「東京サラダボウル」松田龍平、“あなたは最高の警察官だ” 奈緒への賛辞に視聴者共感【最終回ネタバレ】

03月04日22時59分ドラマ
画像提供:NHKより

3月4日(火)に放送したNHKドラマ10「東京サラダボウル」第9話(最終回)「Love and lettuce!」では、織田(中村蒼)が残したリンモンチ(李丹)の取り調べの映像データが見つかり、織田の死の真相とボランティアという人身売買の組織の存在が明らかになった。そして、麻里(奈緒)と有木野(松田龍平)は新しい第一歩を踏み出した。この回のあらすじと見どころを紹介する。



「東京サラダボウル」は、小説『東京サラダボウルー国際捜査事件簿―』(黒丸)が原作。異なる言語、食、文化が同居する“サラダボウル”の大都市で、ミドリ髪の国際捜査の警察官・鴻田麻里(奈緒)&ワケありの通訳人・有木野了(松田龍平)のコンビが日本社会からこぼれ落ちそうな人生を拾っていく社会派エンターテインメント。⇒【全話ネタバレあらすじ・関連記事】

■第9話「Love and lettuce!」あらすじ(ネタバレ)
ついに有木野は、いままで誰にも話さなかった最愛の人・織田について麻里に話した。有木野は織田を失った悲しみと阿川(三上博史)と警察への憎しみから警察を辞職し、阿川を監視するため警視庁の通訳人となった。それは最愛の人を見捨ててしまった自責の念でもあった。

一方、麻里も、織田が亡くなる10日前、週刊誌が記事を出す直前に、織田と阿川がリンモンチの取り調べをしていたことを有木野に伝えた。有木野がその映像は見ていなかったことから、そこに織田の死の真相と阿川の秘密が隠されていると考える。

二人は織田の妹を訪ね、彼の遺品のライターに隠されていたメモリーカードを発見。その中には、織田と阿川が取り調べたリンモンチの映像が残されていた。リンモンチは阿川を「警察のくせに人殺し」と非難し、自分を釈放しないと、「阿川が不法滞在者を釈放し、ボランティアに売り渡していたことを暴露する」と脅迫していた。これで阿川が人身売買に加担していたことが明らかになった。

麻里は阿川を問い詰めると、彼は過去を語り始める。言葉の壁に苦しむ人々を助けるため国際捜査係の刑事になったものの、彼らの抱える闇を知るうちにボランティアと関わるようになり、次第にカネや人を取引するようになった。そして47人の不法滞在者を売り渡しただけでなく、織田をも脅迫し、彼を死に追いやったのだった。阿川は自らの罪を認め、その後、麻里に「自供書」となる手紙を残し、警察にはボランティアの幹部の集会情報を伝えた。

手紙にはすべての罪の自供と、最後に織田にリンモンチの映像データを表に出せば、織田と有木野の関係を暴露すると脅したと記されていた。織田は有木野を守ろうと自らの命を絶った。

阿川はボランティアことシウ(絃瀬聡一)に接触し、「もう終わりにしないか」と説得を試みる。そこに麻里が駆けつけると、シウはナイフで阿川の首を切り裂いた。シウは駆け付けた刑事たちに取り押さえられ、麻里は必死の応急処置を施し、阿川は病院へ搬送された。命は取り留めたものの、意識が戻るかは不明だった。一方、シウは逮捕されるも「自分はボランティアの一員にすぎない」と語り、組織の詳細については沈黙を貫いた。だが、警察は国内で人身売買組織「ボランティア」が活動していることを確認し、本格的な捜査に乗り出す。

その後、通訳センターでは「ボランティアは多国籍組織で、これから通訳の仕事が増えるだろう」と語る有木野に、同僚たちは驚きつつも頼もしさを感じていた。有木野は織田の墓前で「もう通訳人を辞めるつもりだったが、力になりたい人がいるから続けることにした」と語り、『O.SATORU』のネームの付いたボトルを供えた。麻里もまた、姉のように慕った韓国のオンニが描いた絵に、新しい一歩を踏み出すことを報告した。



■見どころ・感想
有木野の告白は、麻里の家で行われた。深刻な話の前に、麻里はビッグサイズの部屋着を着せて有木野をからかう。その何気ないやりとりが功を奏し、有木野はこれまで誰にも語れなかった過去をすべて打ち明けることができた。彼が一晩麻里の家に泊まり、平常心を取り戻したことは、前回ラストで「アンタ」呼んでいたのが「あなた」に戻ったことからも明らかだった。

最終回では、東新宿署・国際捜査係の飯山統括係長(皆川猿時)が、本庁の国際捜査課へ栄転することに。彼はかつて「あのレタス頭」と呼んでいた麻里をスカウトする。麻里は「こぼれカス」事件の調査にやりがいを感じていたが、有木野は「心のままに決めればいい」と背中を押しつつ、「あなたには大きな舞台に立つ権利がある」と応援する。さらに、「少なくとも俺が知る限り、あなたは最高の警察官だ」という最大級の賛辞を送るが、ヘルメットをかぶっていた麻里には聞こえなかったようだ。それでも、この言葉が彼女の新たな第一歩を後押ししたのは間違いない。

エンディングでは、初出勤の遅刻を心配して迎えに来た有木野に、麻里が一枚の名刺を手渡す。そこには「警視庁組織犯罪対策部 国際犯罪対策課 巡査部長 鴻田麻里」と記されていた。そして飯山は、もう一人の助っ人として有木野を選んでいた。新しい職場でも抜群の『郎才女貌※』コンビを発揮しそうな二人。続編を期待したい。
※「郎才女貌」は、新郎は才気にあふれ新婦は美貌の持ち主で似合いのカップルであるの意。

■ドラマ10「東京サラダボウル」
【放送予定】2025年1月7日(火)~3月4日 <全9回>
総合 毎週火曜 22:00〜22:45
BSP4K 毎週火曜 18:15〜19:00
[再放送] 総合 毎週木曜 24:35
【原作】黒丸 「東京サラダボウルー国際捜査事件簿―」
【出演】奈緒 松田龍平
中村蒼 武田玲奈 中川大輔 絃瀬聡一 ノムラフッソ 関口メンディー 朝井大智 張翰 許莉廷 喬湲媛 Nguyen Truong Khang 阿部進之介 平原テツ イモトアヤコ 皆川猿時 三上博史
【演出】津田温子(NHKエンタープライズ) 川井隼人 水元泰嗣
【制作統括】家冨未央(NHKエンタープライズ) 磯智明(NHK)
【プロデューサー】中川聡子

NHK「東京サラダボウル」HP

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