【正月ドラマ】20年前の脚本が蘇るドラマWスペシャル「學」予告動画に倉本聰×仲代達矢の対談映像も-WOWOW

2011年12月28日22時19分ドラマ

2012年元旦にWOWOW開局20周年記念番組として放送されるドラマWスペシャル「學」の特設サイトにて、プロモーションなど各種PR動画が公開されている。日本ドラマ界の巨匠・倉本聰が20年前に執筆しながらもこれまで映像化されることのなかった幻の作品が、現代に蘇って人と文明、生きることの意味を問いかける。

物語は一人の少年に降りかかるある事件から始まる。エリート商社マンの父と母は赴任先のニューヨークに在住しており、13歳の少年・學は東京で一人暮らしをしていた。パソコンだけが友だちだった學だったが、ある日近所に住む4歳の少女が勝手に學のパソコンをいじったことに激昂する。學は思わず少女を突き飛ばすが、少女は命を落としてしまう。恐怖から死体を遺棄した學だったが、程なく発覚してマスコミを騒がす大事件に発展する。この事件の影響で両親は自殺、學は自らの感情を閉ざしてしまう。そんな學に再び人としての道を歩ませるために立ち上がったのは、學の祖父で元南極越冬隊員の祖父・信一だった。信一は學を連れてカナダ・ロッキー山脈へ旅立つ。そこには人間などちっぽけな存在にしか思えないような厳しい大自然が待ち構えていた。

主人公の學には、2009年にデビューしてまだ俳優経験の浅い高杉真宙(まひろ)が大抜擢された。祖父の信一は大ベテランの仲代達矢が演じる。倉本自身がこの作品を「『北の国から』のネガティブ版」と語っているように、扱われるテーマと物語の展開は重く、人間社会の苛酷さや無力さがテーマとなる。倉本がこの脚本を執筆した当時は、連続少女誘拐殺害事件があったり、コンピューターやゲームが子どもたちの間に浸透して問題となり始めていた頃だった。そして、今の時代にこの作品が世に出されることについて、倉本は「描きたかったのは人間の復活、生きることはどういうことかということ。東日本大震災や原発事故が起きたこの年に制作に入ったことに意味を感じます」とも語っている。
ドラマ公式サイトには、特報映像およびメイキング、プロモーション映像2種に加えて倉本聰と仲代達矢の対談や「倉本聰『學』ができるまで」のドキュメンタリームービーまで揃っている。壮大なロッキーの自然の中で、人としての感情を失った少年に再び生きること、自然と共存することを伝える祖父との交流は、幅広い世代の心に訴えるだろう。

ドラマWスペシャル「學」は1月1日(日・祝)よる8時から放送。各種PR動画は番組公式サイト「映像」で視聴出来る。

ドラマWスペシャル 倉本聰 學

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