「あきない世傳 金と銀2」第4話:七代目・幸(小芝風花)、江戸へ…絹と木綿で勝負【ネタバレあり】

4月27日(日)放送のNHK(BS/BSP4K)時代劇「あきない世傳 金と銀」シーズン2・第4話では、若くして夫を亡くした幸が、五鈴屋の七代目として立ち上がるまでの葛藤と覚悟が丁寧に描かれた。番組ホームページにて予告動画も公開中だ。
「あきない世傳」は、髙田郁の時代小説のシリーズが原作。江戸中期、兄と父を亡くし大坂天満の呉服商に奉公に出た学者の娘・幸(さち)が商才を発揮し商人へと成長する物語。⇒【全話あらすじ・関連記事】
※シーズン1を視聴されていない方は、こちら「シーズン1」振り返りを参考にどうぞ。
■キャスト
小芝風花(主人公・幸)
松本怜生(五鈴屋六代目店主・智蔵)
泉澤祐希(桔梗屋番頭・周助)※S2より
朝倉あき(五鈴屋元ご寮さん・菊栄)※S2より
いしのようこ(五鈴屋女衆・お竹)
内藤理沙(五鈴屋女衆・お梅)
八嶋智人(五鈴屋本店番頭・鉄助)
舘ひろし(治兵衛・元五鈴屋番頭)
■第4話「七代目の店主」
寛延三年春、五鈴屋の店主・智蔵が急死し、妻・幸は深い悲しみの中でも涙を見せず、商いに力を注ぐ。その姿に妹の結は「心がないのか」と憤るが、幸は五鈴屋を守るために気丈に振る舞っていた。店の掟では女主人は認められず、血筋を引く行方不明の惣次しか跡継ぎ候補がいない。鉄助(八嶋智人)は智蔵より年上のために養子に迎えることができず、行き詰まりを感じる。
そんな折、弔問に訪れた人形遣いの亀三(星田英利)が、智蔵が「女主人禁止の掟がない江戸なら、自分にもしものことがあっても、幸は再婚せず商いができる」と、江戸出店を語っていたことを明かす。その夜、幸は智蔵を思って初めて涙を流し、智蔵の幻が「一緒に江戸に行きまひょな」と優しく語りかける。
江戸調査を終えた佐七(葵揚)と賢吉(佐久間悠)から報告を受けた幸は、奉公人を前に「七代目はわてが継ぎとうおます」と宣言。10年前に船場で女性店主が認められた例を挙げ、江戸出店を前提に3年間だけでも店を守らせてほしいと訴える。呉服仲間の反発は大きいが、松橋屋が「どの店でも跡継ぎ問題は起こり得る」と幸を擁護。幸も頭を下げて願い、最終的に会所から承認を得る。
江戸進出に向けて動き始めた幸は、日本橋の呉服店の規模に圧倒されながらも、競争の少ない場所探しを佐七たちに指示する。妹の結は、そんな姉の姿に触れ、自らの未熟さを認め涙ながらに謝罪する。幸は結の着物に目をとめ、木綿の魅力を再認識。江戸では木綿と絹を扱う店の垣根が曖昧である可能性に気づき、商機を感じる。
夏、津門村の彦太夫(板尾創路)に柔らかく丈夫な木綿で小風呂敷の製作を依頼。これは七代目披露目の品であり、江戸での太物商いへの布石でもあった。9月、完成した小風呂敷と共に、智蔵が選んだ桑(くわ=濃い紫色)の実の着物に黄檗(おうばく=緑みの明るい黄色)の帯を身にまとい、披露目の式に臨む。
翌年、江戸の佐七から浅草田原町の太物店・白雲屋が売りに出されているとの知らせが届く。幸は初代店主と同郷の縁を感じ、江戸での基盤として購入を決意。親旦那の賛同を得て、周助に買収を任せると、彼は1カ月で白雲屋を150両で手に入れる。
5月末、幸は江戸行きを決意。別れを惜しむ結に「商いの目途が立てば呼ぶ」と約束し、右腕としてお竹(いしのようこ)を連れて行くことに。治兵衛(舘ひろし)は「江戸ではミサゴの目とアリの目を持て」と助言し、「夕日は金色、川面は銀色」と江戸での商いに希望を託す。幸は菊栄から贈られた櫛と智蔵の形見を身につけ、新たな船出に臨む。
■見どころと次回の展開
この回では五鈴屋の伝統を守るため涙を封じた幸の強さと、周囲の偏見を跳ね返して自ら道を切り拓く姿に胸を打たれる。特に、智蔵の思い出とともに江戸行きを決意するシーンは感動的で、これまでの静かな歩みから一転、物語が新たな舞台へと大きく動き出す回となった。細やかな人間関係の描写も光り、次回への期待が高まる。
いつも幸に的確なアドバイスをくれる「ミサゴの目とアリの目」とは「大空を飛ぶミサゴのように、高所から世の流れをみて、地べたを這うアリのように、身の回りの小さなものにも目を凝らすようにという意味。そして亀三が江戸で頼りになる人物として幸に伝えた人物とは誰なのか?
5月4日の次回・第5話「いざ!討ち入り」。幸は、鉄助とお竹を伴い浅草田原町に到着する。五鈴屋江戸店は間口二間半と小ぶりだが、智蔵と夢見た望みに叶ういい店構えだった。出店準備を進める中、幸はお竹と柳原の古着商いを見に行く。江戸と大坂の商いの違いを目の当たりにしながら、幸は出店に向けいろんな知恵を思いつく。赤穂義士討ち入りの日、五鈴屋江戸店が開店。その盛況ぶりを遠巻きに見つめる男がいた…。
【本放送】2025年4月6日(日)~5月25日(日)
18:45~19:28(毎週(日)43分×全8回)
【再放送】2025年4月10日(金)~30日(金)19:30~20:13
【原作】 髙田郁
【脚本】 山本むつみ
◇NHK「あきない世傳 金と銀2」HP
【2025年春ドラマ】【全話あらすじ】