展覧会と公演で探る朝鮮王室の美と趣 特別企画展「進宴:朝鮮王室の宴」開催中

10時31分暮らしと文化

大阪韓国文化院では、2025年12月12日より、朝鮮時代の宮廷芸術に光を当てた特別企画展「進宴(ジニョン):朝鮮王室の宴」を開催している。本展は、韓国・国立国楽院との共同主催によるもので、会期は2026年2月10日まで。観覧は無料となっている。



朝鮮王室の宴を描いた「壬寅進宴図屏」に注目
今回の展示は、大阪韓国文化院が現在の場所へ移転した際にも公開された**「壬寅進宴図屏(イミンジニョントビョン)」**を中心に構成されている。この屏風は、1902年4月に行われた朝鮮王朝最後の宮廷宴を描いた貴重な記録画で、国立国楽院・国楽博物館を代表する所蔵品のひとつだ。

会場では、この屏風を軸に、韓国の伝統楽器46点や関連資料を展示。500年にわたる朝鮮王朝の歴史とともに、宮廷芸術が受け継がれてきた歩みを体感できる内容となっている。
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3部構成でひもとく宮廷芸術の世界

展示は、以下の3部構成で展開されている。


第1部「宮廷音楽、宴享を彩る」
KOREA王室の宴で用いられた服飾や楽器、文献資料を通じて、宮廷儀礼と音楽がどのように発展し、現代の伝統芸術へと継承されてきたのかを紹介する。


第2部「行楽(ヘンアク)、王の道を照らす」
KOREA王の行進で演奏される伝統音楽「大吹打(テチタ)」に焦点を当てる。K-POPアーティストAgust Dの楽曲で知られるこの音楽の原型を知ることで、現代文化と伝統芸術のつながりを実感できる構成だ。


第3部「進宴、10幅の屏風で受け継がれる」
展示のハイライトとなる「壬寅進宴図屏」を独立した空間で公開。屏風に描かれた宴の様子から、朝鮮王室の美意識と宮廷文化の集大成を感じ取ることができる。

開幕記念公演も盛況、宮廷舞踊に喝采
展示初日の12月12日には、連携プログラムとして開幕記念公演<宮廷音楽に込められた、朝鮮の趣>が大阪韓国文化院7階・ヌリホールで開催された。

公演では、「壬寅進宴図屏」にも描かれている宮廷舞踊「春鶯囀(チュネンジョン)」をはじめ、多彩な宮廷舞踊と音楽が披露され、来場者から大きな拍手と好評を集めた。
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朝鮮宮廷芸術の真髄に触れる貴重な機会
本展は2026年2月10日まで開催され、会期中は朝鮮王室の宴文化や宮廷芸術の奥深さに触れられる特別な時間を提供する。歴史や伝統芸術に関心のある人はもちろん、K-POPなど現代文化から韓国のルーツを知りたい人にもおすすめの展覧会だ。


特別企画展「進宴(ジニョン):朝鮮王室の宴」
・会期:2025年12月12日(金)~2026年2月10日(火)
・会場:大阪韓国文化院 1階 ミリネギャラリー (大阪市北区東天満1-1-15)
・主催:大阪韓国文化院、韓国 国立国楽院
・観覧:無料
・内容:「壬寅進宴図屏」屏風や韓国伝統楽器46点
・連携プログラム:開幕記念公演<宮廷音楽に込められた、朝鮮の趣>(12.12 19:00)