チュ・ヨンウ×キム・ソヒョン「恋愛博士」制作発表会!故アン・パンソク監督が残した“今が全盛期”というメッセージ

09時52分ドラマ

10月5日から日本でもDisney+(ディズニープラス)「スター」にて独占配信が決定した新ドラマ「恋愛博士」の制作発表会が10月2日、ソウル・龍山区のCGV龍山アイパークモールで開催された。

会見には、チュ・ヨンウ、キム・ソヒョン、キム・ミンソク、イ・チャンフン、イム・ジンヒョ、スタジオジニーのキム・ヒョンジョンEPらが出席。キャストたちは作品の魅力とともに、今年8月に亡くなった故アン・パンソク監督との撮影を振り返った。会見動画が多数公開されたのでくわしくレポートしよう。

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アン・パンソク監督にとって「恋愛博士」は最後に完成させたドラマとなる。監督が作品に込めた青春へのまなざしと、俳優たちが現場で受け取った言葉が、放送前から大きな注目を集めている。

■アン・パンソク監督×ミン・ヒョジョン作家、25年ぶりの再タッグ
「恋愛博士」は、高校時代に水泳選手として活躍していたものの、病気によって片脚を失った博士課程の学生パク・ミンジェ(チュ・ヨンウ)と、進路を見失って迷いながら新たな道を歩み始める修士課程の学生イム・ユジン(キム・ソヒョン)が主人公。ロボット研究室で出会った2人が、恋愛を通して互いの世界を変えていく、“甘く、ほろ苦く、刺激的な”青春ロマンスだ。

スタジオジニーのキム・ヒョンジョンEPによれば、本作はアン・パンソク監督とミン・ヒョジョン作家が25年ぶりに再会し、「青春たちのロマンティックコメディーを作ってみよう」と始めた作品だという。

ミン・ヒョジョン作家は「屋根部屋のネコ」「フルハウス」などで知られ、アン・パンソク監督は「密会」「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」「春の夜」「卒業」など、人物の感情を丁寧に描く作品を手掛けてきた。

刺激の強い設定や展開の速さが注目されがちな現在のドラマとは異なり、「恋愛博士」は事件を次々と起こすのではなく、人物の感情の動きをじっくり追っていく作品だ。

キム・ヒョンジョンEPは、ロボット工学の大学院研究室という舞台について、「勉強は一番簡単なのに、恋愛は一番難しい人たちが集まっている空間ではないか」という面白いアイロニーがあると説明。研究室で学問に向き合う若者たちが、恋愛を通じて成長していく姿が本作の大きな魅力になるという。

また、毎話ごとに感情的なクライマックスがあり、大きな事件が起こらなくても「次にこの人物の感情がどう動くのか」と気になる力を持った作品だと自信を見せた。

■チュ・ヨンウが演じる“静かな青年”ミンジェ
チュ・ヨンウが演じるミンジェは、かつて水泳選手を目指していた青年。しかし病気によって片脚を失い、夢だった水泳を諦めることになる。

それでも自分の置かれた状況を受け入れ、自分に何ができるのかを静かに探している人物だ。感情を大きく表に出すタイプではなく、恋愛に対しても慎重で、自分の傷が相手を傷つけるのではないかという不安を抱えている。

チュ・ヨンウは、ミンジェを単純に「傷ついた青年」として描くのではなく、自分の状況を理解したうえで前に進もうとする人物として表現したという。

役作りでは義足を実際に使用するための準備にも力を入れた。撮影前から、事故で脚を失った男性から義足の使い方だけでなく、歩き方、充電や保管、日常生活での扱い方まで教えてもらったという。

さらに、脚を失った直後にどのような気持ちだったのか、恋人との関係はどう変わったのかなど、実際の経験に基づく話も聞き、役作りの参考にしたと明かした。

こうした準備を経て作り上げたミンジェについて、キム・ヒョンジョンEPは、アン・パンソク監督が当初思い描いていた「過去の青春像」に対して、チュ・ヨンウが2026年を生きる大学院生の姿をリアルに表現したと説明。

編集作業を見た監督は「自分が間違っていて、この青年が正しかった」と話し、チュ・ヨンウの演技を高く評価していたという。

■キム・ソヒョンが演じるユジンは“迷いながら進む”ヒロイン
一方、キム・ソヒョン演じるユジンは、衣類・ファッションを学ぶ修士課程の学生。卒業を控えているものの進路に迷い、ある出来事をきっかけに「トラブルメーカー」のレッテルを貼られ、衣類系の大学院への進学を阻まれてしまう。

そんなユジンがミンジェと出会い、ロボット研究という思いもよらなかった世界へ足を踏み入れる。研究に対しては率直で、自分の感情にも比較的正直なユジンは、何を考えているのか分かりにくいミンジェとは対照的な存在。その2人が互いに刺激を与えながら変化していく過程が、本作の中心となる。

キム・ソヒョンはアン・パンソク監督について、「演技の楽しさをもう一度教えてくれた師匠」と表現した。監督は細かく指示を出す一方で、最後は俳優自身に任せるタイプだったという。キム・ソヒョンが現場で相談するたびに「ユジンが一番よく分かっている」「やりたいようにやってみて」と言われた。

そしてある瞬間、監督から「もうユジンになったね」と言われたことが、特にうれしかったと振り返った。ユジンという人物を探していく過程では、自身も迷ったというキム・ソヒョン。しかし、その時間を通して「自分がなぜ演技を好きになったのか」を改めて感じたといい、監督への感謝を語った。

■チュ・ヨンウ×キム・ソヒョン、同い年だからこその距離感
チュ・ヨンウとキム・ソヒョンは1999年生まれの同い年。

しかし、キム・ソヒョンのほうが芸歴が長いこともあり、チュ・ヨンウは「現場の内外でたくさん学んだ」と語った。特に寒い時期の撮影や現場環境に問題があったときのキム・ソヒョンの忍耐力を挙げ、「自分より大人っぽくて、たくさん学んだ」と話している。

興味深いのは、2人が撮影中盤まで実際に敬語を使っていたこと。チュ・ヨンウによれば、ドラマの中でミンジェとユジンの関係が変化していく時間軸に合わせるように、現実でも距離を保っていたという。「最初からものすごく仲が良かったわけではなかったので、むしろ演技には役立った」と振り返り、中盤以降に距離が縮まり、現在はタメ口で話していることも明かした。ドラマの中で少しずつ距離を縮めていく2人と、撮影を通して実際に親しくなっていった2人。その重なりも、「恋愛博士」のケミストリーを楽しむポイントになりそうだ。

■「芸術だと感じられなくなったら家に帰れ」――監督が残した言葉
チュ・ヨンウは、アン・パンソク監督との撮影について「本当に素晴らしい大人だった」と振り返った。

監督は現場で哲学者について話すなど、さまざまな話をしてくれたという。ある日、俳優たちに「君たちがやっていることは確かに芸術であり文学だ。これが芸術だと感じられなくなり、仕事だ、お金を稼ぐことだと感じる瞬間が来たら家に帰りなさい」と話した。

その言葉を聞き、チュ・ヨンウは「頭がはっとした」と振り返っている。また、監督は撮影を非常に効率的に進め、必要なものを正確に撮影することで、俳優たちに食事や睡眠のための十分な時間を与えていたという。チュ・ヨンウはアン・パンソク監督について「本当に輝いている方」「今、とても会いたい方」と語り、短い時間だったが、これからの俳優人生にも大きな影響を与える人になると話した。

■俳優たちが語る“文学を愛した監督”
アン・パンソク監督の影響を受けたのは、主演2人だけではない。

イ・チャンフンは、監督について「同じクラスの友達であり、担任の先生のような方」と表現。また、自身のデビューにも監督が関わっており、カメラの前で俳優として何をすべきかを監督の現場で学んだという。監督の特徴について、「撮影が早い」というよりも、頭の中で「撮るべきもの」と「なくてもいいもの」が明確だったと説明。そのうえで、最終的な完成は俳優自身が見つけられるように導いてくれたという。

「君ならどこに座りたい?」「どのドアから入りたい?」と俳優に問いかけ、その答えをもとにセットを作っていく。イ・チャンフンは、俳優自身が答えを見つけられるようにする監督の力を振り返った。

イム・ジンヒョも、監督が文学を非常に愛していたと語る。「どうすれば演技がうまくなれますか」と尋ねたところ、監督から「本を読まなければならない」と言われ、古典文学をたくさん読むよう勧められたという。その言葉をきっかけに、出演者たちは読書会まで作って本を読むようになった。

こうしたエピソードからも、アン・パンソク監督が単に演技を指導するだけではなく、俳優自身の人生や感性を育てようとしていたことがうかがえる。

■“今が私の全盛期”――最後に残されたメッセージ
制作発表会で特に印象的だったのが、キム・ヒョンジョンEPが明かしたアン・パンソク監督の言葉だ。

監督は撮影を終えた打ち上げの席で、「この作品を作り始めたときから、何かのメッセージを伝えようと計画していたわけではない」としたうえで、ドラマを一本撮り終えてみると、「今こそが私の全盛期だ」という言葉が強く伝わってきたと話したという。

これは『SLAM DUNK』の桜木花道のセリフとしても知られる言葉。

キム・ヒョンジョンEPは、今、不安や恐れから一歩を踏み出せずにいる人もいるかもしれないが、「恋愛博士」はアン・パンソク監督からの応援であり、プレゼントのようなドラマなのではないかと語った。

この言葉は、恋愛だけを描く作品ではない「恋愛博士」の核心にもつながっている。ミンジェもユジンも、最初から何もかも順調な若者ではない。それぞれが傷や迷いを抱え、自分の人生をどう進めればいいのか分からずにいる。だからこそ、2人が出会い、相手から勇気や刺激を受け、自分自身の可能性を見つけていく姿が、単なるラブストーリー以上の意味を持つ。

■個性豊かな研究室メンバーにも注目
ミンジェとユジンを取り巻くロボット研究室には、個性豊かなメンバーが集まる。

イ・ギュソン演じるオム・テホ、イ・ソクヒョン演じるペ・チャンス、キム・ミン演じるチェ・ハンギョルらが研究室の仲間として登場。さらに、ユジンの同級生でミンジェのライバル的存在となるキム・セジン役をイム・ジンヒョが演じる。

教授陣には、ロボット研究室を率いるアン・ジェホン教授役のイ・チャンフンをはじめ、数学の天才で最年少の正教授イ・ジフン役のチャン・インソプ、衣類学科の教授カン・ミラン役のリュ・ギョンインらが出演する。

イ・チャンフンはアン・ジェホンについて、穏やかで豪快に見える一方、ときには鋭さやずるさも見せる、立体的な人物だと説明。イム・ジンヒョ演じるセジンは頭脳明晰だが、子どもっぽく狭量な一面もあり、それがかえってかわいらしさにつながるキャラクターだという。

■キム・ソヒョンの家族も“リアルな家族ケミ”を形成
ユジンの家族を演じるのは、パク・ヒョックォン、ソ・ジョンヨン、キム・ミンソク。

父イム・ヨンソクは自動車整備工場を営む温かく勤勉な父、母ソ・ミヨンは工場の経理を担当する働き者の母、兄イム・ユソンは家業の整備工場で働く、妹を気にかけながらも子どもっぽいところのある兄だ。特にキム・ミンソクは兄ユソンについて、「温かさと無礼さの境界線にいる人物」と表現。ユジンと似ているところも多く、非常に率直で、家族を思っているようで思っていないような、独特の魅力を持つ人物だと紹介した。

恋愛だけでなく、家族、友情、研究室での人間関係まで丁寧に描かれることで、若者たちの日常そのものを楽しめる作品になっている。

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■「今を生きる若者たち」のリアルな青春ロマンス
「恋愛博士」でアン・パンソク監督が描くのは、完璧な青春ではない。夢を失ったミンジェ、進路に迷うユジン。それぞれに「欠けたもの」があり、その欠けた部分を抱えたまま、2人は出会う。

キム・ヒョンジョンEPは、アン・パンソク監督が撮影当時、療養から回復する過程にありながらも、現場では非常にエネルギッシュに仕事をしていたと振り返った。「本当に現場の人なんだ」と感じるほど撮影を楽しみ、エネルギーに満ちた状態で作品に向き合っていたという。だからこそ、「恋愛博士」はアン・パンソク監督の最後の作品であると同時に、監督が最後に見つめた“青春”の物語でもある。

刺激的な事件や大きな仕掛けではなく、恋をすることで少しずつ変わっていく人間の心。その変化を俳優たちの繊細な演技で追いかける作品だからこそ、監督が長年描いてきた青春ドラマの集大成としても注目される。

そして作品を撮り終えた監督が残した「今が私の全盛期」という言葉。

過去ではなく、今この瞬間を生きることの意味を、ミンジェとユジンという2人の若者を通して届ける――。

「恋愛博士」は、故アン・パンソク監督から視聴者へ贈られた最後の青春ロマンスとなる。

「恋愛博士」は韓国ENAで10月5日22時から放送開始。Disney+で日本を含む世界配信、韓国ではGenie TVでも配信される。なお、現時点では日本での配信・放送について正式な発表はされていない。

◇[메인 예고] (メイン予告)