三谷幸喜の新作「おい、太宰」6月放送 松山ケンイチが太宰治に、小池栄子・宮澤エマら共演

三谷幸喜が脚本と監督を務めるWOWOWドラマWの最新作「おい、太宰」が、6月29日22時より放送・配信される。主演を務めるのは田中圭。共演には松山ケンイチ、小池栄子、宮澤エマ、梶原善が名を連ねる。出演者からのコメントと1特報第2弾がYouTubeにて公開された。
「おい、太宰」は、三谷が長年挑戦してきた“ワンシーンワンカット”の撮影手法によるドラマシリーズの第3弾。カメラを一切止めず、舞台劇のようなライブ感で物語を描くというユニークなスタイルで、過去には「short cut」(2011)、「大空港2013」(2013)が制作されている。
今回は、太宰治に憧れるサラリーマン・小室健作が、ひょんなことから時代を超えて奮闘する姿を描くタイムスリップ・コメディ。田中圭が健作役を務めるほか、小池栄子が太宰の恋人・矢部トミ子、宮澤エマが健作の妻・小室美代子を演じる。
さらに、三谷作品の常連・梶原善が、漁師・打雷次郎、その兄・四郎、父・四郎次郎という一人三役に挑戦。物語の鍵を握る太宰治役には、青森県出身の松山ケンイチがキャスティングされた。特報映像第2弾も公開され、作品の世界観が一層注目を集めている。
三谷は本作について「映像と舞台の魅力を掛け合わせた、ほかにない作品。今回は3本目にしてようやく到達点を見た気がします。奇跡のような瞬間がいくつもありました」と手応えを語っている。
放送・配信は6月29日22時よりWOWOWにてスタート。
三谷幸喜 コメント
■本作への思い
2011年の第1弾「short cut」から14年が経ちました。その間にワンシーンワンカットの長回しの作品が海外でもたくさん生まれ、1つのジャンルとして定着してきました。その中で僕が考える理想的なワンシーンワンカットは舞台と映像の面白さのいいとこ取り。演劇的ですが演劇では絶対できない面白さがあり、こういうドラマは他にはありません。役者さんの素晴らしさ、奇跡のような瞬間を見ることができます。シリーズ3本目にして、ようやく何か1つの到達点に来たかなと感じています。
■キャストの魅力について
田中さんはこの作品をやるために生まれてきたんじゃないかというぐらいに素晴らしかったです。100分ほぼずっと走り回る役で相当疲れているはずですが、そういった姿を見せることがなかった。膨大な台詞も完璧でしたし、ものすごく頼りになる俳優さんです。小池さんは画に入った瞬間に不思議と格調というか全体が締まるんです。昔の日本映画を見ているような感じがして、本当に素敵な女優さん。小池さんでなければ成立しないような、すごく面白い場面が多々ありますので、そこは見どころです。宮澤さんは追い詰められると底知れぬパワーが出るんです。彼女がどんどん海に入っていくシーンがあるんですけど、びしょびしょになりながら絶叫してはじけた感じというのは、面白さとおかしさと何か悲しさみたいなものもありました。梶原善はシリーズ3本全部に出ています。これはある意味、梶原善のシリーズだと言ってもいいぐらい。今回は1人3役をやるんですが、早着替えもあり、本人も本当にくたくたになっていました。上手く3役を演じていて見ごたえがあります。松山さんは太宰治に思い入れがすごく強い方だったので、方言にもこだわり、最終的には身も心も太宰になりきっていました。太宰はかっこいい人という印象があるかもしれないですが、松山さんはハンサムだけどひょうきんでお茶目、すごく人間的な太宰治を演じてくれました。
■小池栄子 コメント
三谷さんのワンカットシリーズには出たいな。けど大変そう。でもいつか出たいな。と思っていたので、オファーを受けた時は嬉しさとドキドキとがありました。皆で舞台のように稽古し、撮影は1日1回! スタッフと共に気持ちを一つにし集中して挑む。何が起こるか分からない、アドレナリン出まくりで中毒性があり楽しかったです。芝居は何があっても止めない。という基本に立ち返る事ができ、素晴らしい体験でした!
■宮澤エマ コメント
今まで参加させて頂いたどの三谷作品でも創造力と瞬発力を試されていると感じましたが、「おい、太宰」の撮影は更に集中力と対応力も求められる経験したことのない緊張と戦う現場でした。
稽古で作り上げた土台はあったものの、実際のロケーションでの撮影は日々変わる潮の満ち引きや天候との調整、その都度変わらざるを得ないタイミングやアクシデント(そして三谷さんの閃き)に全員で臨機応変に力を合わせて作り上げていくプロセスでした。私が演じた美代子も稽古場から自然の中に解き放たれて日毎にスパークして行き、最終的には稽古場と全く別人になった気がします。
ワンカットだと忘れてしまうカメラワークのその後ろで汗水流しながら全力で走り、隠れ、着替える姿を見て欲しいと思ってしまうほどカメラの裏側にもたくさんのドラマがありました。そんな裏側にも思いを馳せながら観ていただければ面白さも更に倍増するかと思います。
■梶原善 コメント
またまたまた、ワンシーンワンカットドラマのお話を頂いた、3回目である。今度はどんな話になるのかと思ってワクワクした。ワンシーンワンカットでやると思うとワクワクします「始まったら止められない“やっちまえ”」って。
がしかし今回は正直、今までで一番大変だったかも…
それは潮の満ち引きが大いに関係してくるから。
潮が満ちて引くといろいろと状況が変わる。
現場の状況、スタート時間、となると僕の起きる時間などなど。もっともっといろいろと大変だったと思う。
スタッフ皆様、本当におつかれ様でした。
その苦労のおかげで凄いおもしろい作品になったのではないかと!
どうぞお楽しみ下さい。
■松山ケンイチ コメント
ワンカット長回しは本番中に全く関係ない現地の人が入ってきても
俳優の誰かが放屁してもそれを踏まえて続けていかなければいけないので
本番中に何が起こるのかという楽しい緊張感がありました。
仕事でまた再会できた方もいて嬉しかったですし、今回初めてご一緒させていただいた方とも素敵な時間を過ごせたように思います。
撮影場所となった伊豆の景色も素晴らしく、その穏やかでゆったりとした景色も楽しんでもらえると思います。
放送・配信情報
タイトル:ドラマW 三谷幸喜「おい、太宰」
放送・配信:2025年6月29日(日)午後10:00~(WOWOWプライム/WOWOWオンデマンド)
脚本・監督:三谷幸喜
主演:田中圭
共演:小池栄子、宮澤エマ、梶原善、松山ケンイチ ほか
“歴史を変える”ノンストップ・タイムスリップコメディの結末は?三谷幸喜が描く奇跡のワンカットを、ぜひその目で体感しよう。
◇ドラマW三谷幸喜「おい、太宰」番組特設サイト