電脳世界≪メタル≫の海にダイブせよ!『RD 潜脳調査室』第1話~第3話無料配信中

2009年01月22日15時22分アニメ

2008年4月より日本テレビ系列で放送されていたSFサイバーアクションアニメ『RD 潜脳調査室』の第1話から第3話がGyaOにて期間限定で無料配信されている。

2012年、建設中の人工島の沖合いで久島率いる研究チームが海洋観測を行っていた。ダイバー波留真理(はるまさみち)はその観測実験のダイビング中に電磁機器を狂わせる謎の「海が燃える」現象に巻き込まれ昏睡状態に陥ってしまう。

2061年、完成した人工島の病院に波留はいた。波留は脳の一部を機械化する電脳化技術により昏睡状態からようやく回復したが、「海が燃える」現象から約50年、すでに80代の老人となっていた。車椅子生活の老いた身体では海に潜ることはもはや叶わず、暗澹たる思いの中で、50年前に現象の中で感じた“地球律”を介助アンドロイドのホロンと細々と調べる日々を過ごしていた。
ある日波留の元にホロンのメンテナンスの間、介護を手伝ってくれる少女蒼井ミナモがやってくる。一所懸命に介助してくれる若いミナモの言動、行動に元気をもらった波留は昔の自分を少し取り戻した気がしたのだった。そんな中、50年前と同じ「海が燃える」現象が人工島を襲う! 電脳障害が発生し、人工島の発電所が停止して病院内が停電してしまう。このまま停電が続けば病院では死亡者が出てしまう、そう考えたミナモは波留に発電所回復に向かうことを告げ、病院を飛び出した。波留もなんとかミナモの手伝いをしたいが老いた身体が動かない。そこで波留は電脳ネットワーク“メタル”に飛び込んで電脳世界から彼女をバックアップしようと考えた。

『RD 潜脳調査室』は「プロダクション I.G×士郎正宗」というアニメ『攻殻機動隊』のスタッフが同作品の世界をベースに再構築した姉妹作風な作品だ。電脳、義体、電脳ネットワークなど共通する単語が作品を飛び交う。だが『攻殻機動隊』では電脳のプロたちがそれらが落とす社会への影、陰部に対処していく物語を描いていたのに対し、『RD 潜脳調査室』では電脳化も義体化もしていない15歳の少女ミナモを通じて、電脳ネットワーク社会の問題点を外からの視点で描いている。それゆえか、『攻殻機動隊』よりもわかりやすい人も多いのではないだろうか。映像はプロダクションI.G制作でもちろん文句無く秀麗で、特に海とネットワークの海の表現は実映像と見紛うほどである。ちなみにこの作品に出てくる女性たちはアニメにありがちなスリムな体型ではなく、みなポッチャリ型でそういうところもリアルに表現されている。健康的な肉体美というところだろうか、そんな彼女たちのアクションシーンはできるシワから身体の重さまで表現の嘘がなくて、そこだけでも一見の価値があるだろう。
SFが少し苦手という人にもぜひお勧めしたい一本だ。


■キャスト
波留真理:森功至/蒼井ミナモ:沖佳苗/蒼井ソウタ:高橋広樹/ホロン:川澄綾子/久島永一朗:藤原啓治/エリカ=パトリシア=タカナミ書記長:鶴ひろみ/神子元サヤカ:渡辺明乃/伊東ユキノ:野中藍


GyaO『RD 潜脳調査室』