富士山噴火のシナリオを描くNHKスペシャル「富士山大噴火 迫る“灰色の悪夢”」2週連続放送
NHKスペシャルの「富士山大噴火 迫る“灰色の悪夢”」が、4月5日・12日の21時から2週連続放送される。富士山の大噴火によって首都圏が直面する可能性のある“最悪のシナリオ”を、ドラマとドキュメンタリーで描く大型企画である。
日本は世界有数の火山大国であり、富士山の噴火は決して絵空事ではない。政府は2025年、富士山噴火に伴う火山灰対策の報告書を公表し、都市機能への深刻な影響を指摘した。火山灰が0.5ミリ以上降れば鉄道の運行停止の可能性があり、10センチ以上で多くの自動車が走行不能になるとされる。さらに大規模停電や通信障害の発生も想定されている。番組ではこうした報告書をもとに専門家や自治体への取材を行い、噴火が現代都市に及ぼす影響を映像化する。
物語の舞台は202X年の東京。運送会社のドライバー・大室泰志(伊藤)と妻の美也子(前田)は第一子の誕生を間近に控えていた。そんな中、富士山噴火のニュースが飛び込み、首都圏には火山灰が降り始める。停電や通信途絶が相次ぐ中、美也子は陣痛を訴え、逆子のため緊急帝王切開が必要となる。灰が降り積もる街を抜け、産婦人科を目指す家族の姿を描く。
三池監督は「学者でも英雄でもない、ありふれた家族の物語。自然の脅威を疑似体験し、生きるために前へ進んでほしい」とコメント。伊藤は「いつ起こってもおかしくない恐怖を感じた。作品を通して視聴者にも噴火を疑似体験し、備えを考えてほしい」と語った。前田も「富士山の大噴火は想像しにくいが、撮影を通じて心の準備をするような感覚になった」と話している。
ドキュメンタリーパートでは、富士山火口での調査や噴火予測の最新研究に密着。火山灰の影響を検証する大規模実験も行い、巨大災害に備えるための課題を探る。最新のVFX技術を用いた映像で、まだ見ぬ災害の実像を体感できる内容となる。
また、番組に合わせて配信サービス「NHK ONE」では「全国火山ハザードマップ」を公開予定。気象庁が24時間観測している全国49の火山について、火山灰や溶岩流、火砕流などの影響範囲を確認できる。住んでいる地域周辺の火山リスクを把握することができ、防災意識の向上につなげる狙いである。
「富士山大噴火 迫る“灰色の悪夢”」は、【前編】が4月5日、【後編】が4月12日、いずれも21時から総合テレビで放送予定。同時・見逃し配信も予定されている。
NHKスペシャル「富士山大噴火 迫る“灰色の悪夢”」
【前編】4月5日(日)21時~21時49分(総合)
【後編】4月12日(日)21時~21時49分(総合)
※NHK ONEで同時・見逃し配信予定
作:竹村武司
テーマ音楽:網守将平
出演:伊藤淳史/前田亜季/渡辺真起子/猫背椿/原日出子/松平健 ほか
演出:三池崇史