Netflix「あなたが殺した」第1・2話:チョン・ソニとイ・ユミの視点で夫殺害決意までを追う
2025年11月7日、Netflixで韓国ドラマ「あなたが殺した」(原作:奥田英朗『ナオミとカナコ』)が一挙配信された。
第1話と第2話では、親友ヒス(イ・ユミ)が夫ジンピョ(チャン・スンジョ)から暴力を受けていると知ったウンス(チョン・ソニ)が、ジンピョ殺害を決心するまでを、ウヒとヒスのそれぞれの視点で描いている。この回のあらすじと、原作との違いを紹介する。※本記事はネタバレを含む。未視聴の方は注意が必要だ。
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「あなたが殺した」は、「あなたが殺した」は、家庭内暴力から逃れるため、殺人を企てる2人の女性が、予期せぬ事件に巻き込まれていく姿を描いたサスペンススリラーで、原作は奥田英朗の小説『ナオミとカナコ』。2016年に日本でも広末涼子と内田有紀主演で実写化された作品だ(【日本版あらすじと見どころ(ネタバレあり)】)。
■キャスト(原作)
チョ・ウンス役:チョン・ソニ/小田直美:広末涼子
チョ・ヒス役:イ・ユミ/服部加奈子:内田有紀
ノ・ジンピョ役:チャン・スンジョ/服部達郎:佐藤隆太(二役)
チン・ソベク役:イ・ムセン/チン社長:高畑淳子
ノ・ジニョン役:イ・ホジョン/服部陽子:吉田羊
ほか
■第1話「ウンス」
ウンス(チョン・ソニ)はラビエ百貨店の外商部で働くキャリアウーマン。ある日、VIP向けのイベントで対応した客が高級時計を盗んだ疑いがかかり、チン・ソベク社長(イ・ムセン)と対峙する。強気な態度で交渉をまとめたウンスに、興味を持つチン社長。ウンスは気丈で仕事に誇りを持つ女性として描かれる。一方で彼女の心には、幼い頃の家庭内暴力の記憶が深く刻まれていた。母に暴力を振るう父を前に、弟とクローゼットに隠れるしかなかった無力感。その傷は今も癒えていない。
百貨店で偶然、親友ヒス(イ・ユミ)の夫ジンピョ(チャン・スンジョ)が高価なネックレスを購入する姿を見て、ウンスは違和感を覚える。気になりヒスを訪ねて、彼女が夫からの暴力を受けていることを知る。ここでもウンスは結局何でもできないでいた。
百貨店でVIP会員のカン夫人もまた夫から暴力を受けていることを知ったウンス。ウンスは見ぬふりをしてきた自分を恥じる。実家では今も父が母に手を挙げており、ウンスは警察に自首させようとするが、何も解決できない。
そんな折、チン社長と食事をしているときに、カン夫人の自殺のニュースを見て涙を流すウンスに、チン社長は「夫を殺すべきだ」と言い放つ。その言葉がきっかけとなり、ウンスは長年封じていた怒りと罪悪感を爆発させる。そしてヒスの元へ駆けつける。ヒスはベランダから飛び降りようとしていた。彼女をベランダから引き下ろし、「殺そう。あんたの夫を殺す」と告げる。抑えてきた感情が一気に解放される瞬間だった。
■第2話「ヒス」
ヒス(イ・ユミ)はかつて童話作家として活動していたが、今は専業主婦として冷酷な夫ジンピョ(チャン・スンジョ)の支配下にある。夫からの暴力は日常化しており、そんな夫との子供を望まない彼女は避妊薬を常用するほど心身ともに追い詰められていた。自宅には監視カメラが設置され、外出の服装まですべて夫の指示。姑(キム・ジョンスク)は教育評論家として「家庭内暴力を見て見ぬふりするな」と講演するが、息子の暴力を見逃しているという皮肉な構図が描かれる。
認知症の母を盾にとられ国外逃亡にも失敗したヒス。暴行痕を写真に残し、病院の診断書も取得し、警察に被害届を出そうとしたが、義妹ジニョン(イ・ホジョン)に遭遇してしまう。警察官である彼女は大統領室警護候補となっているエリート。一族のスキャンダルを避けるため、被害届を出さないように圧力をかける。逃げ道を失ったヒスは酒に溺れ、夫の顧客の個展で酔って暴言を吐き、夫の怒りを買う。車の中で命を脅かされたヒスは、絶望の末に自殺を試みようとする。
そこへ現れたのがウンスだった。すべてを察したウンスがヒスを抱き寄せ、「あんたの夫を殺そう」と言う。その一言で、恐怖に支配されていたヒスの表情に初めて生気が戻る。暴力の連鎖を断ち切るための危険な決意。こうして二人の女性の運命は、取り返しのつかない方向へと動き出す。
■原作「ナオミとカナコ」との違い
韓国版では原作と比べ、いくつかの違いがある。
・ウンスの母は現在もDVを受け続け、物語に緊張感を与える。
・時計を盗んだチン社長は原作ではコミカルな中国人女性だったが、韓国版では笑いを排しミステリアスな人物として描写している。
・夫の姉が韓国版では妹で警察官として登場し、今後の展開で原作と異なる重要な役割を担う。
第1話・第2話では、女性二人の視点を交互に描き、DV被害者の絶望と親友への想いを丁寧に描いている。原作との違いを活かした韓国版オリジナルの人物描写や事件展開にも注目だ。
◇YouTube|『あなたが殺した』予告編 – Netflix