作家?書評家?それとも落語家?多彩な顔を持つ落語立川流真打・立川談四楼新刊案内と関連動画
弟弟子・立川談春の『赤めだか』を書評でホメたら師匠・談志をしくじった!?小説も書き書評もする落語家・立川談四楼が『赤めだか』騒動の全てを書いた『談志が死んだ』(新潮文庫)は現在絶賛発売中!YouTubeでは、ミシュラン1ツ星の蕎麦屋で開催、立川談四楼独演会・流石亭(4回/年)のコメント動画を配信中。(談志が死んだ (新潮文庫))
東京には落語家が850人もいるらしい。新宿末廣亭、鈴本演芸場、池袋演芸場、浅草演芸ホール、国立演芸場と1年365日、毎日どこかで必ず落語会が催されている。初心者は、落語に興味があってもどこへ行って誰を聞いていいのかがわからない。当てずっぽうのように末廣亭に行って、たまたまその日の演者がつまらなかったら「落語ってやっぱりつまらないんだ」と思ってしまうのも仕方ない。
だったら事前にどの落語家が今面白いのか、ちょっと調べてから落語会へ行って見てはいかがだろう。今回取り上げたい落語家は、小説家、書評家の顔を持つ、落語立川流真打・立川談四楼である。
東京には落語協会、落語芸術協会、円楽一門会、そして落語立川流と4派ある。そのなかで、円楽一門会と立川流は末廣亭、鈴本演芸場、池袋演芸場、浅草演芸ホールという寄席での落語会には出演しない。今から三十数年前におこったある出来事がきっかけなのである。
立川談四楼が属する落語立川流とは、昨年末、嵐の二宮和也主演で話題となった「赤めだか」(TBS)のモデル、立川談春が所属する流派である。今から約30年前、立川談志ならびに弟子たちは落語協会に所属していたが、ある事件がきっかけで、談志は当時落語協会会長だった柳家小さん(談志の師匠)に反発し、協会を脱会して「落語立川流」を設立した。
ちなみにNHK「ためしてガッテン」の立川志の輔、立川談春、そして談春のライバルだった志らくは、談志が「落語立川流」を設立してから談志の弟子になった落語家である。
今回ご紹介したい立川談四楼は、30年前に談志が小さんとケンカをし、落語協会を脱会するきっかけをつくった張本人なのだ。現在、談四楼は立川流理事として、人気落語家として全国を飛び回っている。落語家という顔のほかに、小説を書き「週刊新潮」等で書評もこなす文才のある噺家である。本人曰く、ちょっと自虐的に「落語もできる小説家」などと言っているが。『声に出して笑える日本語』『もっと声に出して笑える日本語』(ともに光文社知恵の森文庫刊)はロングセラーで多くのサラリーマンたちに愛されている。
そして、自身がきっかけとなった「落語立川流」設立までのいきさつ、そして2011年11月21日、75歳で死去した談志のこと、その後の立川流のことを赤裸々に明かしたのが、現在新潮文庫から発売中、立川談四楼著『談志が死んだ』である。
『赤めだか』(扶桑社)がベストセラーになった談春だが、どうやらそのことで家元・談志をしくじったらしい。そのことに、大きく関わっているのが兄弟子の談四楼。なぜ談志は談春や談四楼に激怒したのか…『談志が死んだ』(新潮文庫)にすべて書かれているのでぜひお読みいただきたい。
落語立川流真打・立川談四楼の公演情報は公式サイト「だんしろう商店」を参照。YouTubeでは、ミシュラン1つ星の蕎麦屋で年4回開催している落語会・流石亭(次回開催は3月12日)のコメント動画を配信中。
◇立川談四楼オフィシャルサイト「だんしろう商店」
◇3月12日開催 立川談四楼独演会・流石亭コメント動画(YouTube)