『ゴスフォード・パーク』 奇才ロバート・アルトマン監督が、
イギリス上流社会をシニカルに描いたブラック・コメディ。

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映画監督の奇才と言えば、日本なら市川崑が浮かぶし、アメリカならさしずめロバート・アルトマンだろう。この『ゴスフォード・パーク』を見ると、その才気煥発とした奇才ぶりが実によく分かるのだ。

舞台は1930年代のイギリス。郊外のカントリー・ハウスのパーティに、貴族たちが集ってくる。泊まり込んで、翌日、キジ撃ちも楽しもうというのだ。
金の無心をしようとする老婆。不倫関係にある男女。きらびやかではあるが、裏のある貴族たち。一方、同じように集まってきた使用人たちは個人名ではなく、使える主人の名で呼ばれる。
階上で貴族たちがお酒を飲み、カードゲームに熱中している間、階下では料理人、執事たちが忙しく走り回る。
そこで、殺人事件が発生するのだ……。

階級社会というものは、現代の私たちには見えにくくなっているが、「下流」と「上流」という意識は根強く存在している。表面を覆う「建前」を引き剥がせば、厳とした階級が現れてくるはずなのである。
階級内で行なわれているさまざまな事々とは、この映画と同じように哀しさと滑稽に彩られているのだろう、きっと。
  • 監督: ロバート・アルトマン
  • マギー・スミス/マイケル・ガンボン/クリスティン・スコット・トーマス/ボブ・バラバン/カミーラ・ラザフォード
  • 年月日 ~ 年月日

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