「大岡越前8」第3話:忠相(高橋克典)、“仇討ちの連鎖”に終止符―小日向文世の息子が登場

NHK BS時代劇『大岡越前8』(日曜18:45~)の第3話「逃亡者の命運」が6月22日に放送された。今回、忠相(高橋克典)が対峙したのは、武家社会に根深く残る「仇討ち」のしきたり。ゲストには風間杜夫、賀来千香子、小日向星一らが登場し、親子の葛藤と命の選択が描かれた。あらすじと見どころ、次回の展開を紹介する。次回予告はHPで公開中だ。(ネタバレ)
■「大岡越前8」とは
江戸の町を舞台に、南町奉行・大岡忠相(高橋克典)が仲間たちとともに事件や人情に向き合い、“大岡裁き”を繰り広げる時代劇シリーズ。2024年の第7シリーズに続き、高橋克典が2期連続で忠相役を務める。美村里江、勝村政信、寺脇康文らおなじみのキャストに加え、今作では嶋田久作、山崎一輝らが新たに参加。各話に登場する豪華ゲストも見どころのひとつだ。⇒【高橋克典×風間杜夫ほか豪華各回ゲスト紹介】
■第3話「逃亡者の命運」
忠相(高橋克典)は身分を隠して町を歩いていた際、易者の田所伴内(風間杜夫)と出会う。田所が倒れたため伊織(勝村政信)が診察する。田所は余命半年と診断されるが、本人には伝えず薬だけを渡す。田所は十年前、友人の四宮直太朗(加藤重樹)が家族に暴力を振るうのを止めようとして誤って殺してしまう。以来、直太朗の妻・小春(賀来千香子)と息子・小一郎(小日向星一)に仇として追われていた。田所は江戸で小一郎を見かけ、討たれる覚悟を決める。その頃、江戸では辻斬り事件が発生し、与力の神山左門(嶋田久作)が捜査を急がせていた。小一郎は旗本の嫡男・沼田友之助(西本銀二郎)の腰ぎんちゃくになっていた。小春はそんな息子の姿を嘆く。実は、辻斬りの正体は友之助だった。後日、次の辻斬りをしようとする友之助を小一郎が止めようともみ合ううちに、誤って刺し殺してしまう。友之助の取り巻きの浪人たちは小一郎に罪をなすりつけ、沼田主膳(近童弐吉)は家名を守るため小一郎の抹殺を命じる。
小一郎は母・小春に辻斬りへの関与を告白し、小春はお上に訴えるよう諭すが、浪人たちが襲撃。小春は小一郎を逃がし、田所と忠相が駆け付ける。小春は夫の仇である田所が目の前に現れ刀を向けるが、忠相が正体を明かして止める。忠相は小春から事情を聞き、仇討ちの訴えを奉行所に預けるよう勧め、田所と共に小一郎救出に動く。浪人たちに襲われた小一郎を田所が身を挺して守り、忠相が場を収める。
お裁きの場。忠相は、浪人たちと沼田主膳に厳しい沙汰を下す。小春と小一郎には『仇討ち願い』が示され、田所が呼び入れられる。小一郎は仇討ち願いを取り下げたいと申し出て、父の暴力に怯えていた過去や田所に救われたことを告白する。母・小春はそんな夫でも仇討ちをしてお家再興が武家のしきたりと涙ながらに語る。すると、田所に付き添っていたお美津(小野真弓)は田所を殺せば自分が仇討ちすると宣言し、忠相は仇討ちの連鎖を禁じる。
忠相の言葉と弱った田所の様子から、彼の余命を悟った小春は仇討ちを諦める。田所は母子に許しを乞い、忠相は田所にお美津たちと残りの人生を穏やかに過ごすよう諭す。
1か月後、田所は亡くなる。ことの顛末を聞いた将軍・徳川吉宗(徳重聡)は「この世には風穴というものがある」と忠相に話す。忠相は人の心に風穴を開ける裁きの重みを噛みしめるのだった。
今回は、武家の家庭内でのDVと恨みの連鎖について描かれた。この回では神山と忠相の母・妙(松原智恵子)との関係も明らかになった。神山は幼少期に両親を盗賊に殺された。忠相の父・忠高(津川雅彦)に遠山家への養子縁組を取り持ち、妙とはそれ以来の付き合い。いつも仏頂面で人を寄せつかない神山も妙の前では従順だ。また、今回は徹夜捜査を言い出すなど、日ごろから神山を毛嫌いしていた筧甚内(金山一彦)が、「頼むぞ」の一言をもらったことで、神山に対する印象が変わり始めたようでもある。今後の2人の関係にも注目した。
本作は毎回の豪華ゲストも話題の本作。今回は風間杜夫と賀来千香子が因縁の関係で登場した。二人はTBSの学園ドラマ「少女に何が起ったか」(1985年)や「浅見光彦シリーズ『壺霊』」(2014年、TBS)などで共演しており、この度久々の共演となった。また、賀来千香子の息子役で登場した小日向星一(1995年6月4日生まれ)は、東京都出身の俳優。父は名俳優の小日向文世で、弟の小日向春平も俳優。NHK大河ドラマ「青天を衝け」やNetflix「今際の国のアリス」、映画『サマーフィルムにのって』『星屑の町』などに出演している。
次週第4話は6月29日ほかで放送される。
■第4話「涙のお手玉」
忠相(高橋克典)は、誠三(河相我聞)が大店の弱みを握り、金貸しのお甲(藤山直美)が脅しをかけ金を借りさせ利息を取っている事を知る。お甲は、昔、もらい火でうどん屋を失くし、幼い娘を手放し、金貸しになっていた。お甲は酌婦の美代(熊谷弥香)と娘のお玉(小野美音)と出会う。お玉のお手玉が、自分が娘のおきよ(小野美音・二役)に渡したものと気づき驚くお甲。そんな時、美代が殺しの犯人として連行されてしまう。■放送・制作情報
放送日時:6月8日(日)より毎週日曜 18:45~19:28(全8回)放送局:NHK BS、NHK BSP4K
脚本:尾西兼一(2・3・7・8話)、いずみ玲(1・5話)、森脇京子(4・6話)
音楽:山下毅雄、小笠原肇
主題歌:由紀さおり
出演:高橋克典、勝村政信、寺脇康文、美村里江、近藤芳正、高橋光臣、嶋田久作(新キャスト)、柄本時生、石井正則、金山一彦、山崎裕太、加藤頼、黒川英二、財木琢磨、由夏、亜呂奈、中村加弥乃、山﨑一輝(新キャスト)、高橋長英、徳重聡、松原智恵子、田村亮 ほか
制作統括:本木一博(NHK)、落合将(NHKエンタープライズ)、白石統一郎(C.A.L)
演出:矢田清巳(1・4・7・8話)、六車雅宣(2・3話)、濱龍也(5・6話)
◇NHK BS時代劇「大岡越前8」HP
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