が全世界共通の課題であると共感を呼んでいると評価している。

石門
合わせて、映画『石門』の場面写真7点も解禁された。記事トップの写真は、望まぬ妊娠に直面した20歳のリンが携帯電話を見つめる場面。次に、妊娠1ヶ月を告げられたリンが超音波検査を受けるシーン。続いて、恋人と故郷で再会する場面や、母と一緒にバスに乗るシーンなどがある。最後の場面では、家族が談笑する中でリンが微笑んでおり、コロナ禍のリアルも描かれている。

『石門』参加映画祭(受賞)一覧
ベネチア国際映画祭・ベニス・デイズ部門
パームスプリングス国際映画祭
トロント国際映画祭
ヨーテボリ映画祭
ニューヨーク映画祭
香港国際映画祭/火の鳥賞、最優秀女優賞、
BFIロンドン国際映画祭
国際批評家連盟賞
サンディエゴ・アジア映画祭
全州国際映画祭/NETPAC賞
バンクーバー国際映画祭
台北映画祭
東京フィルメックス国際映画祭
メルボルン国際映画祭
ウィーン国際映画祭
ニューホライズン国際映画祭
ハワイ国際映画祭
台北金馬獎/最優秀作品賞・最優秀編集賞
バンコク世界映画祭/最優秀脚本賞



『石門』あらすじ
2019年、中国湖南省の長沙市。単発の仕事で日々お金を稼ぎながら、フライトアテンダントになるための勉強をしている20歳のリン。郊外で診療所を営んでいる両親は、死産の責任を求めて賠償金を迫られていた。ある日リンは、自分が妊娠一ヶ月であることを知る。子供を持つことも中絶することも望まなかったリンは、両親を助けるため賠償金の代わりにこの子供を提供することを思いつくのだが…。

『石門』<作品情報>
監督:ホアン・ジー 大塚竜治
出演:ヤオ・ホングイ リウ・ロン シャオ・ズーロン ホアン・シャオション リウ・ガン
2022/日本/中国語/2時間28分/DCP/原題:石門/英題: Stonewalling/配給:ラビットハウス
©YGP-FILM 公式HP: https://stonewalling.jp/ 公式X: https://x.com/usaginoie_film

★中華圏のアカデミー賞 金馬獎とは
『石門』は昨年 11 月に行われた金馬獎(審査委員長アン・リー)で日本資本の映画として初めて作品賞を受賞した。台湾で行われる同賞の過去の作品賞には、1991年の『牯嶺街少年殺人事件』(エドワード・ヤン)、2000年の『グリーン・デスティニー』(アン・リー)、03年の『インファナル・アフェア』(アンドリュー・ラウ)、07年の『ラスト・コーション』(アン・リー)、20年の『1秒先の彼女』(チェン・ユーシュン)などがあり、監督賞では、前述の各監督の他、キン・フー、ツイ・ハーク、ジョン・ウー、ホウ・シャオシェン、ウォン・カーウァイ、アン・リー、ツァイ・ミンリャン、チャン・イーモウら、アジアを代表する錚々たる監督が名を連ねている。

■タイトル:『石門』
■コピーライト表記:(c)YGP-FILM
■配給:ラビットハウス
■2025年2月28日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、シネリーブル池袋ほか
全国順次公開

YouTube【 《石門》Stonewalling 】香港版 正式預告 Official Trailer