亡き妻が残した絵手紙に託された想いとは…28日「日曜洋画劇場」高倉健主演『あなたへ』あらすじと予告動画

2014年09月27日21時00分映画

高倉健×降旗康男20作目となる『あなたへ』28日(日)放送。富山の刑務所に務める倉島(高倉)は亡き妻(田中)が残した絵手紙に託された想いを叶えるため、自作のキャンピングカーで富山から長崎まで旅をする…道中さまざまな人たちとの出会いと別れ…倉田は妻の想いを知ることができるのか…予告動画は番組公式サイトで公開。

2012年公開『あなたへ』は高倉健にとって205本目の主演映画となり、また監督・降旗康男と組んだ20本目の作品でもある。高倉は、2006年に公開された張芸謀(チャン・イーモウ)監督(日本編監督は降旗康男)『単騎、千里を走る。』以来6年ぶりの映画出演となり、公開当時は話題になった。当時、高倉は81歳、とてもそんな年齢には見えない凜とした佇まいを見せている。日本人が憧れる日本人像といっても過言でははない。任侠映画全盛期のころから高倉健のファンという男性(特に中高年層)は非常に多い。

1931年生まれ、今年で83歳になる高倉健、言わずとしれた日本を代表する映画スターである。もともと俳優になるつもりはなく、芸能事務所のマネージャーになるため面接試験を受けたところ、その場に居合わせた東映京都撮影所の所長にみそめられ、東映ニューフェイス第2期生として東映に入社。
1960年代前半は時代劇を中心に出演していたが、1963年『人生劇場 飛車角』以降、任侠映画で大活躍した。1965年から始まった『網走番外地』シリーズ、『昭和残狭伝』シリーズなどヤクザ映画で一世を風靡した。
1977年は『八甲田山』、『幸せの黄色いハンカチ』に出演し、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、ブルーリボン賞主演男優賞を獲得した。
日本映画のみならず、ハリウッド映画にも出演。1989年公開、リドリー・スコット監督『ブラック・レイン』では大阪の街を舞台とした刑事とヤクザの争い、本作は故・松田優作の遺作となった。さらに1992年公開『ミスター・ベースボール』では、ヤンキースから中日ドラゴンズへ移籍した野球選手の物語で、高倉は中日ドラゴンズ監督を演じている。

■あらすじ
富山の刑務所で指導教官を務める倉島英二(高倉)宛てに、亡くなった妻・洋子(田中裕子)から絵手紙が届いた。そこには「故郷の海に散骨してほしい」と記されていた。そしてもう1通、洋子からの手紙があったのだが、それは洋子の故郷・長崎平戸市の郵便局への局留めとなっていた。受け取り期限まであと10日…倉島は自作のキャンピングカーで富山から長崎までの旅をする…。
旅の間に出会った人たち…同じようにキャンピングカーで旅をする中学校教師の杉野(ビートたけし)、各地を転々としながらイカ飯の実演販売をしている田宮(草なぎ剛)と南原(佐藤浩市)らとの交流をつうじて、家族の大切さに触れる倉田…。目的地平戸で倉田は妻・洋子の願いを叶えることができるのだろうか…。

日本の美しい原風景、人々の「情」、そして高倉健…バイオレンスでもアクションでもラブコメでもサスペンスでもない映画だが、日本人の心に染みいる何かがきっとあるはず…。高倉健という俳優は、現在の日本映画界にとって稀有な存在であり、またなくてはならない存在でもある。ぜひ、高倉健をリアルタイムで知らない若い世代の人たちにも、見てもらいたい作品である。

ちなみに本作『あなたへ』は、俳優・大滝秀治の遺作となった(2012年10月2日死去、享年87)。

『あなたへ』(2012)
監督:降旗康男(「鉄道員(ぽっぽや)」「少年H」)
脚本:青島武
出演:高倉健、田中裕子、佐藤浩市、草なぎ剛、綾瀬はるか、ビートたけし、余貴美子、岡村隆史(ナインティナイン)、大滝秀治、長塚京三、原田美枝子、浅野忠信ほか
『あなたへ』のDVD&Blu-Rayは東宝より絶賛発売中。

9月28日(日)テレビ朝日夜9時放送「日曜洋画劇場『あなたへ』」を放送。予告動画は番組公式サイトで視聴できる。

テレビ朝日「日曜洋画劇場」番組公式サイト