友美（永作博美）が死の間際に望んだこと…NHK「さよなら私」最終回見逃した方のためにあらすじと関連動画
心と体が元に戻った友美（永作博美）と薫（石田ゆり子）、友美は残された時間を楽しく過ごしたいと、薫、春子（佐藤仁美）、陽介（藤木直人）と一緒に暮らす。そして薫は健人（高橋來）の母親になることを友美に誓った。2人の入れ替わりはその心構えのためだったのか…NHK「さよなら私」はNHKオンデマンドで全話配信中。
心と体が入れ替わる、と言うストーリーはわりとよくあるネタである。懐かしいところでいうと、大林宣彦監督小林聡美×尾美としのり『転校生』（1982）、ドラマでは舘ひろし×新垣結衣『パパとムスメの7日間』（2007）などがある。比較的コメディー路線が多いが、本作「さよなら私」はかなりシリアスな物語だった。1人は独身キャリアウーマンの薫（石田ゆり子）、もう1人は幸せな家庭を築く専業主婦の友美（永作博美）。対称的な2人が入れ替わるそのドタバタ劇かと思いきや、薫と友美の夫・洋介（藤木直人）との不倫問題や、友美の病気など、主人公2人を取り巻く環境は決して明るいものではなかった。とくに後半、友美がガンになってから以降、入れ替わったまま死を迎えるのか…という大きな問題が生じた。40代というまだまだこれから人生が長く続くであろう1人の女性が、突然死を宣告される。しかもその体は自分のものではない…。こんな奇想天外なストーリー、当事者になってみないと（なれないけど）絶対にわかり得ないものがあるが、友美の立場でも、薫の立場でも身につまされる思いがした。
劇中、友美が薫に自分たちが入れ替わった理由は「神様はやさしいね。普通に死んでいったらいくら親友でもこんなふうに（健人を）託せない。でも薫は一度健人の母親になってくれた」と言った。多分、視聴者はこのシーンで涙したことだろう。これが神が仕向けた試練だとしたら、これほど残酷であり、これほど慈悲深いものはないだろう…。
そしてなによりも、オンナとは「母・妻」と「女性」とでは違う生き物だということを痛感させられた。どちらが幸せか…その答えは視聴者一人ひとりにゆだねられる。
設定は違うが、1人の主婦がある日突然家「母・妻」をやめて家を飛び出し長崎まで旅をする…というドラマがNHKBSプレミアム2015年1月11日（日）からスタートする。原作は桐野夏生著『だから荒野』が鈴木京香主演でドラマ化される。この物語も主人公・朋美（鈴木京香）が「母」と「妻」をやめ、一人のオンナとして旅にでる物語だ。こちらも家族の在り方を考えさせられるドラマになるであろう。
◇NHKBSプレミアムドラマ2015年1月11日（日）スタート「だから荒野」番組公式サイト
■最終回「幸せな家族」あらすじ
友美（心は薫：永作博美）は残された時間をみんなと一緒に過ごしたいといい、星野家で友美、薫（心は友美：石田ゆり子）、春子（佐藤仁美）親子、洋介（藤木直人）との共同生活がはじまった。さらに春子の妊娠が判明。新たな命の誕生にみんなは喜んだのだが…。
そんな奇妙な共同生活をおくるようになったある朝、目覚めると友美と薫の心と体が元に戻っていた。友美は自分の身体で健人（高橋來）を抱きしめられることに喜びを感じつつ、確実に訪れる死におびえ、薫は自分の身体に戻った喜びと、親友を失う悲しみに苦しんだ。
薫を連れて実家に戻った友美は、母・弘子（りりィ）に病の話しをする。「親不孝ね、親より先にいなくなちゃうなんて」という母に友美は「お母さんのことがキライだった。期待に応えられないのがイヤだった。だからお母さんから逃げたかった」と本当の気持ちを伝えた。友美と弘子はやっと、心のわだかまりがとけ、母と子として愛することができるようになった。
いろいろなわだかまりが解けていく一方で、確実に友美の体は死に近づいていた。車椅子生活になり、とうとう自宅療養で寝たきりになってしまった。弱っていく友美をささえる家族たち。薫は友美に「健人君の母になる。でも洋介さんとは結婚しないから」と伝えた。友美として生きた間に、薫の中には本当の母性が芽生えていたのだ。それを聞いて安心して微笑む友美…。
一方、洋介から春子の妊娠を聞かされた光雄（尾美としのり）は、冬子（谷村美月）と別れ、春子のところへ戻ってきた。
友美の死後…洋介はこのまま共同生活を続けてはどうかと提案する。春子の息子たちと兄弟のように仲良く過ごす健人。健人の母になると決めた薫。他人には理解されないかもしれないが、妙にバランスが取れた新しい家族としての日常が始まった。
NHK「さよなら私」（全9話）最終回「幸せな家族」再放送はNHK総合15日（月）25時25分より放送。主演は永作博美、石田ゆり子。予告動画は番組公式サイトで視聴できる。さらにNHKオンデマンドにて全話見逃し配信中。
◇NHK総合「さよなら私」番組公式サイト公式サイト
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