女性というアイデンティティ!NHK「アンという名の少女」第5回あらすじと見どころ:宝物は私の中に!

2023年04月30日22時20分ドラマ
Marvin Moore ©2017 Northwood Anne Inc.

クラスの皆から嫌われ、フィリップス先生の心無い叱責ですっかり自信を無くしたアンが学校に行けなくなる!NHKBSプレミアムで放送の「アンという名の少女」(全8話)明日5月1日(月)放送の、第5回のあらすじと見どころを紹介、Youtube「NHKエンタープライズ ファミリー倶楽部」チャンネルにてシーズン1のPR映像が公開中だ。
※2020年NHK総合で放送したときに紹介したあらすじです。



「アンという名の少女」は、カナダの小説家ルーシー・モード・モンゴメリによる小説『赤毛のアン』をカナダCBCとNetflixにより共同製作したテレビドラマシリーズ。全3シーズン制作され、NHKでは1シーズン(全7話)を8回で放送。
【「アンという名の少女」を2倍楽しむ】では、各話の詳しいあらすじと見どころ、豆知識などまとめて紹介している。

今回は、ドラマオリジナルエピソードである牧師の「女性とはこうあるべき」という説教から、アンとマリラが“女性というアイデンティティ”について考え始める。

※以下、詳しいあらすじを知りたくない方は、「■みどころ」をご覧になって、「あらすじ」は確認用にどうぞ。

■第5回:宝物は私の中に
自信を無くして不登校になってしまったアンは、お手伝いにも身が入らず想像の世界にこもる。リンド夫人やマシューはしばらく放っておけというが、生真面目なマリラはなんとしてもアンを学校に行かせようと無理強いする。泣いていやがるアンだったが、翌朝、渋々学校へ向かう。しかし、どうしても足が進まず森の空き家で時間つぶす。そんな日が数日続くが、ダイアナとルビーがアンの教科書を持ってきてくれたことで、アンの嘘がばれる。マリラは自分では手に負えないと牧師の助けを借りることに。嘘をついたことを謝りながらも、牧師の言葉にいちいち口を挟むアン。そんなアンの態度にマリラが声を荒げ、2人は口げんか。2人を制止した牧師は「無理に学校に行かせる必要はない。女は教育など受けなくてもいい。良き妻になるよう家事をしっかり教え育てるべきだ」と結論を下す。牧師が帰った後、アンは「良き妻になれることは無理」と断言して、将来の夢に想いを馳せる。1人になったマリラもまた牧師の話が心に引っかかり、思わず自分の人生を振り返る。

そんなある日、ギリス家(ルビーの家)で火事が起きる。村中の人が駆けつけ消火に当たるが、火は一向に収まらない。そこに駆けつけたアンの働きで火が弱まり、消火に成功する。アンの勇気ある行動に大人たちは驚き、ギリ一家は深く感謝する。

家の修繕が終わるまでルビーはカスバート家の世話になることに。だが嫌われ者のアンと暮すのが嫌だといいルビーは泣きだす。渋々グリーン・ゲイブルズへ。アンは想像の羽根を伸ばしてルビーを慰めるが、ルビーはさっぱり理解できない。それでも、大好きなギルバートにスコーンの差し入れをしようというアンの提案には大賛成。翌日、2人は差し入れを持って村人総出で修繕中のルビーの家へ。転んだルビーをやさしく気遣うギルバートにますます熱を上げるルビー。一方、アンはからかう男子を軽くあしらう。勇敢で機転の利くアンに鼻高々のマシュー。

あっという間に1週間が過ぎ、ルビーは家に帰れる嬉しさと仲良くなれたアンと別れる寂しさとの複雑な思いのまま眠りにつく。眠れないアンはマリラの部屋へ。マリラもまた眠れずにいた。「学校に行かず良き妻になれ」という牧師の言葉が納得できないというアンに、「時代遅れね」と牧師の言葉を一言のもとに否定するマリラ。アンの目を見て「後は自分で決めること。何をするか、何になるか、そして前に進みなさい」というマリラは、「可能性を狭めないで。私には選択肢がなかったけど、あなたは自分で自分の道を選びなさい」という言葉で、学校に行きたがっているアンの背中を押してやる。

翌朝、柱時計の中のケティに別れを告げたアンは学校へ。

■見どころ
不登校になったアンの扱いに戸惑うマリラ。そんなマリラにリンド夫人はしばらく放って置けばいい。焦らずに、と素敵なアドバイス。さすが10人の子どもを育てたさすが肝っ玉母さん。だが、焦げたパイも無駄にしないきっちり屋のマリラはそんな助言には耳を貸さない。追い詰められたアンが柱時計に映る自分にケティ・モーリスという名前を付けて話しかけるシーンが切ない。

アンの小難しい言葉が度々理解できない手伝いの少年ジェリー。今回はこれまで考えたこともない“将来の夢”!ジェリーはいつか、自分の夢を語るときが来るのか?

割り算はできないけれど、これまでの経験と読書でアンは大人も驚く情報通。もっとも、前回は「ズボンの中にネズミを飼っている」といういびつな性情報でみんなから嫌われてしまったが、今回は消防士のような活躍を見せる。孤児院で読んだ「消火の手引き」が役立ったというアン。ちなみに“燃焼の4要素”可燃物、熱エネルギー(点火源)、酸素、連鎖反応の内、どれか一つが欠けると火は消える。さあ、いったいアンはどんな方法で火事の火を弱めたのか?

そして今回のギルバートへの想いを強くしたルビーだが、ギルバートの視線にいるのは?

■豆知識
今回は、マリラが無理にアンを学校に行かせようとしたり、牧師の説教や火事騒動など、ドラマオリジナルエピソードなどがたくさん描かれる。また、【豆知識】では、「アヴォンリー物語の会」についても紹介している。アンがダイアナとルビーと「アヴォンリー物語の会」第1回の会合を開くが、原作ではこの会は、アンがグリーン・ゲイブルズに来て2年ほどたった後に結成する。フィリップス先生が辞めて新人ステイシー先生から“想像力”の宿題を出され、困ったダイアナたちのために、アンが思いついた会だ。モンゴメリの名作を高畑勲、宮崎駿たち豪華スタッフが映像化したアニメ版「赤毛のアン」の各話のあらすじがこちらで紹介しているので、「アンという名の少女」と比べてみるのも一興だ。ちなみに「アヴォンリー物語の会」は第29章で紹介している。
「赤毛のアン」(全50話)

■キャスト(声のキャスト)
アン・シャーリー:エイミーベス・マクナルティ(上田真紗子)
マリラ・カスバート:ジェラルディン・ジェームズ(一柳みる)
マシュー・カスバート(R・H・トムソン(浦山迅)
ダイアナ・バリー:ダリラ・ベラ(米倉希代子)
ギルバート・ブライス:ルーカス・ジェイド・ズマン(金本涼輔)
レイチェル・リンド:コリーン・コスロ(堀越真己)
ジェリー・ベイナード:エイメリック・ジェット・モンタズ(霧生晃司)

■原作・制作
原題:Anne with an “E”
制作:2017年 カナダ

NHK番組サイト
 2023年4月3日スタート 月22:00-22:45 NHKBSプレミアム
 2020年9月6日-10月25日 日23:00-23:45 NHK総合
YouTube「アンという名の少女」予告動画

【シーズン1作品紹介】【「アンという名の少女」を2倍楽しむ】