NHK「ヘチ 王座への道」2週お休みで21話予習:反乱軍の首謀者イ・インジャは実在の李麟佐がモデル
NHK総合(日曜よる11時から)で放送の「ヘチ 王座への道」は今夜4日と11日の放送は休止、18日放送の21話の前に、反乱の首謀者として物語の中心に躍り出たイ・インジャについてご紹介、NHK+(NHKプラス)では第20話の見逃し配信をしている。※18日の放送は23時15分からなのでご注意を。
「ヘチ 王座への道」は、民のための政治を行い名君と伝わる朝鮮王朝第21代王・英祖(ヨンジョ)の青年時代を仮想の人物として描いた作品。
※以下、【「ヘチ」を2倍楽しむ】で紹介した記事を一部抜粋、加筆などリライトしたモノです。
■20話復習と21話予習
6月27日に放送した第20話では、原因不明の病がイ・インジャによる陰謀と判明。7月18日放送予定の第21話ではイ・インジャ率いる反乱軍が清州(チョンジュ)城を陥落し、各地で反乱がおきる。そして20話からのドラマのカギを握るのがイ・インジャだ。
※それぞれのネタバレあり、なしのあらすじは【「ヘチ」を2倍楽しむ】で確認できる。
■李麟佐(이인좌=イ・インジャ)とその反乱
李麟佐(生年不詳~1728年没)は、全州の文臣、李雲徵の孫で、本名は李玄佐(イ・ヒョンジャ)。
英祖が即位して4年後の1728年、政権から追放された少論派の一部勢力と南人派の急進勢力が連合し、第21代王・英祖と老論派を排除しようと謀反計画を立てる。「英祖が景宗を毒殺した」という怪文書を各所に送り付けて、流民や農民などを兵士として募集する。
【拡大する】ところが、こうした謀反計画が発覚してしまい、李麟佐は先手を打って同年3月15日に反乱を起こし清州城を陥落させる。李麟佐は自ら大元帥を名乗って忠清北道清州(チョンジュ)に侵入し、清州を掌握。各地に檄文をおくって兵馬を集め、官穀を奪っては民心を動揺させ、この反乱が景宗のための復讐だという名分を作る。
反乱軍は、木川(モクチョン)、清安(チョンアン)、鎮川(チンチョン)を経て、京畿道の安城(アンソン)と竹山(チュッサン)へ向かう。ところが反乱軍は安城と竹山で、 都巡憮使(トスンムサ、反乱や戦時の軍務を担当する官職)の呉命恒(オ・ミョンハン)率いる官軍に大敗し、反乱は失敗。李麟佐は生け捕りにされて処刑される。
祟礼門(南大門)一方、この反乱がおきると、各地でも民乱が起き、反乱軍と合流しようとするが失敗する。鎮圧に成功した官軍は都へ凱旋し、英祖自らが祟礼門(現在の南大門)まで、乱を鎮圧した官軍を出迎える。少論派はこの乱を先頭に立って鎮圧したが、反乱軍の大部分が少論派だったために、朝廷内での少論の立場は弱まり、英祖は党派に偏らない蕩平策を強化出来きた。皮肉にも反乱軍を鎮圧したことで英祖はさらに王権を強化し、政局は安定する。
英祖のその後の治績や晩年に残してしまった痛恨の汚点については、【最終回のその後】で詳しく解説している。ただし、最終回ネタバレしているのでご注意を。
この乱は、李麟佐が中心になったので「李麟佐の乱」、または、戊申(ムシン)の年に起きたので「戊申の乱」として歴史に刻まれている。
この反乱を「ヘチ」ではどのように描くのか?英祖軍・反乱軍のそれぞれの作戦や地名などにも気を付けて18日放送の21話を見よう。
また、ひと足先の7日には「ヘチ 王座への道」オリジナルサウンドトラック(OST)がリリースされる。新感覚の時代劇OSTと評された本作の代表的なOSTはこちらで試聴、解説している。
■イ・インジャを演じた俳優
「ヘチ」でイ・インジャを演じているのはモデル出身のアラフォーのイケメン俳優コ・ジュウォンがしたたかに演じている。テコンドーと合気道が特技という彼の剣アクションにも注目したい。コ・ジュウォンについてコチラで詳しく紹介している。
イ・インジャが登場するドラマは他にも「テバク~運命の瞬間(とき)~」がある。チャン・グンソク扮する主人公の宿敵として名優チョン・グァンリョルがカリスマ演技で魅せている。
【「ヘチ」を2倍楽しむ】では、各話のネタバレなし、ありのあらすじと見どころ、時代背景や実在の人物の紹介、豆知識などまとめて紹介しているので、見逃した回がある方は参考にどうぞ。
■キャスト
延礽君・李昑/朝鮮21代王英祖役:チョン・イル
ヨジ役:Ara(コ・アラ)
パク・ムンス役:クォン・ユル
ごろつきの頭タルムン役:パク・フン
老論はミン・ジノン役:イ・ギョンヨン
イ・タン/密豊君役:チョン・ムンソン
他
◇NHK「ヘチ 王座への道」番組サイト
2021.02.14スタート 毎・日23:00-24:00 NHK総合
2019.11.10-2020.05.03 毎・日21:00~22:00 NSプレミアム
◇作品公式サイト
【作品詳細】【「ヘチ」を2倍楽しむ】