お別れです。いのち残り火、終(つい)の恋映え。
「夢千代日記」はNHKのTVドラマとして、3作品が放送され、いずれも20%を超える高視聴率を獲得したシリーズ作の映画化。広島で被爆し、余命幾ばくもない夢千代の最後を描く。母から受け継いだ芸者置屋・はる家を営みながら、あと半年の命という過酷な運命を受け入れ、そしてなお生きたいと願う夢千代。そんな心優しい夢千代が、偶然に遭遇した事故で知り合ったどこか影のある旅役者・宗方を愛するようになる。はかない命の火を灯して恋急ぐ夢千代の儚さ、美しさを讃える大人のメルヘンとして、叙情豊かに描く。また、監督には、吉永小百合の初めてのブルーリボン主演女優賞に輝かせた記念すべき代表作『キューポラのある街』(1962年)のメガホンをとった浦山桐郎があたる。
監督 浦山桐郎(1985年 128分)
夢千代日記
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