NHKスペシャル4月13日「密着“国債発行チーム”」、国債発行の最前線に半年間密着

04月09日22時51分政治・経済

NHKスペシャル放送100年を記念した大型シリーズ『未完のバトン』4月13日(日)第1回では、国債発行の最前線に立つチームに約半年間密着、日本国債をめぐる苦闘と、この国の未来を見つめる「密着“国債発行チーム”」をNHK総合・NHKプラスで放送。



日本が抱える深刻な課題に、現場で奮闘する人々の姿に光を当てる、放送100年を記念した大型シリーズ『未完のバトン』。このシリーズは、時代を超えて受け継がれる日本社会の宿題に向き合い、私たち一人ひとりがその課題とどう関わるべきかを問いかける。第1回のテーマは、「日本国債」。私たちの暮らしを根底で支える存在でありながら、その仕組みや現状があまり知られていないこのテーマに、番組は真正面から迫る。

国債は、医療、福祉、教育、インフラ整備といった、日々の生活に直結する公共サービスの財源として重要な役割を果たしている。しかし一方で、発行残高は今や1100兆円を超え、国の借金として膨らみ続けている。かつてない規模に達したこの債務が、今後の日本経済にどのような影響をもたらすのか。番組では、その最前線で苦悩と葛藤を抱えながら職務にあたる人々の姿を描く。

近年、日本国債をめぐる状況は大きな転換点を迎えている。2023年、国債の最大の買い手であった日本銀行が、長らく続けてきた大規模な国債買い入れ政策を見直す方針を発表。あわせて、ついに政策金利の引き上げにも踏み切り、日本は長らく続いた“ゼロ金利時代”から「金利のある世界」へと舵を切った。この政策変更は、国債発行の在り方にも大きな影響を及ぼしている。

番組は、国債発行を実際に担っている財務省・国債企画課に密着。発行スケジュールの調整、金利動向の分析、投資家への説明といった日々の業務は緊張の連続である。市場の動きを見極めながら、国債を安定的に発行し続けるには、高度な専門知識と冷静な判断力が不可欠だ。

番組取材班は、日本国内だけでなく、国債を購入する海外の投資家との交渉の現場にもカメラを向けた。舞台は中東。巨額のオイルマネーを背景に世界の金融市場を動かす現地の投資ファンドを訪ね、日本国債への投資を呼びかける財務省の交渉チームに同行した。面談の場では、日本の財政再建の道筋や経済成長の見通しといった、核心を突く鋭い質問が次々に飛ぶ。日本の“信用”を象徴する国債。その価値をいかにして守り、未来に繋げるのか。交渉の一言一句に、国家の信頼がかかっている。

一方で、国債発行を担う財務省には、国民からの厳しい視線も注がれている。「失われた30年」と呼ばれる長期の経済停滞の中で、暮らしは良くなった実感が持てず、「財政運営に根本的な誤りがあるのではないか」との声も少なくない。日本が積み重ねてきた膨大な借金は、本当に“未来への投資”なのか、それとも“ツケの先送り”なのか。答えのない問いが、いま浮き彫りになっている。

番組では、複雑に入り組んだ国債の仕組みや金融政策の舞台裏を丁寧に解きほぐしながら、決して派手ではないが確かに「未来の日本」を背負って働く人々の姿を描き出す。現場のリアルに触れることで、私たち一人ひとりが自分自身の未来にどのような「バトン」を受け取り、どう走っていくのか。そのヒントがここにある。

・成清 洸太ディレクター コメント (取材・制作担当)
数年前に第1子が生まれ、出産時の補助や児童手当など、様々な行政サービスを受けました。一方で、こうした費用がどのように賄われているのか。財源の少なくない部分が国債で賄われている現状で、自分の子どもが大人になったとき、こうした支援は続いているのだろうか。国債を考えることは、未来を考えることにつながると思い、今回「国債」をテーマに選びました。

NHK スペシャル 未完のバトン
第1回「密着“国債発行チーム”」
4月13日(日)21時~21時49分 NHK総合・NHKプラス

---NHK+(プラス)---
NHK総合とEテレの番組についてネット配信を行うサービス
NHKの視聴契約を行っている方は、登録するだけで視聴可
NHK+(プラス)