KBS大河「文武」なぜ新羅は最強帝国・唐に戦いを挑んだのか?脚本家が語る「ダビデとゴリアテ以上」の歴史秘話

08時33分ドラマ
KBS大河ドラマ「文武」 2026年11月14日スタート

11月14日(土)に韓国KBS2でスタートする新大河ドラマ「文武(ムンム)」が、朝鮮半島の歴史を大きく変えた「羅唐戦争」に光を当てる。総合予告も公開された。



「文武」は、弱小国だった新羅が、強大な百済・高句麗、そして大陸の唐をも退け、三韓(三国)統一を成し遂げていく激動の歴史と、その中心にいた4人の指導者たちの凄絶な生き様を描いた総製作費300億ウォンの超大作歴史スペクタクル。➡navicon特集【「文武」を2倍楽しむ】

新羅は唐と手を組んで百済と高句麗を滅ぼしながら、なぜ今度は、その強大な同盟国に戦いを挑んだのか。脚本家キム・リホンは、この戦争を「ダビデとゴリアテの物語よりも劇的」と表現。イ・ヒョヌク、チャン・ヒョク、キム・ガンウ、パク・ソンウンら豪華俳優陣が演じる歴史上の英雄たちの知られざる葛藤とともに、作品に込めた思いを明かした。

■「われわれが先に攻撃して勝った戦争」脚本家が注目した歴史
「文武」の脚本を手掛けるキム・リホンは、長年、大河ドラマを書くことを夢見てきたという。その題材として以前から注目していたのが、670年から676年にかけて新羅と唐の間で繰り広げられた羅唐戦争だった。

当時の唐は東アジアに絶大な影響力を持つ大帝国。一方の新羅は、軍事力でも国力でも唐とは大きな差があった。それにもかかわらず、新羅は唐に対して先制攻撃を仕掛け、最終的にその支配の試みを退けた。

キム・リホンは「辺境の弱小国だった新羅が、最強の帝国・唐に先制攻撃を仕掛けて撃退したことは、ダビデがゴリアテを倒した物語よりも劇的だ」と説明。「われわれが先に攻撃して勝った戦争の歴史だ。大河ドラマにする価値は十分にあった」と、題材を選んだ理由を語った。

旧約聖書に登場するダビデとゴリアテは、少年が圧倒的な力を持つ巨人を倒す有名な物語だ。脚本家は、それにも匹敵する歴史が朝鮮半島にありながら、広く知られていないことに着目したのである。

■同盟国から宿敵へ!新羅と唐はなぜ戦ったのか
羅唐戦争を理解するには、その前に起きた三国統一の歴史を知っておきたい。

7世紀の朝鮮半島では、高句麗、百済、新羅の三国が覇権を争っていた。新羅は唐と同盟を結び、660年に百済を、668年には高句麗を滅亡させた。しかし、共通の敵を倒した後、両国の関係は一変する。

唐は百済と高句麗の旧領土に軍事拠点を設け、朝鮮半島への支配を拡大しようとした。一方、新羅も自らの勢力を広げようとしており、双方の利害が激しく衝突したのだ。

かつて共に戦った同盟国は、こうして敵同士となった。670年に本格化した羅唐戦争では、一進一退の攻防が続いたが、675年の買肖城(メソソン)の戦いで新羅が唐軍を撃退。翌676年には伎伐浦(キボルポ)の戦いで唐の水軍を破り、戦局を決定づけた。

唐は朝鮮半島南部から軍事拠点を後退させ、新羅は唐による直接支配の試みを阻止した。この戦いは、新羅による朝鮮半島中南部の統一を確かなものにする重要な転換点となった。

■歴史の結末を知らない英雄たち、その一瞬の選択を描く
キム・リホンが脚本の執筆で最も大切にしたのは、歴史上の人物たちが置かれた切迫した状況だった。

現代の私たちは戦争の結末を知っている。しかし、当時を生きた人々は、自分たちが勝つのか負けるのか、明日を生き延びられるのかさえ分からなかった。

たった一度の判断が、自分や家族、さらには国の運命まで変えてしまう。

脚本家は、そうした緊張感をドラマに込めたかったという。また、善と悪という単純な構図を避け、それぞれの人物が何を求め、何を恐れているのかを丁寧に描くことにも力を注いだ。

戦闘場面についても、歴史書や兵法書を参考にしながら、一つひとつの戦いが持つ意味を検討。単に勝敗を見せるのではなく、なぜ勝利できたのか、なぜ敗北したのかという過程そのものを楽しめる構成を目指した。

さらに、王や将軍たちの政治的駆け引きだけでなく、戦乱の中で懸命に生きる民衆の姿も描かれる。

■イ・ヒョヌクは内面の葛藤、チャン・ヒョクは英雄と独裁者の二面性
「文武」には、新羅第30代王・文武王こと金法敏(キム・ボプミン)をはじめ、父の金春秋(キム・チュンチュ)、名将・金庾信(キム・ユシン)、高句麗の実力者・淵蓋蘇文(ヨン・ゲソムン)など、歴史上の重要人物が登場する。

主人公の文武王を演じるイ・ヒョヌクについて、キム・リホンは、感情を抑え込む力があり、その奥に秘めた内面の動きまで感じさせる俳優だと評価した。

淵蓋蘇文を演じるチャン・ヒョクについては、英雄と独裁者という二面性を魅力的に表現できる俳優だと期待を寄せる。また、金春秋役のキム・ガンウについては、冷たい外見の奥に熱い感情を秘めることができる俳優だと説明。感情表現の難しい役柄にも黙々と取り組んでくれたことへの感謝を伝えた。

金庾信役のパク・ソンウンについても、重厚な存在感と、その重みをふっと解き放つ瞬間の魅力を併せ持つ俳優だと語っている。

このほか、チョン・ウンイン、チョ・ソンハら実力派俳優も出演する。

■「勝った歴史」だけではない、王たちの生きざまに注目
羅唐戦争は、新羅が唐という強大な帝国を相手に勝利した歴史として知られる。しかし「文武」が描こうとしているのは、単純な勝利の物語ではない。

新羅の文武王、武烈王、金庾信、そして高句麗の淵蓋蘇文。彼らは後世の歴史書では英雄や権力者として記録されているが、当時はそれぞれの信念と不安を抱え、先の見えない時代を生きていた。

キム・リホンは、戦争や政治的な権力争いを通して、こうした人物たちが互いの運命を変えていく姿を描きたいという。そして、放送が終わった後も、登場人物たちの顔が視聴者の記憶に長く残るドラマになってほしいと願いを語った。

演出は「花郎<ファラン>」「チャン・ヨンシル~朝鮮伝説の科学者~」「懲毖録(ジンビロク)」などを手掛けたキム・ヨンジョ監督とク・ソンジュン監督。脚本はキム・リホンとホン・ジニが共同執筆し、キーイーストとモンスター・ユニオンが制作する。

■「文武」を2倍楽しむ!naviconの歴史コラムもチェック
naviconでは、11月14日の「文武」初放送に向けて、特集【「文武」を2倍楽しむ】を展開中。ドラマの舞台となる新羅の歴史や、三国統一に至るまでの流れを詳しく紹介している。

まず、「【韓ドラ歴史コラム】『文武』放送前にこれだけは知っておきたい!新羅の歴史と6人の重要人物、三国統一への道」では、物語を理解するうえで欠かせない歴史上の人物と、新羅が三国統一へ向かう過程を紹介。文武王をはじめとする登場人物たちの関係や時代背景を予習できる。

一方、「【韓国歴史コラム】韓国時代劇で知っておきたい『新羅』の歴史を徹底解説」では、新羅という国の成り立ちから歴史を幅広く解説。「文武」だけでなく、新羅を舞台にした韓国時代劇を楽しむ際にも役立つ内容となっている。

なぜ新羅は唐と同盟を結び、そして敵対することになったのか。文武王たちは何を守ろうとして戦ったのか。ドラマを見る前に歴史を知っておけば、英雄たちの決断や葛藤がより深く理解できるはずだ。

他にもひと目でわかる「韓国時代劇チャート」【ドラマの年表(統一前)】、【(統一後)】、「王朝系図」【半島統一前】、【半島統一後】、【朝鮮半島の時代別地図】など時代劇市長に役立つ図表も公開している。

KBS2大河ドラマ「文武」は、11月14日(土)21時20分より韓国で初放送される。

◇종합 예고(総合予告)
◇KBS2「문무」HP

KBS2新大河ドラマ「文武」は、11月14日(土)21時20分より韓国で放送開始となる。

kandoratop【作品詳細】【「文武」を2倍楽しむ】